銀のサカナになって、あなたを淵へと追いやりたかった。沸き上がるのは微温い愛情、伴うのは煮え繰り返る情欲。その汚さに幾度も吐瀉しては、抗えず飲まれた。そんな自分が許せなかった。 #熱帯夜を泳げば その果てに、辿り着ける筈。いつか足を取られ、この熱も冷める筈。 #情欲の殺し方 #溺死
2015-08-25 00:01:10【企画】#情欲の殺し方 概要:企画名がお題の創作企画 日程:08/25〜26 参加方法:企画名タグと死因タグを併用してpost 対象:創作物全般 備考:後日トゥギャ
2015-08-25 00:04:08吐けばなくなると思っていた 見なければ忘れられると思っていた 後ろを向けば、捨てられると思っていた それでも現実は容赦なく 全力で駆ける足は搦め捕られて無様に転ける 嗚呼なんと醜いことだろう 放り投げたはずの黒に 圧し潰される夢を見た #情欲の殺し方 #圧死
2015-08-25 00:18:28流行りもののゲームみたいに その味を知ればいつかは飽きるのだと思っていた 乾いた髪から覗く瞳の奥底が見えない 消え入りそうな鎖骨に誘われて なぞった指先を噛み千切ってしまいたい 唇が可笑しなことを言いだす前に きみの声を飲み込んで #情欲の殺し方 #窒息 それさえも僕らには、
2015-08-25 01:29:00こんなに大切にしてきたのに、こんなに守ってきたのに。この手が君を締め上げて、この足が君を蹴りつけて、この口が君を咬み殺す。苦しみ歪むその顔がとても好い、なんて。何処で間違ってしまったの。 …まだ君が笑っている間にお別れを。さようなら。 #情欲の殺し方 #自殺
2015-08-25 08:10:23彼のような青色だったから。首筋へキスをするように茎へ口付けた。頰を寄せて、甘い言葉を吐いて、砂糖菓子のような朝露を飲み干した。羽の髄まで愛していたから。私は貴方に殺されたかったの。首折れた花は真似事の恋。口に含んだ青い花は、致死性を以って私の罪を断罪した。 #情欲の殺し方 #毒死
2015-08-25 10:58:50泣いたり笑ったり跳んだり跳ねたり 忙しい心が どうか誰かやきみを傷つけ疲れさせないように願いながら 本当は奥底の冷たいものを 恐れて解放できずにいる 鎖につないでいる 獰猛で冷ややかな側面 永遠に眠らせておけたら #情欲の殺し方 # 軟禁
2015-08-25 11:36:21貴方は汚くないわ、私が求めていたものだから。そんな美しいことを君は言う。 吐き出した時の粘つくあの感覚を君は知らない。 どす黒く血生臭いあんなものを綺麗だなんて言わないで。綺麗に雪ぐまでそこで何も言わないで。もうすぐ洗い終え、綺麗な手で触れるから。 #情欲の殺し方 #滅菌処理
2015-08-25 14:44:23神様を殺さなければならなかった。月色の刃が煌めいて、僕は思わず溜め息を吐いた。熱量は確かに虚構で、だのに私を惑わすから。殺さなければならなかった。 嗚呼、汚い、なんて汚い色だ。愛なんて嘘に包まれて、なんて悍ましい色だ。死んでしまいたい。死んでしまいたいよ。 #情欲の殺し方 #刺殺
2015-08-25 17:02:34この腕で抱きしめたい。ただそれだけだった。しかしこの暖かさが要らないならば体温など無意味。 人間的な温かさなど求めていないなら 何も感じないように、君に会っても心臓が鼓動を打たないように。 雫となった赤が首から落ちていく。身体が少しずつ冷えていく #情欲の殺し方 #失血死
2015-08-25 21:27:25最初に逝ったのは罪悪感だった。次に独占欲が死んだ。やがて、何もかもが死に果てた。 だのに僕は君を求める。君の温度を求める。体液を交換して、粘膜を擦り合わせて、なんて汚い、醜い、ケダモノ染みた行為だ。 お前がいるからみんな死んだよ。次はお前の番だ。 #情欲の殺し方 #順番待ち
2015-08-25 22:37:44ひとしずくの蜜のため この手を伸ばした夜を僕は忘れない 叶わないまま終わらせることなど自分には出来そうもなかったので 汚してはいけないとも 白のままであらねばならないとも、思わなかったので 本能のままに、求めたわけだ それが正解かは、知らないまま #情欲の殺し方 #絞死
2015-08-26 00:02:36どうせならば情を交わしてみたかった 折角ならば、情けを強請ってみたかった 夢であっても、これから先に光がなくとも 貴方で果てることが出来るなら これほどの幸せは ないように思えた (情と 欲と 命と 全部持って いって しまおう) #情欲の殺し方 #腹上死
2015-08-26 00:03:12醜く見えた。汚く見えた。そんなものなくても愛せたと。偽りに見えた。霞んで見えた。こんなもの獣と同じだと。求められない、満たされない。結局は獣と同じなのだ。一人爪を噛んだ夜。そんなものなくても、愛しているよ。触れて気付く。 #情欲の殺し方 #自然死 欲しかったものは、平穏だった。
2015-08-26 00:06:37鏡を隔ててこちらとあちら。届きそうで決して届かない。眠れない夜に起き出して森を歩くと、闇に目覚める獣の息遣い。囁き合う木々は話し掛けてはくれず、私を見ない振り。疲れた足を引き摺って海辺に出ると、月が冷たく光る。お眠り、さあ。閉じ込めて。鍵を掛けておしまい。#情欲の殺し方 #凍結
2015-08-26 00:13:31別のほうを見ている。熱心な目で。あなたは遥か昔から。勝敗はつけるまでもなく。夜が落ちる。雨が落ちる。濡れている。それは窓なのか頬なのか。あなたの舌は温かいのに。私は知ってしまった。代替品としての役割では悲しすぎる。 #情欲の殺し方 #刺殺
2015-08-26 00:22:41ぐらりと心が傾く。苦く、甘く、熱く、冷たい。そんなたくさんの矛盾が詰め込まれて溢れたものが視界をどんどん暗くして、ついにはネオンサインの中でしか歩けなくなってしまった。目も眩むような明るさと雑踏に飛び込めばきっとなにもわからなくなる。どうかそうであって。 #情欲の殺し方 #投身
2015-08-26 01:00:13眠れない夜に君を思い浮かべた。夏の暑さにゆだった脳が、あらぬ方向へと思考を揺さぶる。違う意味で火照った身体を静める術を。 「君が、ほしい」暗闇のなかで小さく零れた願望が、叶うことは未だない。今はただ、熱のこもった息を部屋に忍ばせて。 #情欲の殺し方 #吐露
2015-08-26 04:56:20これは罰だよ。 とろりとした笑みを浮かべて彼女が言った。戒めを謳って縄が這う。 本当に罰なの? 喜色を滲ませて誰かが言った。 水晶の瞳に映るイロ。耳元で水音が鳴り止まない。 縄の端を弄びながら、きつく締めた。欲が外に漏れ出さない、世界の暗転を望んでいた。 #情欲の殺し方 #絞殺
2015-08-26 07:16:01乱れる呼吸が愛おしい。酸素が足りないと言うように口を動かす様は、金魚のようだ。白いシーツに身を投げて、艶やかに誘うものだから。 溺れているのは僕の方。 息苦しさも感じさせないほどの快感で、酸素も要らないと錯覚させるほどの快感で、どうか僕を苦しめて。 #情欲の殺し方 #溺死
2015-08-26 08:54:59流れる汗、涙、嬌声。落ちた腕、足、目蓋。触れた唇、肌、爪先。 欲望が要らないなら愛情を。愛情が要らないなら友情を。友情で物足りないなら崇拝を。 演じることには慣れている。理性で蓋をするなど朝飯前だ。 愛しい君が望むなら。 口に言葉を詰め込んだ。 #情欲の殺し方 #窒息死
2015-08-26 21:21:42支配されていた。衝動。渇望。転じては強迫観念。誰かに首を絞められていた。 熱塊。雫の感触。伝う音は掻き消された。嬌声。打音。壊してしまいたくて、いつしか首を絞めていた。爪の痕は誰のもの。紅い三日月。あなたはまた叱るだろうか。 #情欲の殺し方 #絞殺 #自傷 叱ってくれるだろうか。
2015-08-26 22:38:36仕方ないって言葉に 甘え過ぎていた 傷つけていたのは 僕だった 温もりの中泣いていた 優しい物語は ハッピーエンドに出来なかった #情欲の殺し方 #置き去り
2015-08-26 22:44:45苦しめたくて苦しめたくなくて胸にナイフを突き立てて。そのまま君を引き裂いて。跡形もなく崩してしまおう。君を要らないと信じるため。君を彼方へ消し去ろう。 #情欲の殺し方 #惨殺
2015-08-26 22:49:57