「御上が許可した場合しか自由がない」という「原則ノーの自由」と社会の衰弱死

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烏賀陽 弘道 @hirougaya

国会前デモに行って、現象としておもしろかったのは、実に多数がスマホやビデオ、デジカメで撮影していたこと。してない人より多かったかも。少なくとも「マスコミ」の取材者よりは、はるかに多かった。「写される人」より「写す人」が多い。そしてネットでそれをパブリッシュする人も。実に痛快な変化

2015-09-16 03:43:44
烏賀陽 弘道 @hirougaya

29年の報道記者生活で、これほど「主流マスメディア」(新聞テレビ雑誌などアナログメディア)の地位低下を目撃できるとは痛快の極みである。「報道機関に所属することの特権性」がほぼ奪われている。彼らが必死で既得特権にしがみつく理由がわかる。@hirougaya

2015-09-16 06:25:02
烏賀陽 弘道 @hirougaya

スマホとSNSで発信することを覚えた人たちは、遅まきながら「PUBLISH」の本来の意味を理解し始めていると思う。この言葉は本来「出版する」ではなく「publicにする」=「情報を誰でもアクセスできるようにする」という民主主義の基本概念なのだ。こんなことすら知らなかったのだ。

2015-09-16 06:29:45
烏賀陽 弘道 @hirougaya

1986年に私が朝日新聞の記者になったときは、ネットはおろかk携帯電話もワープロもなかった。紙の原稿用紙にペンで原稿を書いた。連絡は公衆電話だった。今ではインターネットとSNSがあるから、報道の実践のために朝日新聞社のようなマスメディア企業の社員である必要すらない。痛快だ。

2015-09-16 06:31:55
烏賀陽 弘道 @hirougaya

そういう点で、インターネットは「民主主義の学校」として非常に優れている。

2015-09-16 06:32:39
烏賀陽 弘道 @hirougaya

過去30年間、ネットはおろか携帯電話もなく、巨大新聞社の正社員として紙にペンで原稿を書く(フィルムカメラで写真を撮る)作業から、一人のインディペンデント記者としてネットとSNS、デジカメで世界に発信する作業まで、メディア革命を一から十までど真ん中で経験している。何て幸運なんだ!

2015-09-16 06:40:49
烏賀陽 弘道 @hirougaya

国会前のデモで、新聞やテレビのカメラマンたちが脚立を並べて陣取る「報道席」に、スマホやデジカメを持った「一般市民」(ブロガーやSNS発信者もいるのだろう)がどかどか入り込んで撮影し始めるのもおもしろかった。

2015-09-16 06:43:14
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「プロ」の記者がなだれ込む「一般市民発信者」に何も文句を言わず、礼儀正しく「あの、すみません、撮影させてください」と頼んでいるのが笑えた。アナログ時代ならカメラマンが市民に「ここは素人が来る場所じゃねえ!」と怒鳴りつけていただろう。苦笑

2015-09-16 06:44:05
烏賀陽 弘道 @hirougaya

はい、社会的地位の低下ととも、人材の質も激しく低下したのが既存マスコミです。 @gorone566

2015-09-16 06:44:55
烏賀陽 弘道 @hirougaya

このプラットフォームで読者に直接ルポを届け、報酬を得ることができるなんて、私は報道記者としてなんて幸運なんだ! >再訪原発難民2015 その2 諦観と達観 汚染された故郷に帰る|Hiro Ugaya|note(ノート) note.mu/ugaya/n/nc4fab…

2015-09-16 06:49:34
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「国会前デモ」と言っても、発言者も会衆も「行進」のようには動かない。ステージがあって発言者が登壇している。その周りを会衆が囲んでいる。警察の規制のせいだろう。不自由である。

2015-09-16 17:30:48
烏賀陽 弘道 @hirougaya

マスコミに限らず「中立」とか「客観」という単語が日本人の好きな虚構、ファンタジーにすぎません。 @nokamo009 @hrd_hrd_hrd @gorone566

2015-09-16 19:55:35
烏賀陽 弘道 @hirougaya

つまりは警官たちが厳重に囲んだ「檻」の中でのみ「表現・集会の自由」が許されるという奇態が日本の民主主義なのです。@haruhasiSF

2015-09-16 20:00:07
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「国会前デモ」は警官隊が囲んだ「檻」の中でのみ許され、沖縄の高江ヘリパッドのように、工事を阻止する実力行動に出ると、逮捕されたりSLAPP(民事提訴)されたりする。こんな日本の「言論の自由」が「自由」といえるのでしょうか。

2015-09-16 20:07:05
烏賀陽 弘道 @hirougaya

国会前でデモしているうちに、主催者の意図とは別に、警官との小競り合いで激怒・興奮した会衆が国会内に乱入、まったく統率のとれないまま国会内を破壊、100人単位で逮捕、けが人も多数、なんてのが治安当局の恐れる「熱狂する人民」のシナリオでしょう。

2015-09-16 20:12:03
烏賀陽 弘道 @hirougaya

つまり日本の「公共空間での言論の自由」は「権力が許可した場所のみオーケーで、あとは原則ダメ」という「原則ノー」なのです。これはおかしい。自由とは本来「何をしてもいい」という「原則イエス」であって「どうしてもしてはいけないこと」だけが合意のもと「ノー」となる「原則イエス」なのです

2015-09-16 20:14:28
烏賀陽 弘道 @hirougaya

こうした「公共空間での言論表現の自由は原則ノー・権力が許した場合のみイエス」というのは、ストリートミュージシャンを見ればすぐにわかります。どこで音楽をやろうと、本来は自由なのです。「爆音でうるさい」とかそういう「どうしてもダメ」な場合のみノーになる。

2015-09-16 20:16:29
烏賀陽 弘道 @hirougaya

こうした日本の表現・言論の自由の「逆転現象」に経験的に気づいているのは、ミュージシャンですね。だから国会前も音楽系に人が多いですな。

2015-09-16 20:17:27
烏賀陽 弘道 @hirougaya

治安当局にとって最悪のシナリオは、そういう騒乱が引き金になって、あちこちから「ただ暴れたいだけの愚連隊」みたいな連中が集まってくることです。地方のお祭りや花火大会によくいるでしょう?笑  それで首都中心部で暴れるとういうのがコワい。 @makoto_bass

2015-09-16 20:20:37
烏賀陽 弘道 @hirougaya

それがニュースになると、それを見て「よっしゃ、おれも暴れよう」tみたいなのが続々と湧いて出てくる。キリがないんです。日本は人間だけは無尽蔵にいあるから。警察の人員には限りがある。 そして警察が「負ける」と一気に威信崩壊です。 @makoto_bass

2015-09-16 20:22:02
烏賀陽 弘道 @hirougaya

国会前に、埼玉や千葉からヤンキー、暴走族、チーマー(ふっる〜)、リアルギャングスタみたいなのが族車に乗って国会前に集結してごらんなさい。けっこうえぐいことになりますよ。 @makoto_bass

2015-09-16 20:23:01
烏賀陽 弘道 @hirougaya

警察にとっては「暴徒対策」という点では国会前デモもシールズも、ヤンキーも暴走族も、花火大会も夏祭りも同じなんです。 @makoto_bass

2015-09-16 20:23:49
烏賀陽 弘道 @hirougaya

そういう「ただ暴れたいだけ」のヤンキー、暴走族、愚連隊、リアルギャングスタが騒ぎを見て興奮、国会前に族車で乗り付け、永田町や霞ヶ関だけでなく、赤坂、銀座、有楽町など周辺が騒乱になり、タクシーを襲う、自動車や商店に火をつける、略奪などのシナリオが考えられます。

2015-09-16 20:26:19
烏賀陽 弘道 @hirougaya

こうした原発問題、安保法案をきっかけに、日本人のマジョリティが「自分たちには本当の自由は与えられていない」「こんな政治体制は民主主義ではない」と気づいてしまう。学習してしまう。覚醒してしまう。それが権力者にとっては一番恐ろしいことでしょう。

2015-09-16 20:30:48
烏賀陽 弘道 @hirougaya

そうした日本の「自由」「民主主義」の虚構を教えてくれている、という点では、現在の自民党と安倍晋三氏は最高の教師かもしれません。

2015-09-16 20:31:28