20150815 #ETV 特集「“書きかえられた”沖縄戦～国家と戦死者・知られざる記録～」

ほんのこ @shbttsy74

#ETV 援護法の適用を決定する厚生省は、こうした書き換えを知っていたのか。元職員の石井さん「本来は事実関係をきちっと書いて、その上でこちらが判断するが、沖縄の場合はちょっと特殊。証明するものが何もない。戸籍もない。記録も何もない。戦後の申し立てしかない」暗黙の了解があったと。

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#ETV 石井さん「それは承知の上。積極的に提供というのは考えられない。家族親族が中にいて、積極的に国のために提供するなんてことは。みんな命がけですから」56,861人が戦闘参加者と認められ、援護金が支払われた。

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#ETV 沖縄北部の伊江島。村役場で援護業務を担当していた島袋さん79歳。この島でも記録の書き換えが行われていたという。「公には言えない。いくらかこの援護金がどれくらいの生活の糧になったかわからんけど、気まずい思いをしているのは確かですよ」

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#ETV 35年前に亡くなった遺族の男性。沖縄戦で長女を亡くした。米軍に捕らえられ、日本軍兵士に投降を呼びかけに行かされたが、6人全員が日本軍兵士に斬り殺された。戦後、援護法が適用されたが、遺族の男性は、日本軍による娘への加害行為を生涯外で話すことはなかった。

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#ETV 遺族の息子「やむにやまれず生活のために仕方ないと思って、それで書き換えて。日本軍に対する反発は強いものがありましたね。非常に複雑な思い」

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#ETV 元援護課の金城さん「結局は自分のやってきたことが正しかったか、わからなくときがある」次の世代がこの記録をすべて正しいものとして受け取ってしまうのではないか、ということが頭をよぎるという。

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#ETV 犠牲者12万人のうち、残りの約37,000人の遺族は、一切の支援を受けずに過ごしてきた。中には、援護法の適用を自ら拒んできた人もいる。昭和20年5月、家族全員を失った神谷洋子さん。78歳の今も時折戦争の記憶が蘇るという。「飛行機が飛ぶと、怖くて外に出ない」

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#ETV 亡くなった2人の写真や遺骨は残っていない。生きた証は位牌だけ。母親は、日本軍に要請され負傷兵の看護を手伝っていた。壕に戻って赤ん坊を抱いていた時、爆弾が炸裂した。「入り口封鎖されて真っ暗。誰かに引っ張りだされて。母親も木っ端微塵になって影も形も残ってない」

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#ETV 「つらいこともあったから、母と一緒に戦争でやられたらよかったのにと思うこともあった」神谷さん、生活のために援護金の申請を考えたこともあったが、日本軍に協力した形でなければ認められない制度に頼る気にはなれなかった。

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#ETV 神谷さん「泣いて座っていると、日本の兵隊が来て、これ食べなさいと。すると別の日本軍が来て、これは僕たちが食べる、国のためになるからと。小さい子供からも乾パンを盗む。必死に返してちょうだいとお願いするんだけど、革靴で蹴っ飛ばす。人間が怖くなって。弾より怖かった」

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#ETV 戦後、一般国民の被害には補償をしてこなかった国。赤澤史朗名誉教授「戦争の被害を受けて困っている人も多かったので、急いで援護したりお金を渡したりする必要があったが、もうちょっと時間をかけていろんな人の意見を聞けば、こういうことにならずにすんだかもしれない」

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#ETV 赤澤名誉教授「誤った戦争だという前提に立てば、被害だったら補償する。ある意味で平等に補償するというありかたが本当は望ましかった」

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#ETV 今年の慰霊式典に神谷さんの姿があった。平和の礎へ向かう。「母ちゃん、来たよ。しばらくだったね」神谷さんは、一切の補償を受けずに来た国家賠償請求団の一人に名を連ねている。「毎日これを目標にして、母ちゃんの年金ができたら、上等な位牌を買ってあげるねって」

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#ETV すべての犠牲に向き合い、戦争を総括することはできなかったのか。書き換えられた膨大な死の記録が問いかけている。