医療と新聞報道

以前から思っていたことを連休の機会に連続ツイートしました。今回は医療をテーマに新聞報道のあり方についてツイートしました。新聞がメディアとしての品格を失い、傲慢な姿勢で偏向記事を書いたり事実を報道しない情報統制的な振る舞いをすることが気掛かりです。せめてネット情報がその修正の役に立って欲しいと思います。
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kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞1: 新聞記事に占める健康や医療に関わる記事の割合はかなり多い。それだけ関心や問題を抱えている人が多いことを暗に想像させる。それだけに記事の信頼性は重要である。しかし、ネットで語られているような医療現場の実態がリアルに伝わる記事は意外に少ない。

2011-01-02 23:16:54
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞2: ヘルスケアや医療に興味があるので、医療に関する記事は比較的よく読む。医療という仕事に畏敬の念もあり、現場の惨状を伝えるツイートには心痛むこともある。最近よくがんワクチンのことが取り上げられる。最初に興味を持ったのが子宮頸がんの予防ワクチンである。

2011-01-02 23:18:55
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞3: がんがワクチンで予防できるなんて画期的なことで、一つでも予防の有効な手段があるのであれば即完全実施じゃないかと思いきやいろいろ事情のあることが記事に出てくる。そもそも予防ワクチンだけではなく、がんのワクチン療法についても日本は欧米に著しく立ち遅れているらしい。

2011-01-02 23:19:46
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞4: 子宮頸がんワクチンについても欧米と比較して開発や審査の遅れがあり、接種についても自治体任せのためにバラバラであり公費助成についても統一見解がない。事象的には40歳以前の女性の発症率が急激に上昇しているというデータを示しながら綿々と議論していることが解せない。

2011-01-02 23:23:47
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞5: 他のがんに対するワクチン療法に至っては、さらに遅れが著しいし開発予算も十分でないと言う医療関係者が多い。そんな中で、昨年10月15日の朝日新聞に東京大学医科学研究所付属病院で行った臨床試験での被験者消化管出血の事実を伝えなかったという記事が一面トップで掲載された。

2011-01-02 23:25:49
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞6: 朝日新聞の記事の論調では医科研が故意に「重篤な有害事象」を伝えなかったとあたかも隠蔽のように伝え、がんペプチドワクチンのペプチドの開発者である中村教授の保身疑念を思わせるような書き方であったことは間違いない。一瞬、悪意を指摘する素っ破抜き記事のように感じた。

2011-01-02 23:29:41
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞7 :すぐにツイートしたかったが、ツイートするだけの事情も知らないままに書きたくないし、少し学習してから書こうと思ってそれ以後の報道やネットの情報でフォローをし始めた。朝日新聞は翌16日の社説でも再び医療倫理違反のような論調を繰り返した。「社説で」である。

2011-01-02 23:31:25
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞8: 10月18日には医科研が記者会見で説明し、医療ガバナンス学会のメールマガジンで医科研の清木教授が記事の検証と事実関係の訂正を求めてわかり易いコメントを書いている。だいたい「重篤な有害事象」を朝日はきちんと説明もしていない。一般の人は確実に誤解する。

2011-01-02 23:32:06
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞9: 「重篤な有害事象」とは「薬剤が投与された方に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごとで、「治療のため入院または入院期間の延長が必要となるもの」が含まれており、風邪をひいて入院期間が延長された場合でも「重篤な有害事象」に該当するとの事。この場合は入院が1週延びた。

2011-01-02 23:42:37
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞10: 同じ10月18日にがん患者41団体の有志が厚生労働記者クラブに患者の立場から記者会見を申し込んだが断られ、20日に声明文を発表している。その中で臨床試験による有害事象の報道は誤解を与えるような不適切な報道であり改めるよう求めたが、朝日はこの部分を削って報道した。

2011-01-02 23:48:55
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞11: 10月22日には日本癌学会と日本がん免疫学会の連名で朝日新聞の記事に関する抗議声明が出された。そして10月29日には日本医学会がその抗議声明を支持するコメントを出している。その後、朝日は誤解を招くような記事に対する解説や謝罪や訂正もないままであった。

2011-01-02 23:49:44
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞12: 朝日は11月10日になって全面を使ったオピニオンで「臨床試験を考える」と題して一連の問題を総括するかのような記事を掲載した。その記事を読むと日本の臨床試験の、薬の開発のデータ収集の臨床試験(治験)とそれ以外の臨床試験がある曖昧さや法的な未整備に矛先を変えている。

2011-01-02 23:51:36
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞13: 何の意図があったのかはわからないが、朝日の10月15日の記事は勇み足だったのではないかと思う。あまりにも大きな反論が出たので、慌てて自己保護に走ったり終息させようとしている様子が窺える。報道は何よりも中立で、十分な取材を踏まえたものでなければならない。

2011-01-02 23:54:25
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞14: それでも誤った報道をしてしまったなら、言い訳よりも訂正するほうが報道精神に合致する。面子とか自負に拘り、それがなかなか出来ない事象に同じ頃に遭遇した。あるセミナーで韓国の電子政府の現状について私が紹介した友人が講演をした。その時に雑誌社の編集長が同席していた。

2011-01-02 23:55:01
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞15: 翌日ネットに記事が出た。そこでは韓国には個人情報保護が希薄であるような書き方がされていた。当人もそのようなことは言っていない。韓国の電子政府法を調べればすぐにわかることである。本人からのクレームで主催者側が編集長と交渉したがなかなか訂正しない。

2011-01-02 23:56:29
kiuchi satomi @panamantw

医療と新聞16: 喧嘩になりそうな交渉の末にようやくことわりと訂正を入れた。ネットだから融通が利くものの紙では訂正周知は容易ではない。この時の姿勢と朝日の対応は良く似ている。私は最近のメディアに懐疑的だが、医療のようなセンシティブな記事ではより慎重で中立でなければならないと思う。

2011-01-02 23:57:16