茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1600回「異なる意見の人にも、リスペクトをもって接する」

脳科学者・茂木健一郎さんの9月8日の連続ツイート。 本日は、最近感じたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1600回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、最近感じたこと。

2015-09-08 06:55:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

マイケル・ムーア氏は、銃規制や医療制度など、アメリカの現状を鋭く批判してきたドキュメンタリー作家だが、最新作は軍産複合体をあつかうという。米国民のすべてがムーア氏のように考えるわけではない。一方、ムーア氏の主張に共感する人もたくさんいる。それが、アメリカの文化の強さだろう。

2015-09-08 06:57:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

私は、安保法案に反対だが、世の中に賛成の人がいることも知っている。安倍さんを含め、賛成の方に対して、人間的にどうこうということはない。同じ人間なんだから、賛成、反対に関係なく、リスペクトを持って接すればいいと思う。ところが、ときどき、そうではない人々もいる。

2015-09-08 06:58:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

私のツイッターにはさまざまなご意見が寄せられ、私はポリシーとしてブロックしないから、きわめて多様だが、その中に、「安保法案に反対する人は中国の見方だ」といったツイートがしばしばある。この見方には賛同しかねる。反対を含め多様な意見があるという価値は、むしろ反中国的だからだ。

2015-09-08 06:59:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国は長い歴史をもつ立派な国だし、そのさらなる発展と反映を祈るけれども、その政治的現状には賛意を示せない。人権や表現の自由に関する中国政府の記録は、最悪である。しかもそれを正当化している。受け入れがたい。チベットに対する抑圧も受け入れがたい(私はダライ・ラマと対談し共著本もある)

2015-09-08 07:00:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

私の認識では、安保法案に対して賛成だけでなく、反対の立場の人も自由に意見を表明できるということが、大切な価値なのであって、それを抑圧しようとすることの方が、よほど「中国的」だと感じる。「党議拘束」とやらで、議員が自分の意見を自由に形成できないことも、やはり「中国的」だろう。

2015-09-08 07:02:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

私の認識では、奇妙な倒錯が起こっている。中国の国力増強に対抗するためにも安保法案が必要だと主張する人々の一部は、反対意見に対する抑圧的態度などにおいて、むしろ中国に似ている。「国賊」や「反日」といった、中国的な(やまとことばではない)レッテル張りをするところも、中国的である。

2015-09-08 07:03:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

もっとも、似たようなことは、米国でも起こった。ソ連との冷戦時代、アメリカの現状に異議を唱える人たちを「共産主義者」とレッテル張りした「マッカーシズム」の時代は、歴史上の事実である。現在でも、ムーア氏のような人に対して「反アメリカ的」だと非難するアメリカ人は、実際に存在する。

2015-09-08 07:04:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

大切なことは、意見が異なる人に対しても、人間としてのリスペクトを持って接し、多様な意見が社会の中に存在することを心地よいと感じることだろう。その意味で、私は自民公明の両党が安保法案を通すことよりも、両党の議員の中からほとんど「造反者」が出ないという事実の方が、恐ろしいと感じる。

2015-09-08 07:06:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1600回「異なる意見の人にも、リスペクトをもって接する」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

2015-09-08 07:07:07