1997年7月14日、当時の勤務先で始まったことと、それから18年2ヶ月間のこと

みわよしこ／Yoshiko Miwa, a journalist, PhD @miwachan_info

こんな時にこんなこと考えたくないけど、1997年7月時点での一次上司と二次上司、さて、次に何をしてくるかな？　他の女性に「あの人は女性のキャリアを支援する人だった（そうならなかったのは、みわが無能でダメだったからだ）」という話をさせる、あたりだろうか。→

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→私が2000年3月に退職した後は、応用物理学会の大会ですれ違う機会が何回かあった程度。相手たちは私の顔を見ると、ぎょっとして逃げたり予稿集を熱心に読んでいるふりをしたりするので、会話もない。だから、2000年4月以後にどういう人物なのかは、知らない。→

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→以下は、学会発表で自然に得られる情報から。2000年3月、私が退職してすぐ、密室で私にハラスメントの限りを尽くした一次上司は女性を部下に迎え、2001年には彼女を筆頭に学会発表を行った。今調べたところ、2004年に彼女は筆頭著者として論文を出しており、それが最後の論文らしい。→

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→その後、研究業界で彼女が生き延びているのかどうかは不明。2009年3月、筑波大で応用物理学会の春の大会が開催された時、元一次上司と連名で発表していた記憶がある。そのとき発表を見ているはずなんだけど、私を攻撃した人々の発表が始まってから終わるまで、私はフラッシュバックに耐えてて→

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→フラッシュバックが辛かったことしか覚えてない。他に覚えていることは、その発表の会場になった教室に、元同僚たち・元上司たちがいて、私の顔を見たら逃げたりフリーズしたり目を伏せたりしたこと。せめて「自分は消えないし潰されない」と、そこにいることでメッセージを発しているつもりだった→

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→でも、すべてが無駄な努力だった。だから筑波大を退学するのと同時くらいに、修士時代から20年以上（たぶん）在籍した応用物理学会も辞めた。→

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→私の後で元一次上司が部下に迎えた女性とその処遇。入社翌年に学会発表（これは私のときも同じ）。5年目に論文の筆頭著者にも（これは私のときも同じ。ただ男性社員なら3年目か4年目のことも）。その企業の、まあ普通。若干の性差別はあるけど、まあまあの処遇といったところか。→

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→おそらく元一次上司は、新しい女性部下であるMさんが、ハラスメントを受けてしんどそうな様子を他部署の人々や社外で見せることがないように、仕事について妨害されているかもしれないと疑われるようなことがないように、最新の注意を払っただろう。そうしないと「みわが悪かった」と言えないから→

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→結果として、Mさんはハラスメントや様々な攻撃の餌食にはならなかったのかもしれない。具体的に、その後どういう経緯があったかは全く知らないが、元一次上司は「みそぎ」を終えたことになっているのだろう。その後独法の研究所に転じ、ある時期まで無事出世していたようす。その後は知らないが。→

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→私は、元一次上司も元二次上司も、元同僚たちも、私が退職した後に入社したMさんのことも、正直なところ、どうでもよかった。ただ、彼らが私に塗りつけた、こびりついたコールタールのようなものを落とし、「にも関わらず生き延びる」「にもかかわらずキャリアを継続させる」がしたかっただけ。→

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→でも、出来なかった。少なくとも半導体業界の中では。私があがく間も、元一次上司と元同僚たちは無事に研究キャリアを継続・発展させていった。おそらくは「みそぎ」も無事済んで、彼ら界隈では「みわが悪かった」で決着しているのだろう。→

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→元二次上司も、その後大学に転じ、無事に定年まで務め上げた。私に対してしたことが彼らの問題や悪事として認識されたことは、ついになかったのだろう。そのうちに私は障害者になり、自分が生き延びるために、障害者問題や人権問題を半導体より優先せざるを得なくなり、自然にそこから去った。→

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→2010年、ある筑波大教員から聞いた話では、私は彼らに対する復讐心を今も抱き続けていて何をするのか分からないことになっているのだそうだった。復讐心なんか、最初からありませんって。このまま潰され消えたくなかっただけ。今も、復讐したいとは思っていません。そこまでヒマじゃない。→

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→ただ、自分と他の犠牲者に起こったことを、なかったことにしたくないだけです。仕事ぶりも能力も人柄も問題なかった同僚が一人、1991年に元一次上司（当時係長）が来たとたんに凄絶なパワハラを受け、半年で精神を病み、一年後に退職。→

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→仕事ぶりも能力も人柄も実績も問題なかった、もう一人いた係長Kさんも。1994年、係長会議で元一次上司とその仲間に毎回集団イジメを受けるようになり、部課長たちは見てみないふりをしていたと、気を揉んで見ていた別の部署の係長から聞いた。Kさん、二人の娘を含む家族のため家を買った直後→

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→たぶん、その最も守りにくいタイミングを狙って、元一次上司は攻撃を仕掛けたのだろう。私が知る限り、そういう人だったから。攻撃されたKさんは数カ月後、故郷のある東北の関連会社に転出。多額のローンを組んで買ったばかりの家は、もちろん売却。→

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→その元一次上司は、東京都内の名門高校の同級生と結婚し、息子と娘に恵まれていた。息子さん娘さんへの子煩悩な親バカ話、今も覚えている。相手がその元一次上司でなければ、微笑ましい限りの話だた。住まいは、名門大学教員だった両親に買ってもらった家に結婚直後から。→

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→私は、元一次上司の息子さんの名前も、お連れ合いの名前も知っている。お父上の葬儀の手伝いにも行ったから、お父上と元一次上司本人の家の場所も知っている。息子さんの通った中学校も名門高校も、今通っている名門大学も知っている。息子さんのその後を追跡するのをやめたのは、つい2年前。→

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→息子さんが生まれたころ、もう一人の係長は、小学校と幼稚園の二人の娘を抱えて、事実上の転職と転居と、買ったばかりの家の売却を迫られたのだ。大学中途で休学して働かなくてはならない状況を乗り越えて就職して、実績を積み上げて信頼されていた人が。→

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→その後、どうしておられるかは全く知らない。ご実家が気仙沼なので、その近くに住んでおられるのではと思う。東日本大震災の被災者には、私が調べた限りは見当たらなかった。どうぞご無事で、と思う。→

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→私は、いつか、元一次上司の息子さんに会いたいと思っていた。私が直接聞いていた話では、素直にすくすくと成長していた息子さん。その後も、知的に素晴らしい発達を遂げ、よい友人関係にも恵まれているらしい息子さん。いつか息子さんに、父親のしたことを聞いてほしくて、その後を追跡してた。→

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→でも、2年前にやめた。息子さんがまっとうな人間に育っているのなら、父親がどのような人間で何をしてきたかに、いつか気づくはず。父親が過去にどういう人と関わりを持っていたかも、調べられるはず。父親は研究者だから、少なくとも研究でのかかわりは、公開されているデータでかなり分かる。→

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→父親が生涯隠しとおし、なかったことにしたいであろう私のことも、追い出したもう1人の係長のことも、潰した部下のことも、分かるはず。私以外の2人については、本人の能力不足や業務遂行上の問題ではなく追い出され潰されたことも、想像つくはず。それまでの実績は、論文誌等で分かるんだから。→

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→私自身は、ハラスメントの結果、論文は1本しか出せてないんです。それも正直、取るに足らない論文。でも、私以外の2人については、元一次上司のしたことを「は？」と疑問視させるだけの実績がモノを言ってくれる可能性がある。息子さんが、自分でそこにたどりつく可能性があれば、いいや。→

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→息子さんが、もしも学業優秀だけど父親の劣化コピーのような人間であったら。あるいは今後、そういう人間になっていったら。「私をクズ扱いした相手こそクズであり、そのクズの子はやはりクズだった」という結論に達することができる。それはそれで、私にとっては、ほっとできる話。→