【不死身書房】カルーネアデス戦記 ~漆黒の蝗害~

グランクレスト大戦の有志レイドイベント「大禍災」に関する個人的なまとめです。 残念ながらリアルタイムではないのですが。 文責:詩人
0

CM

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

【宣伝】毒を撒け 噛み千切れ 引き裂け死を築けー…本能がままに、襲い来る嵐。 怒りを!嘆きを!痛みを! 負なる災をあなたがたは打ち払えるか。 グランクレスト大戦 「大禍災」 災禍を祓い、聖印を掲げよ #大禍災

2015-08-31 21:42:35

プロローグ

カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL 「君にとって『敗北』とはなんだい?」 カルーネアデス「カードをオープンした時点でわたしの負けです。 例えどのような手札であろうと、恐れずコール出来るならば… 生者に死者が勝てる道理などございません。」 shindanmaker.com/541854

2015-08-12 01:01:43

カルーネアデスは不死者である。
正確には、「アンデッド」に分類される邪紋使いである。

アトラタンを三分した戦い、通称『グランクレスト大戦』にて、そこそこの武功を納めたものの知名度はそれほど無いという、どこにでも居る三文アンデッド、それが彼女である。

カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL 「じゃあ相手も死者だったら?」 カルーネアデス「次の世界へ行けた人の勝ち、という事で。こちらも結構負けが込んでいますね。」 「君は行かないの?」 「そうですね。…お土産選びに夢中になっているのかもしれません。」

2015-08-12 01:35:39

彼女が死んだのは、その大戦ではない。

時空災害と呼ばれる、時間軸の違う世界すら巻き込んだ大規模な混沌災害を切り抜けた時でもない。

故郷で内乱が起こり、混沌災害のどさくさ紛れに自領が滅んだ。その時でもない。

内乱の元凶たる、領内に潜む非合法組織…飼い慣らされた悪、飼い主を屠り鎖を自ら解き放った狂犬。
それらに引導を渡した時でもない。

幼い頃、なんのことは無い自領の事故に巻き込まれて死んだ。
その時に邪紋を得て『死に損なった』。
それだけの事だった。
以来彼女は、継続して休む事無く『死に損なっている』。
彼女の邪紋はそういったものだった。

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

あなたがたの周囲は、今のところ平和です。不思議なほどに。 いえ、きっと皆様はお気づきでしょう。 何かにつけ文句を言うあの酔っ払いが。尻尾を掴ませない人さらいが。スラムのずる賢い盗人。怪しいな邪紋遣い。 そういった者たちが、ひとり、ふたり。ふっと姿を消しています。 #大禍災

2015-08-29 20:01:41

彼女は、自らの故郷を取り戻し、そこに自分の墓を立てて静かに暮らしていたのであった。
彼女は自らが死者である事にアイデンティティを見出し、現世とは隔絶して生きる事を是としたのである。

話相手は、物好きな旅人や近所の子供なのだろう。
実に、平和だった。そう、表向きは。

この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

@bbeesbeees ……みんな、どこに行ったのでしょうね? なんにせよ、平和であるというのは良いことでございます。 ささ、どうぞどうぞ、しばしお寛ぎくださいませ。 #大禍災

2015-08-29 20:02:55

とは言え、火の無い所に煙は立たぬもの。
火の気は隠せても、煙を隠すのは難しい。

事の真偽はともかく「怪しい噂」というのは静かに広がるものである。
それはこんな三文邪紋使いの耳にも入ってくるのだ。
独り静かに、噂を思い出していた。

カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL とある街外れの共同墓地。 墓石の横に座り、まるでそこが自分の家であるかのように寛ぐ、女が一人。 数百を越える墓標。しかし墓には全て、同じ名が刻まれている。 その女と同じ、”カルーネアデス”という名が。

2015-08-30 22:53:36
カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL 墓碑銘と同じ名を持つ女は、先日聞いた連続失踪事件について思い出し、独り言を言った。 「アレとは、関係ありませんよね…」 関係。思い当たったのは被害者側ではなく加害者側である。 この共同墓地の地下には、かつて名も無い秘密組織があったのだ。

2015-08-30 22:57:34
カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL 女は広義の意味で、それの犠牲者であり関係者だった。 自分の独り言が不穏当であると思ったか、それ以上何も言わずに辺りの墓を見回した。 人の気配すらない木立の中、誰に気を配っているかは解らないが。 そう、一人の気配も。この場には真っ当な生者など一人も居ないのだ。

2015-08-30 23:03:08
カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL 『行方不明者は悪党や不要者が多い』という与太話を思い出した。故に気に留める者は少ないが、何かが起こっていると。 「でしたら、まずはわたしを連れて行って頂かないと」 ぽつりと呟くと、応えるように木々が風で揺れた。 「ですよね」 女はやや嬉しそうに空を見上げた。

2015-08-30 23:24:11
カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL 不死の邪紋使いは、風に混じって僅かに新しい『死の気配』を感じ取った。 しかし戦場のそれとは違う。そんな『綺麗な』作り方をしたような死ではない、もっと異様な何かが混ざっているように思えた。 #大禍災 twitter.com/diceda4/status…

2015-08-30 23:47:29
この混沌災害は消散しました @bbeesbeees

@car_ne_hato 死臭、恨み、嘆き、痛み、血、脂、骨、肉…命が混ざっている!死にながら生き、生きながら新に生きる、貪欲な本能だ。鼻をつまみたいほどの死臭を放ちながらどうしようもなく生きている。 …そういうものの息づかいを聞いた気がした。 【情報レベル★★★★】#大禍災

2015-08-31 22:29:29
カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@bbeesbeees 感じ取った気配。死と生。同類。 読み取れた構造。似た部品。数は不明。格上か。 聴こえた息吹。まったく違う。わたしとは、全く。 自らの存在を呪い、自分の名すら忘れぬ為に憎み、怨念が『人』である事を繋ぎ止める。 遠ざかるそれに、空洞の心を打たれた。 #大禍災

2015-08-31 23:16:00

それから暫くしてからのことだ。
『嵐』と呼ばれる、いくつもの不可解な事件の噂を聞くようになったのは。

カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL 「未来が見えたとしたら、誰もが嘆くんじゃないかなぁ」 カルーネアデス「もしそうなら…それは『未来の内容』に嘆いているのでなく『未来が変えられない』事に嘆くのだと思います。見えるだけ上等、と妥協しないのが良いですね」 shindanmaker.com/279018

2015-09-17 21:14:01

……未来が見えたとしたら。
自分に都合の悪い未来しか見えなかったとしたら……人はどうするだろうか。
カルーネアデスは、とある秘密結社の事を思い出していた。
彼らは未来を恐れ、現在を守るために団結し、過去の戦乱へと世界を巻き戻すべく反旗を翻した。

カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL「君は今、幸せかい?」 カルーネアデス「客観的には幸せな状態かと。主観的には、不幸せそうな方を見かけて気がかりです」 shindanmaker.com/541854 「見かけた?」 「通りすがったというか、気配がしたというか」 「余計なお世話じゃ?」 「ええー」

2015-09-17 21:22:10

幸せとは何か。
それは自分のような死者でなくとも難しい問いだと考えた。
だがそれは恐らく、一義に定義出来るものではないのだろう。

その時、通りかかった馬車が近くで止まった。

カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL 『墓守り、ここに居たか。嵐が来るそうだ』 珍しく、自領の君主に声をかけられる。 「おうちに入れて下さるんです?」 墓守り…不死の邪紋使いはズレた返答をしている。犬小屋の犬のような表情である。 『いや、逆だ。ちょっと出てくれ』 君主の回答は、その上を行っていた。

2015-09-17 21:45:26
カルーネアデス@大迷宮(PL:かるーね) @car_ne_hato

@GCtg_TL 「そんなー」 言いながら邪紋使いは、愛用の篭手を担ぐ。戦の気配だ。 『行き先は追って知らせる。嵐の”目”を探し、可能ならばこれを討て。』 ”嵐”。ここ最近の怪事件の総称。失踪事件、怪生物、そして、嵐。 「かしこまりました。」 淡白な会話だが、それで充分だった

2015-09-17 22:18:29
1 ・・ 7 次へ