《「除染作業員」と周辺住民との間に、齟齬が発生しやすい環境が放置されていることに関する考察》

自己ツイートをまとめました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

先日来、考えていることがいくつかあって、その内の一つが「処罰されない違法行為は見逃される」という、日本社会の慣習です。 地域社会の相互監視の中では、社会的な制裁が働いて、処罰される項目が増えます。 しかしそれは、地域社会外の人を拘束できません。 @karitoshi2011

2015-08-29 00:36:56
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

地域社会外の人を、地域社会の相互監視では拘束できないということは、 「よそ者は何をするかわからないから、油断できない」という感覚に繋がります。 そして、実際、地域社会の拘束を受けない時、日本社会の住民は、普通ならためらうような行為をする事があります @karitoshi2011

2015-08-29 00:40:21
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

例えば、日常の生活圏を出た時に、マナー違反で花火で遊んだりします。 地域社会の拘束に属したくない若者が、エンジンを空ぶかしして暴走行為をすることがあります。 もっと巧妙になると、自分たちの小社会では許される、マナー違反になる行為を楽しみます。 @karitoshi2011

2015-08-29 00:43:47
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

さらには、意図的に「法律で禁止されていない行為」を探して利得を得ようとします。 その方向をもっと進むと「法律では禁じられていないけれど、抑止されない行為」をして、さらに利得を得ようとします。果ては「法で禁止されているが処罰を受けない」行為にまで。 @karitoshi2011

2015-08-29 00:46:26
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

例えば、「工場の生産ライン一つを丸ごと、施設ごと別会社に稼働させる」という業務請負があります。これは、現在「法律で禁止されていない行為」です。 ただし、実際に働いている人に工場を所有する企業が直接命令を出すと 「偽装請負」という違法行為になります。 @karitoshi2011

2015-08-29 00:49:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

この「偽装請負」は、違法なのですが、余程目に余るようなことをしたり、従業員が裁判に訴えたりしない限り、摘発されることは、稀です。 現に、原子力発電所のような多重下請けの構造になっていると、偽装請負ではない請負の労働者は稀になります。 @karitoshi2011

2015-08-29 00:52:09
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

しかし、原発で「偽装請負」の罪で摘発されて、処罰を受ける企業というのは、基本的にありません。それは、電力会社も元請け企業も、黙認しているからです。 そして、一部上場企業である電力会社や元請け企業の黙認を、監督官庁も国民も、追加で黙認します。 @karitoshi2011

2015-08-29 00:54:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

では、「偽装請負」を「活用」する企業は儲かるだけか、というと、そうはいきません。 偽装請負の下部に入る企業は、例えば違法な雇用が明るみに出たり、元請け企業の希望に背いたりすると、仕事を一方的に打ち切られます。打ち切りが不当でも、訴えるのは困難です。 @karitoshi2011

2015-08-29 00:57:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

例え、偽装請負でなくとも、下請けの企業は、上部の企業の注意を守らないと、仕事がなくなります。例えば原発で言うと、交通事故を起こしたり、労災事故を起こしたりすると、仕事がなくなります。地域社会ではないけれど、それなりの監視が働きます。 @karitoshi2011

2015-08-29 00:59:51
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

このような、元請け企業による下請け企業への社会的な監視は、 同じ場所での仕事、同じ上下関係での仕事が続くと、強固になります。 下請けの労働者は、酒場で酩酊して地域社会に目立つことも禁じられます。 必然的に、宿舎で長時間過ごすしかなくなります。 @karitoshi2011

2015-08-29 01:02:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

しかし、「除染作業」では、まだこの仕組みが出来上がっていません。 元請けと下請けの結びつきが弱く、下請けの労働者も流動的で、「除染作業社会」ができているとは言えません。人を集めるときも「長期で安定した仕事」ではなく「短期で稼げる仕事」として集めます @karitoshi2011

2015-08-29 01:05:18
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

したがって、除染作業員に対しては、社会的な拘束が、まだ上手く作用しません。 よそ者として現場に近い宿舎にやってくるし、短期で仕事を変えるつもりの人を集めます。 そして、除染作業をされる地域の住民も、外部からの除染作業員を「よそ者」と見ます。 @karitoshi2011

2015-08-29 01:08:18
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

このようにして、除染作業員と、除染される地域の住民との間には、 「信頼関係」を成立させにくい状況があります。 少なくともまだ、「除染作業員と住民との交流によって地域社会を発展させよう」という動きが出てくることは困難です。 @karitoshi2011

2015-08-29 01:12:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

最後に、完全におまけになる一言を付け加えます。 このような分析や説明、さらには改善策の提示こそ、「産業関係」の「社会学者」が行うべきことのはずですが。何をしてるんですかね? @karitoshi2011

2015-08-29 01:14:22