忘却までのエトセトラ2(黄昏町テキスト化)

縛り要素 ・紅羽という無能力異形で1枠使う(異形としてカウントされる) ・今回から魂の増加量1/2 診断のたびにたろりん→たろりん【1】〜【10】と打ち込んで診断(公式ルールではないです) 【CM】前回 http://togetter.com/li/856287
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たろりん(ニンジャ) @tarorininja

#黄昏紅羽 をタグにしようかと思いました。このタグで呟くとまとめられます。

2015-08-06 16:05:51
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

忘却は罪の意識からの救済。忘却は精神的な成長を奪う足枷。記憶は自我の、魂の素材。奪われた記憶はどこへ?この町のどこかへ。この黄昏の町は生きている。どくり。また町が胎動するように震える。蠱毒の町は怪物を孕む子宮。彼らは生まれる前の胎児。 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:12:21
@hiiragi_r_t_d

ワオ……ダークファンタジー重点 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:13:49
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

町が怪物を産む。町が怪物を育てる。そして怪物はいつの日か、鳥居をも破り”外”へ放たれていく。鳥居は神域へと続く門だ。しきりだ。誰かが置いた、人しか通れぬ筈の門は、結果的にこの町を蠱毒の町へと変えてしまった。意図的にそうしたのか、この町の怪物を封じようとしたのか。 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:17:14
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

紅羽の怪物を生み出した黄昏の町は、彼の記憶を喰らい、魂を集め、もう一匹の紅羽の怪物を生み出した。いずれ更なる新しい怪物が生まれるだろう。彼らもまた、不完全な”試作品”に過ぎないのだろう。黄昏の町は嬉しそうに口笛を吹いた。それは風となり、二匹の”紅羽”の翼を揺らした。 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:23:58
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

「ねえ」風の吹く黄昏の路地。紅羽を持つ少女は、頭を振りながらぶつぶつと呟き続ける紅羽の少年に話しかけた。「貴方、誰?私のこと知らない?」帽子に長い銀髪。ネクタイ付きのダークスーツ。性別と所持する異形のほかは全く同じ外見だ。「何も覚えてないの。私は人間で、いい子なの」 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:28:38
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

「違うよ」少年は頭痛を堪え、昏い目で少女を見た。「僕たちはほかの人たちと違う、怪物だ」少女がいつまでこの言葉を覚えているだろうか。少女はその言葉に狼狽え、後ずさる。「違う。私は怪物じゃない」「僕もそう思ってた。……いつまでこの記憶があるか、分からないけれど」 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:34:13
@hiiragi_r_t_d

紅羽ちゃん(仮)カワイイかな?これからの行動次第か #黄昏紅羽

2015-08-06 16:35:37
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

「嫌」少女は涙ぐみ、首を振る。「初めて仲間に会えたと思ったのに。どうして貴方まで私を苦しめるの」少年の頭痛が引いていく。彼は憐れんだように少女を見た。これから自分と同じ経験をするであろう彼女を。”角”を持っているなら、”角”を持つ異形に殺されたことがあるのだろう。 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:39:19
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

「そんな目で」少女の目に怒りが灯る。紅く光る瞳。((ああ。僕もきっと、こんな瞳をしているんだろうな))少年は思った。「私を見るなァッ!」少女の額から生えた二本の白い角が泡立ち、樹木が伸びるように曲がり伸びながら少年の胸を刺し貫いた。「ーッ」少年は痛みを堪える。 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:43:47
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

少女の角が根を張るように胸にくらいこみ、少年を5mほどの高さまで軽々と持ち上げ、血を啜りあげていく。彼女の背中の紅羽が、嬉しそうに身震いする。少女の顔に少年の血が掛かる。少女が紅い瞳から涙を零す。「ごめんなさい」ぽつりと謝罪の言葉。「ごめんなさい」その唇は笑っていた。 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:48:01
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

「いいよ」少年は血を流しながら返す。「君に蛇をあげる」少年も笑った。この少女に、せめて素敵な異形をあげよう。人間だと思い続けなくても済むように。「え」少女が口を開く。その口に、少年の髪から伸びる蛇が飛び込み、舌を食いちぎった。「ーー!!!」耳を塞ぎたくなるような絶叫。 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:50:53
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

銀色の蛇が無数に少女に襲いかかる。華奢な腕を、脚を、耳を、紅い瞳を齧り削っていく。少女の断末魔。角が暴れ、少年の胸を深く抉る。少女のスカートの下から蛇が頭を出し、舌なめずりをした。口から潜り込んだ蛇が身体を食らい進み、下から貫通したのだろう。少女はまだ生きている。 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:54:04
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

「楽にしてあげな」少年は蛇に命じた。片目から飛び込んだ蛇が、少女の脳を喰らい尽くした。少女が一際強く痙攣し、動かなくなった。角がひび割れ、パラパラと崩れる。少女だった肉の塊が膝から崩れ落ちると、角は完全に崩れ、少年を解放した。少年は猫のように着地し、口の血を拭った。 #黄昏紅羽

2015-08-06 16:57:00
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

「お食べ」少年は帽子を脱ぎ、蛇たちに命じた。無数の銀色の蛇が少女を包み込むように喰いあさっていく。蛇たちが満腹になった後も、少年は肉と骨、銀髪が混ざった血だまりを眺めていた。「また会おうね」少女の死体は黄昏の光に溶け、消えていった。少年は胸を押さえ、歩こうとした。 #黄昏紅羽

2015-08-06 17:00:54
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

傷が深い。治るまでに時間がかかる。((……良くない……また……。))少年は路地の壁に背中から持たれ、ずりずりと座り込み、意識を失った。いつかまた会うであろう、もう一人の自分のことを考えながら。 #黄昏紅羽

2015-08-06 17:03:21
コセン・ニンジャ @kosn_ninja

ジュセーさん…脳喰らいはエグいぜ… #黄昏紅羽

2015-08-06 17:12:02
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

なお紅羽(雄)も紅羽(雌)もフリー素材ですので自由に出演させてやってくださいm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m ホイホイ読みに参りますm(_ _)m

2015-08-06 17:15:05
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

【ハードモード】紅羽(雌)も(雄)同様、殺されて強くなる機能を備えています。探索者たちの殺されて強くなる能力に目を留めた黄昏町そのものが、探索者と似た能力を持った”紅羽”という異形を生み出したという設定。次回”角”や”蛇髪”と遭遇の場合、強化された彼女との戦闘になります。

2015-08-06 17:33:16
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

黄昏町、10個やるの無理だと分かったのですが(僕の速度だと構想2時間実際書いて5時間合わせて7時間とかかかる)、ある程度先の展開を見て書きたいので「書き終わるたびに10個診断」でやります

2015-08-06 20:27:52
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

紅羽の少年は倒れたまま、眠りに落ちた。遠く畑から吹く風が、異形の”消えた”少年の”銀髪”を撫でる。身の内に巣食う異形が本体の異常を悟り、休眠状態に入ったのか、それとも傷を癒すべく力を傾けているのか。いずれにせよ、眠る少年の姿は普通の人間と何も変わりなかった。 #黄昏紅羽

2015-08-06 22:19:15
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

人の足音。いや、もふもふとした獣の毛に包まれた、すらりとした脚。”獣足”の異形だ。その持ち主は耳のついたフード付きのコートを被っている。手には”爪”の異形。中性的な容貌は、擦り切れかけた理性の光を瞳に灯していた。まだ異形があるかもしれないが、隠れているため分からない。 #黄昏紅羽

2015-08-06 22:37:16
たろりん(ニンジャ) @tarorininja

「…あれ」その瞳が、倒れた紅羽の少年を映す。「…あ」フードの探索者は、紅羽の少年に駆け寄り、身体を転がした。「っ、っしょっ」膝の上に頭を乗せ、仰向けにさせる。((この人は))寝息を立てる紅羽の--今は紅羽さえ消えているが--少年を、砅は覚えていた。 #黄昏紅羽

2015-08-06 22:41:42
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