ジョジョ百物語~2015~
こないだの任務、俺と何人かで鏡の中で喋りながら待機してたんだけど、その時の会話にごく自然に知らない声が混じっててさ。数瞬して気付いて全員で確認したけど、その声の主は見付からなかった。何て言ってたかって?「ホント、鏡の中にも世界があるなんて思わなかったよ」…って。 #ジョジョ百物語
2015-07-21 00:37:02コロッセオには少年の幽霊が出るという噂がある。もし少年に『裏切り者はどこか』と聞かれたら「全員始末された」と、『ボスはどうなった』と聞かれたら「貴方に判らないのに私に判る筈がない」と答える事。ふざけて自分が裏切り者だと答えた男は眼球の無い死体で発見されたという。 #ジョジョ百物語
2015-07-21 00:37:28初めて海に連れて行ったとき、娘は少し目を離した隙に沖へ流された。しかしどういうわけか俺が必死に泳いで探す間に浅瀬まで戻ってきていて、こう言った。「父さんが助けてくれたんじゃないの?海の中なのに帽子もコートも着てたけど、あれは絶対に父さんだったわ」 #ジョジョ百物語
2015-07-21 06:28:25あの子があんな風になっちゃう前、私ね、あの子の家でシチリア旅行のお土産話聞いてたんだ。そのときからあの子、もうちょっと変になってた。なんかね、いきなりぼうっとした顔になって、音が聞こえるって何度も言うの。小鳥の鳴き声みたいな、女の子のハミングみたいな音がずっと、 #ジョジョ百物語
2015-07-21 07:33:47聞き終わってデッキに入れっぱなしだったCDがいつの間にかキチッとケースに入ってやがった。でもそのまま机の上にほったらかされててよォ、どうせなら棚に戻してくれりゃ…「それくらい自分でやれ」ってか?はいはい、わかったよ。ホント、相変わらず几帳面で口うるせーなァ。 #ジョジョ百物語
2015-07-21 09:56:03子供の頃、私の村には義手義足の男性が隠れ住んでいた。かつて世界を旅したという彼の話が面白くて入り浸るようになったある日、私は彼の背後に色とりどりの影を見た。それは女性の髪のように艶やかな黒にも、燃える炎の色にも、宝石のように光る緑や吹きすさぶ砂嵐の色にも見えた。 #ジョジョ百物語
2015-07-21 20:22:28私は怖くなって、彼に「あなたの後ろに誰かいる」と忠告した。すると彼は「知ってるよ」と言った。蠢く影に今にも飲まれそうなのに、男はなんでもないように微笑んでいた。急に彼が異世界の住人のように恐ろしく見えて、私はそのまま彼の隠れ家を飛び出し、二度と近づくことはなかった。
2015-07-21 20:24:01「怖がらせてしまったか」呟いた男は、続けて自らの背後に佇む銀色の甲冑姿のヴィジョンに言う。「お前が見えるということはあの子もスタンド使いかもしれないな」寡黙な騎士は答えずに、ただ主をじっと見つめていた。
2015-07-21 20:25:08