ネタを放り込んでく（腐有り）

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

「なんで一緒にいんの」 「はい～？何がですかね～」 気まぐれに俺の腹に顔を擦り付ける顔に、呆れながら返事をしてやる。 「なんで俺と一緒に、いんの」 その内容を嫌というほど理解していても、それはそうしている俺でさえ答えることの出来ない問いだ。

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

「おれは」 「うん」 「好きだよ、お前のこと」 「俺もすき」 流れるような会話。 さらさらと当たり前のように滑っていく声たちが、一瞬消えて、そして十代の「嘘つき、しんじまえ」なんて酷い言葉が放り出された。 それはでも、まあ、間違ってもいなくて。 「ああ、そうだな」

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

＊＊＊ 「貴方が嫌いです」 「男の嫉妬は醜いぜ？」 よく睨まれるなぁとは思っていたけれど、こう面と向かって言われる日が来ようとは。それでも用意していた台詞をぶつけると、遊星はぎり、俺を仇を見るような目で見た。こわ。 嫉妬だけではないのだろう。 けれど。それ以外だけでもない。

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

「何がしたいんですか」 ドロドロに甘やかして、それでも嘘は中途半端で、ただ傷の手当てをして一緒にいる。 最低だ。 いや分かってるよ、世間的にはこういうの『弄んでる』とか言うんだろう？ 幸せと痛み、両方を抱えて動けなくなったような、そんな十代を思い出して口を開いた。

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

「一番守りたい。それだけだよ」 「守れてなんか、いないじゃないか！」 「嗚呼、確かにそうかもな」 それでも、出来る限りのことはしている。流れる血は止めてやって、ほっとけば何も口にしない彼の為に料理を覚えた。 色んな知識が増えた。大事な人を守り抜きたい一心で。

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

「でもさ、仕方ないだろ」 好きだと言われ、ああ俺もだと返した。心も、その未熟な恋心も、本当は守ってやりたかったさ。 「あいつな、嘘を見抜くのが上手いんだ」 うそつき、しんじまえ。 この間のこの酷い言葉は、初めて告白された時にも投げられたものだった。

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

「っその中途半端さが、あの人を傷つけてるんだぞ！！」 「断っても、傷つくだろ」 どうやったって、全て救われる道はなかった。だから、今のこの生ぬるくて、一番酷い結末を選んだんだ。せめて、外側だけは守れるようにと。

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

「ちゃんと“そういう意味”で十代のことが好きなお前だったなら」 幸せに出来たんだろうな。 「貴方が、大嫌いです」 沢山のマイナスがこもった声色に、ああ、それでいいよ、とそれだけ返して笑う。 それでいい。 俺を憎むほどにお前が十代を好きになっていくのを知っていたから。

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

はやく十代さんが目を覚ませばいい。こんな頭のおかしい人でなければ、この際俺でなくてもいい。ただ、この酷い現状から、貴方が救われればそれで。今連れ去って閉じ込めても、貴方はきっと幸せではない。嗚呼、悔しい。くやしい ため息と愚痴と憎悪。 それ、 「お前も、まあまあおかしいよ」

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

「おかしくても、貴方よりはあの人を愛していますから」 「そりゃ、そうだろうな」 守り抜きたい。 ただ、イコール、愛しているにはならなかった。 それだけ、だった。 (それだけ、なんて言ったら、今度こそ遊星に殺されるんだろうなぁ)

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

ああほんとうに。 十代が目を覚ませば、丸くおさまるんだろうなぁ。 それでも彼は、俺でなければいけないのだろう。恋愛とは多分、そういうものなのだろう。 そして俺が十代をそういう意味で愛せないのも。恋愛とはそういうものだから、なのだろう。

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

だから恐らく、この先も関係は変わらない。十代とも、遊星とも。誰かが居なくなるまで変わらないのだ。 『なあ。俺が死んだら丸くおさまんのかな』 いつかそう尋ねた十代に「お前は俺が守るから、死ねないよ」と返して、泣かせたことがあった。 きっと俺は、今でも同じように答えるのだろう。

ユメコ@垢変えたよ @Yumeko_sugar

この遊星さんとヨハンは一緒にお茶する仲です。 そんでヨハンがさらりと『世間的に酷いこと』を言って、遊星さんがお茶ぶっかけて、「おま、淹れたてだったら火傷もんだぞ」「うるさい」とか会話が進む。 そんな仲です。