【デイ・ビフォア・サブスティチュート】

しまな @cimana_ns

◆お題投稿メント◆やきう◆たのしい◆ #cima_nj

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【デイ・ビフォア・サブスティチュート】 #cima_nj

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ポーッ…ポーッ…「急げ！クソッ！スタッフは何やってやがる！」「アバーッ！アバーッ！」 医務室へと一台のストレッチャーが走る。「クソッ！どうしてこんな時に！オニタマゴ・ボールはどうなるっ！」「アバーッ！」ストレッチャーの上の人影が呻く。 #cima_nj

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…翌日。「クソッ！」身長タタミ二枚分はあろうかという大男が日刊コレワを叩きつける。表紙の大一面には「マウンド爆発！オニタマゴ・ボールの卑劣な罠！」の見出し。「お気の毒ですが脊髄損傷です。間違いなく四肢は…」大男が項垂れる。「…俺達のオニタマゴ・ボールは」 #cima_nj

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「まず無理でしょう。…いや、生きている事自体奇跡ですよ」医師はベッドの上を見遣る。精悍な体つきの青年は全身をミイラめいて包帯で巻かれているが、微かに胸が上下している。つまり生存。「…俺は諦めない」大男は俯いたままだ。「…ヤツらをブチのめす」 #cima_nj

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病室に風が吹き込む。めくれた日刊コレワのページには快活な笑顔を浮かべるスポーツマンが写っていた。その下には「ハツロ またも快調」のタイトル。 #cima_nj

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「エー、続きましては4番、ハツロ」「「「ワーワオオー！！！」」」スタジアムが熱狂に包まれる。当然だ、とハツロは笑む。なぜならばこの打席は記念すべきハツロの200本ホームランの「アー、ピッチャー交代です。エー、スズキですね」「「「ミズシャッテオラー！！」」」 #cima_nj

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熱烈なブーイングだ。球場も自分を祝福している。ハツロはいつものようにバッターボックスへ入り、いつものようにバットを「ストライク！」「エ?」ハツロは振り向いた。果たしてキャッチャーの手にはいまだ回転し続けるボール。スズキは既に投球を終えていた。 #cima_nj

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イカサマか?ハツロは振り返る。スズキはゆっくりと振りかぶり、ボールを投げた。「ストライク！」審判が告げる。ハツロが振り向く。キャッチャーの手にはやはり回転し続けるボール。「…エ?」ハツロは再びスズキを見た。スズキは至って平静だ。 #cima_nj

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スズキが高く足を振り上げ、ゆっくりとボールを投げた。「ア…」ハツロの視界が減速し、彼は憎悪に燃えたスズキの眼を、紫に発光した右腕を、そして狙い違わず自らの頭へ迫るボールを見ていた。ボールはそのままハツロの首を打ち抜いた。 #cima_nj

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「よお、サブスティチュート=サン」ロッカールームへ向かう通路でスズキと呼ばれた男…サブスティチュートは振り向いた。「どうだ?初めての暗殺野球は」「俺は借りを返しただけだ」サブスティチュートは帽子を直し歩き出す。「コンゴトモヨロシク、フォートレス=サン」 #cima_nj

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【デイ・ビフォア・サブスティチュート】終わり #cima_nj