参院中央公聴会における松井芳郎先生の講義内容
youtube.com/watch?t=42&v=1… 今日の参院中央公聴会の松井先生のご講義。レジュメが配布されてるらしいので、わたしも講義レジュメ欲しい。参院のHPでダウンロードできないのかな。
2015-09-15 22:17:31松井先生のご講義 ・20世紀初頭までの伝統的国際法の下では、武力行使は違法でない。従って、その頃の自衛権とはあくまで道義的政治的正統性を主張するためのものである。 ・国際連盟の発足により武力行使が違法化へ向かう。パリ不戦条約により法的概念としての自衛権が本格的に議論され始める
2015-09-15 22:22:58松井先生のご講義 ・集団的自衛権という言葉そのものは存在しないものの、不戦条約の段階で早くも集団的自衛権の原型が登場する ・原型の一つが英国による主張であり、大英帝国の死活的利益に関わる地域に対する攻撃は自衛権の行使であるとした。英国は対象としてスエズ運河地域を想定していた
2015-09-15 22:26:30松井先生のご講義 ・米国も、モンロー主義(中南米を米国の勢力圏として確保するもの)は自衛権の行使であると主張。 ・昭和7年締結の日満議定書にも「集団的自衛権」的な規定が存在している ・すなわち「集団的自衛権」とは先進国(列強)が海外の帝国主義的な権益を守るために誕生した概念である
2015-09-15 22:33:08松井先生のご講義 ・国連憲章の原則は武力行使の禁止。個別的・集団的自衛権と集団安全保障の強制措置の2つが例外。例外である以上両者は厳格に解すべき ・国連憲章上自衛権は「固有の権利」であり重要な権利であるとの印象を与えがちだが憲章51条は慣習法上の権利であることを確認したに過ぎない
2015-09-15 22:50:02松井先生のご講義 ・自衛権は違法性阻却事由 ・武力行使や武力による威嚇があるだけでは自衛権の発動はできない「武力攻撃を構成するような最も重大な諸形態」の武力行使には自衛権の発動が可能だが、国境地帯での小競合いのような「他のより重大ではない諸形態」の武力行使には自衛権は発動できない
2015-09-15 23:08:14松井先生のご講義 ・ホルムズ海峡での機雷封鎖は武力による威嚇ではあり違法行為であるが、武力攻撃でなく、集団的個別的問わず自衛権は行使できない
2015-09-15 23:13:58松井先生のご講義 ・邦人待避の際に米軍艦を使用し、米軍艦を自衛隊が防衛する事例については、軍艦はそもそも武力行使の際の合法的な攻撃対象であり、それに民間人を乗せることはおよそ考えにくい
2015-09-15 23:14:20松井先生のご講義 ・もう一つの例外である集団安全保障の強制措置は、現在までに国連軍が編制されたことはない ・似た形として、多国籍軍に安保理が武力行使を許可する、平和維持活動に対して武力行使の権限を与える、と2種類がある
2015-09-15 23:18:13松井先生のご講義 ・多国籍軍の活動について安保理は統制を及ぼしえない。多国籍軍は国連の行動ではない ・法案では現に戦闘行為が行われている地域では後方支援活動を行わないとしているが、武力紛争法上は地理的な区別は意味を持たず、活動主体及び客体が軍事目標であるかが重要である
2015-09-15 23:23:29松井先生のご講義 ・集団的自衛権を憲法上容認した場合、日本の領域外における米国への攻撃に対して、日本が安保条約上の義務として防衛義務を負うことになる ・安保条約の大きな改正を国会承認なく行うものであり、立憲主義に反するものである
2015-09-15 23:32:35松井先生の参議院でのご講義はやはり国際法の大物だけあっておもしろい講義でしたね。今日議員の皆様に配布されたレジュメがあれば、理解が深まるかもしれないので、ぜひレジュメを参議院のHPでうpしてください。
2015-09-15 23:48:57要約はここまで
以下は反論、疑問点等
以上 わたしの疑問点としては、日米安保条約第5条は日本国の施政下にある領域における武力攻撃について防衛義務が発生するものであり、日本国の施政下にない領域に防衛義務が発生する法的根拠が知りたい。
2015-09-15 23:34:36わたしの疑問点もう一つは、ホルムズなりの海峡の機雷封鎖が自衛権の発動対象でないとするならば、機雷掃海が一方で武力行使である以上、機雷を撒かれると国際法上合法的に機雷掃海するためには安保理の決議がなければ対応不能となるのではないか。
2015-09-15 23:38:32@Primus_Pilus_ 集団的自衛権が国連憲章に記された経緯考えると、かなり強引な論建てに見える
2015-09-15 22:34:56@nekoguruma 英米の主張は海外の教科書に載ってる、と松井先生はおっしゃってるが、わたしは海外の教科書を読んでないのでなんとも言えない。ただ、松井先生がもう一つの事例としてあげた日満議定書についてはまさしく集団的自衛権のそれという規定ではある。
2015-09-15 22:39:56@Primus_Pilus_ 内容は確かに同じように見えるかもしれない。けども、国連憲章の叩き台であるダンバートン・オークス提案の段階では記されていなかった集団的自衛権が、ラテンアメリカ諸国の要求で盛り込まれるようになったのは、安保理常任理事国の拒否権による集団安全保障の(続く
2015-09-15 22:46:29@Primus_Pilus_ 機能不全を見越したもんであるわけだし、意図としては列強の帝国主義的権益保護って目的の正反対になると思うけどね
2015-09-15 22:47:52@nekoguruma 集団的自衛権の概念そのものは確かに国連憲章以降の新しい概念であるが、松井先生は概念の萌芽が戦前からあるという事例として日米英の事例をだされており、密接な関係にある地域に武力行使をすることは自衛権の範囲内であるという主張は確かに現在の集団的自衛権の概念に近い
2015-09-15 23:03:32@Primus_Pilus_ そうではあっても、現在の集団的自衛権が拒否権による国連の機能不全、それと正常に機能しても物理的にどうしても生じるタイムラグを埋めるために行使が許されてる(当然、国連への報告が必要)って話を省略してるように見えるのは、どうにもなー
2015-09-15 23:09:59