お題シリーズ:刀剣乱舞(女審神者)
俺が着いた時にはとうに決着は付いていて、飲み負かした相手の前で更に杯を重ねる大将が、いた。 したたかに酔っているはずなのに、いつもと変わらぬ立ち居振る舞いで告げる。 「迎えが来たから帰るよ」 「あいつ――」 「いつものことだよ。子供じゃないし、放っておきな」
2017-02-27 03:16:24寒上は「眠」と「欲」と「出」を全部使って文章を作りましょう。 shindanmaker.com/128889 ※20170214分
2017-02-27 03:17:09眠る夫のかたわらで、独りそっと出て行った日のことを思い出す。 欲しいと思われず望まれず、ならばいつも通り任務に出て行って終わりにしようと、迎えと共に去ったあの日。 最後と思ったあの日こそが、始まりの日だったなんて……誰が思うだろう、と。
2017-02-27 03:17:26猫が炬燵で丸くなっている。いやこれは「こたつむり」か? どうも睡眠欲に完敗して寝落ちした、らしい。 このままでは干からびるし、風邪を引く。近侍の槍の化身は、眠りこけるひとのおんなを炬燵から出して、布団に移すことにした。
2017-02-27 03:17:34寒上は「破」と「好」と「罪」を全部使って文章を作りましょう。 shindanmaker.com/128889 ※20170215分
2017-02-27 03:18:13教え子の弟子――相手方の攻勢の合間に見えた好機に、すかさず指示を飛ばし陣形を組み替え、一点突破を図る妻。 たちまちのうちに有利不利が入れ替わる。 教え子からは恨めしげな視線が飛んでくるが、見ているだけなので罪悪感は感じない。
2017-02-27 03:18:23「なぁ、ここには破っちゃいけない決まりとかあるのか?」 「んー。本丸にいる限りは、あまり気にせず好きにしてていいかな」 里で何かやっちゃっても、別に罪ってわけでもないし。里を司るひとのおんなはこともなげに続ける。 「ま、あたしがその分の代償を払うだけだしね」
2017-02-27 03:18:33寒上は「情」と「熱」と「陰」を全部使って文章を作りましょう。 shindanmaker.com/128889 ※20170216分
2017-02-27 03:19:31熱が温もりに、やがて情に変わるのだと思っていた。 温もりが欠け、そうしてから初めて熱を感じるなどということが……あるの、だろうか。 だが隠然と荒れ狂うこの感情は確かに―― 「出るぞ。誰かついて来い!」 ――失われたものを求めて、燃え立つ熱、だ。
2017-02-27 03:19:39何ということはない、そんな取り繕った上辺の陰で、燃え盛っている情熱。 それがいつ、己が心に根付いたのか。わからぬままにただそこにある。 放っておいたら、この「熱」は消えていくのだろうか。それとも。 鋼の身すら溶かすほどに、なってしまうのだろう、か。
2017-02-27 03:19:46