もりたんさんのHPA空力エッセンス講座20150723

HumanPoweredAircraftの空力についてもりたんさんが解説していたのをロギング
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ゆうきベロシティ @Yuukivel

さて、恥ずかしながら始めますよー #HPA空力エッセンス講座 違うだろ!とかあったらツッコミお願いします。

2015-07-23 20:42:48
ゆうきベロシティ @Yuukivel

今回は三面図と運動性について、語ってみようかと思います。三面図から読み取れる機体の戦略について解説しようかと。どしどしリプ待ってます! #HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 20:43:23
ゆうきベロシティ @Yuukivel

三面図は画像のように機体の形状と諸元が書いてあるものです。探せばわりと簡単に手に入ります。設計者の思想やコンセプトは"平均的な機体"と比べていけばだいたいわかってしまうものです。 #HPA空力エッセンス講座 pic.twitter.com/ArfK5BA75J

2015-07-23 20:44:39
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ゆうきベロシティ @Yuukivel

TTとDistでは機体の形状は全く違います。まずは明後日開催されるTT部門について。TTはざっくり分けて現在2つのコンセプトが存在します。「旋回を確実に終わらせてゴールできるようにする」 「漕ぐ力を小さくして旋回からゴールまで力尽きないようにする」 #HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 20:45:25
ゆうきベロシティ @Yuukivel

旋回をぱっと終わらせて、の期待の場合、自ずと翼幅(翼の長さ)が短くなってきます。(設計スピードが速すぎて短い場合もありますが) 設計スピードが10m毎秒くらいで、翼幅22mくらいの機体はこのカテゴリーに入ってくると思います。 #HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 20:46:16
ゆうきベロシティ @Yuukivel

この手の機体はエルロンやスポイラーといった、旋回のための専用装置を用意してる場合が多いです。ただ、軽く回転させやすい代わりに、揚力の対価である誘導抵抗も大きくなります。誘導抵抗は翼幅、発生揚力が大きくなるまたは飛行速度が小さくなることで大きくなります。#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 20:46:43
ゆうきベロシティ @Yuukivel

そこで翼幅を大きくし途中で力尽きないようにする、という設計思想が出てきました。また、旋回中気を取られて漕ぐ回転数が落ちますが、この時の高度損失を小さくできます。こうした機体は大きく長く回転させにくい分、翼を大きくたわませることで運動性能を確保しています。#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 20:47:09
ゆうきベロシティ @Yuukivel

先に書いたとおり、誘導抵抗は翼幅に関連します。したがってアスペクト比はそこまで大きくないものが多いです。こうした機体は翼の取付角やそりを小さくして、面積で揚力を稼いでいます。26mとかあるのにアス比が35くらいだったら、だいたいこのコンセプトです。#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 20:47:39
ゆうきベロシティ @Yuukivel

とりあえずTTはこんな感じ。尾翼についてはDistと合わせて解説します。とりあえず投下してDistは反応伺いながら、にしましょうw ペラは、、気が向いたらw #HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 20:47:55
ゆうきベロシティ @Yuukivel

Distについては「パイロットが漕ぐ力を小さくする」という大前提のもと「風等の緊急時に対処できるように運動性を残しておく」のコンセプトが多いように思います。今年は強豪2チームのmeisterが前者より、windnautsが後者よりで綺麗に割れました。#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 20:53:46
ゆうきベロシティ @Yuukivel

漕ぐ力を小さくするためには、(抵抗)×(飛行速度)を小さくする必要があります。飛行速度を小さくすれば漕ぐ力を小さくできますが、風に弱くなります。だから大体のDist機は7m毎秒くらいで設計されます。5m毎秒とかは珍しいですね。うん、オランd(ry #HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 20:58:07
ゆうきベロシティ @Yuukivel

抵抗を小さくするには、先ほど述べた誘導抵抗を小さくするか、摩擦抵抗を小さくする必要があります。誘導抵抗を小さくするために37m級まで翼を長くしたのがmeisterです。ここまで来ると摩擦抵抗が大きくなり、その大きさから扱いにくくなってしまいます。#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 21:02:53
ゆうきベロシティ @Yuukivel

だいたい7m毎秒で翼幅が32mを超えだしたら漕ぐ力を小さくしようという考え寄りだと思います。また翼幅が30mを切るような機体は、試験飛行や風対策を重視しています。#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 21:05:15
ゆうきベロシティ @Yuukivel

NASG(日大)の機体のコンセプトもはっきりしていていいですね。翼を十分にたわませたうえで設計スピードを7.6m毎秒に引き上げている。速度を大きくすると風に強くなるだけでなく誘導抵抗も減少します。運動性と長距離性を両立させた非常に良い設計だと思います!#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 21:15:30
ゆうきベロシティ @Yuukivel

ただし人間は漕ぐ力が小さければ小さいほど、ずっとずっとその力を維持できます。怒られるかもしれませんが、meisterが40km飛行狙い、NASGが折り返し無しの20km狙い、windnautは距離じゃなくて安定した記録をだす、といったところでしょうか #HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 21:19:09
ゆうきベロシティ @Yuukivel

Dist機に多い方向舵のみで操舵する機体は、上反角(翼のたわみ)が重要です。これは上反角が機体の横滑り(機首の向きと進行方向のなす角)をロールに変換する変換器のようなものだからです。上反角は横の安定を左右するものであるともに運動性もつかさどります。#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 21:27:22
ゆうきベロシティ @Yuukivel

尾翼をそのまま動かすことの多い人力飛行機は尾翼の大きさが運動性に効いてきます。ただ抵抗等の制約もあります。特に垂直尾翼が大きければ大きいほどは放っておくとスパイラルダイブの傾向が出てくるので注意が必要です。ただ復元力も小さくなるからいい塩梅が大切かな。#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 21:34:58
ゆうきベロシティ @Yuukivel

三面図から読み取る場合容積比を見ます。この値が水平で0.4を切るくらい、垂直で0.01くらいだと小さ目、かな。ほんの少しの抗力増加も惜しい、あまり舵に敏感にしたくない、といったところでしょうか #HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 21:37:51
ゆうきベロシティ @Yuukivel

そんなところかな。何かあったら気軽にリプください。あとは琵琶湖でお会いしましょう!#HPA空力エッセンス講座

2015-07-23 21:38:55
ゆうきベロシティ @Yuukivel

FWの設計コンセプトは安定して20km飛ぶ機体を目指しています。そのため設計速度の引き上げ、少々大きめのたわみ、34mの大きめのスパンを採用しています。また粒子群最適化を用いた翼型設計による徹底した摩擦抵抗低減、薄翼化が最大の設計の特徴です!#HPA空力エッセンス講座 ?

2015-07-23 21:42:56