同棲へし燭bot旅行記【2015盆】

同棲へし燭bot @dousei_hshshk

光忠「長谷部くん、荷物大丈夫？忘れ物無い？」長谷部「そっくりそのまま返してやる。お前は何でこう毎回荷物が多いんだ」光忠「常にかっこいい僕でいるためだよ。さあ、大丈夫なら行こうか」長谷部「ああ。…長旅になりそうだな」光忠「お盆だからねえ。まあ、のんびり行こうよ」長谷部「そうだな」

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光忠「道、思ったより混んでないね」長谷部「ああ」光忠「疲れたら運転替わるから言ってね」長谷部「分かっている。それより光忠、おにぎり」光忠「あ、そうだった。梅とおかか、どっちがいい？」長谷部「梅」光忠「オッケー。…はい、あーん」長谷部「ん」光忠「お茶は？」長谷部「それは自分で飲む」

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長谷部「……」光忠「…混んできたね…」長谷部「…まあ、盆だからな。気長に行くとしよう」光忠「あれ、そういうことを言うなんて珍しいね。こう言っちゃ失礼だけど、もっといらいらしてるかと思った」長谷部「予想していたことだ。それに」光忠「それに？」

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長谷部「お前と二人で遠出するのは久々だからな。車に乗っているだけでも案外…いや、かなり楽しい」光忠「…不意打ちでそういうこと言うのやめてくれないかな…」長谷部「はは。顔が真っ赤だぞ」光忠「…わき見運転しちゃだめだよ」長谷部「ふ、了解」

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長谷部「光忠、戻ったぞ…って、なぜ運転席にいるんだ…」光忠「ん？交代だよ。ほら、早く乗って」長谷部「俺はまだ疲れてないぞ」光忠「いいじゃないか、ちょうどパーキングに停まったんだし。あ、じゃあお昼とったらまた替わろう。それでどう？」長谷部「…はあ。仕方ないな」光忠「さ、行こうか」

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光忠「なんだかんだ交代する前に高速降りちゃったね」長谷部「まったく…しかし30分ほどの遅れで済んでよかった」光忠「だね。さ、このまま目的地に行っていいよね？その近くで昼にしよう」長谷部「そうだな」光忠「楽しみだなー何食べよう。やっぱりお蕎麦かな？」長谷部「名物だしな。楽しみだ」

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光忠「昼、おいしかったね」長谷部「ああ。やはり蕎麦にして正解だったな」光忠「長谷部くん、楽しみにしてたもんね。…わ、長谷部くん！牛！牛がいるよ！」長谷部「いる、というかある、じゃないか？しかし、見事なまでに黒光りしているな」光忠「撫でると御利益があるらしいよ！僕らも撫でていこう」

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長谷部「…うっ」光忠「目がちかちかするね…」長谷部「思った以上に…というか完全に真っ暗だったな、あの通路」光忠「ね。まあ、だからこそ公共の場で手を繋げて嬉しかったけど」長谷部「…誰にも見えないから、いいだろう」光忠「うん。君が手を伸ばしてくれたときは柄にも無くときめいちゃったよ」

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長谷部「…う、車の中はまた暑いな」光忠「ここ日なただったもんねえ。…ね、僕が助手席でいいのかい？」長谷部「もちろんだ。今度は2時間くらいか。寝ててもいいぞ」光忠「寝ないよ。ナビ役が必要だろう？」長谷部「カーナビがある」光忠「…でも僕の方が優秀だよ」長谷部「っは、そうか。そうだな」

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光忠「だいぶ山の中に入ってきたよね」長谷部「そうだな。街中は混んでいて大変だったが、この辺りは走りやすくて助かる」光忠「それにしても自然豊かだね。高速から見えた山も綺麗だったし」長谷部「山といえばここも結構高い所なんだが…いざ近くに来ると高さはよく分からんな」光忠「はは、確かに」

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光忠「すごいな、山の中にこんなきれいな美術館があるなんて」長谷部「検索したら出てきたんだ。気に入ったようで何よりだ」光忠「うん、素敵だね。尤も、僕は芸術のことはあまりよく分からないけど…」長谷部「安心しろ、俺もだ」光忠「はは。まあ、素晴らしい作品だってことは分かるからいいよね」

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光忠「ふう。ようやくひと心地、かな」長谷部「そうだな…なかなか風情のある旅館じゃないか」光忠「でしょ？たまにはいいかなと思って」長谷部「ああ。…さて、夕食までどうするか」光忠「宿の近くでも散策する？なかなか楽しそうだよ、山」長谷部「ああ、山……山だな」光忠「山！って感じだよね！」

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長谷部「山の散策もなかなか楽しかったな」光忠「そうだね。靴は失敗したなと思ったけど」長谷部「ふ、その靴ではな。さて、風呂にでも入るか」光忠「え！…あー、僕は遠慮しておくよ」長谷部「なんでだ」光忠「えー、だってその……髪が」長谷部「…ああ。なるほどな。崩れるからか」光忠「…うん…」

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長谷部「おお…」光忠「わあ。豪勢だね」長谷部「登山客が多いからか？すごい量だな」光忠「ね。おなかいっぱい食べられそうだ」長谷部「…お前が嬉しそうで何よりだ」光忠「ふふ。いただきます。……わあ、おいしい」長谷部「そうだな。天ぷらもおいしそうだ」光忠「山の幸も良いものだねえ」

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長谷部「…」光忠「あれ、長谷部くんどうしたの？」長谷部「…いや。光忠、これ食べるか？」光忠「え、いいの？じゃあ遠慮無く」長谷部「…俺は酒があればいい…」光忠「えー。欲がないなあ」長谷部（もう入らないだけだ…）

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光忠「長谷部くーん、用意できた？」長谷部「ああ……それにしても」光忠「え、なに？」長谷部「…いや、よくあれだけ食べてすぐ風呂に入れるなと」光忠「え？そうかな？ふつうじゃない？」長谷部（…ふだんは食べる量を我慢しているのだろうか…）

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光忠「はー。いいお湯だった」長谷部「露天にしてよかったな」光忠「だね。程良く涼しくて気持ちよかった」長谷部「……さて」光忠「え？……いや、待って？うん、僕もうちょっと涼みたいな！この時間だし！ねえ、長谷部くん！」長谷部「…チッ」光忠（ちっ、じゃないよ…！）

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長谷部「さて、もう涼み終わっただろう？」光忠「え、…はあ。うん、終わったよ」長谷部「…なら」光忠「ん。布団、入ろっか。…ほどほどにね」長谷部「ああ。お互い疲れているしな」光忠「…ほんとにほどほどにね…？」長谷部「…分かっている」

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（明日の朝まで部屋には入れなさそうだ…）

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長谷部「光忠、まだか」光忠「もうちょっと……それにしても、まさか朝風呂まで入って身だしなみを完璧に調えた君に起こされるとは思ってなかったよね…心なしかつやつやしてるし。というかもうちょっと早く起こしてくれても…」長谷部「何回か起こした。お前が起きなかっただけだ」光忠「ごめん」

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長谷部「ち、朝食もなかなかの量だったな…」光忠「そうだね、ちょっと多かったかも」長谷部（またぺろりと平らげていた奴の台詞じゃないぞ…）光忠「さて、出るのは遅めでっていう話だったよね？もう少しゆっくりしていようか」長谷部「ああ。また散歩でもしてくるか」

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光忠「よし、忘れ物ないね。行こうか」長谷部「ああ」光忠「いい宿だったね！みんな親切だし食事もおいしかったし」長谷部「周囲の散策もなかなか楽しかったしな。さて、到着予想時刻は…なんだ、すぐだな」光忠「割と近いからね。次も楽しみだなあ」

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光忠「うーん、並ぶね」長谷部「盆だからな…」光忠「観光地だしね。でも、ここから見る状態でもかなりかっこいいよね」長谷部「ああ。天守閣の色も渋いしな」光忠「早く上りたいなあ」長谷部「そうだな」