「オーズ界秘境探検」第2章「次元城(仮称)と24匹のデモンズケルベロス」(上、幕間)――twitter詩小説「レッズ・エララ神話体系」中世編「時雨とエヴィルシリーズ」

いよいよ探検家・時雨とエヴィル、次元より落ちてきた城の探索をはじめんとす! 前回のお話はこちらhttp://togetter.com/li/846343 レッズ・エララ神話体系についてはこちらhttp://togetter.com/li/845372
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8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

ジジイの戯言かと思った時雨とエヴィルだったが、すぐにジュンネスの顔つきが変わる。「まさか……あれは伝説では?」「儂は見た!瘴気が漏れているのを!」事態がよく飲み込めない時雨とエヴィル。だから聞く。「どーいうことなの」「……この城の地下には地獄への門を封じている伝説があります」6

2015-07-14 19:23:58
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「なんでだよ」率直に青年、疑問。「かつて我々が居た土地の太古は、地獄から来る魔族と戦う戦場でした。そしていろいろあって、魔族の来たる場所たる大門を、この城を建築することで封じたのです」「なるほどねえ……でもこんだけ城が崩壊しちゃったら……」「……封印は……」顔色悪い騎士 7

2015-07-14 19:26:24
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そのときである。城の中から「グギャアアアアァ」「グギャアアア!」「死にたくない死にたく、グギャアアア!」と断末魔が響いた。そこから出てくるのは、人間を口に咥えた三つ首の、まるで竜のような黒黒としたケルベロスだった。「デモンズケルベロス……おいおい、これ地獄の14階層の奴だぞ」8

2015-07-14 19:28:37
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青年の博覧強記は、地獄に住まう凶悪なモンスターの数々を知っていた。そしてオーズ界に地獄13階層のモンスターが登場することは、あのバカップルの言葉から知れていた。だが、基本「地獄のゲート」が開いたとはいえ、その階層に住まう以上のレベルのモンスターは現れないもんだ。9

2015-07-14 19:29:53
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ということは……。青年、当たり前のような類推をする。「おいジジイ」先ほどわめいていた爺に聞く。「地獄っていったな。第何階層だ?」「…海草?」ふざけたボケをかましたので、パーンとひっぱたく。「第何階層だ?」「知らぬ……ただ、闇の水竜統べる地と伝説が…痛い…」「14階層か」10

2015-07-14 19:32:45
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地獄は13階層をボーダーとして、それ以上が地上に顕現したら、死を覚悟しなければならないレベルである。よって、この白亜の城の召喚は、オーズ界そのものの危機であった。「どうするのエヴィル君、街に引き返す?」「12階層で全滅するような奴らだ。このモンスターに相手にならんだろう」11

2015-07-14 19:34:35
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

「じゃあ……」「……地下に行くぞ。このままだったら、俺様たちもこの大陸でうかうか冒険できやしねえ。召喚されてすぐのうちが華だ」すると、デモンズケルベロスがまず5匹、城の門に現れた。「次々出てくる前に、全部斬らないとね……!」時雨が愛刀であり妖刀「落葉(ラクヨウ)」を抜き放つ。12

2015-07-14 19:37:19
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

――詩小説、レッズ・エララ神話体系、中世編「時雨とエヴィル」 「オーズ界秘境探検」、第二章「時空城(仮称)と24匹のデモンズケルベロス」(前)、了 ――後半に続く!

2015-07-14 19:38:55