『突落時廻 之 夢』【夢の話１８】

天晶 @tensyou99

先に言っとくと、描写が面倒さい地形が一か所あったけど、ほぼ伝えるの諦めました！のでいつも道理のサックリ描写です

天晶 @tensyou99

自分はどこかの山奥に倒れている。辺りはほんのり薄暗いが、まだ早い時間のような気がした。 そこは非常に大きな穴…と言うよりは非常に深い窪地のような場所だった。 #夢の話

天晶 @tensyou99

ヘリは垂直で土は脆く、指を立てようとするとボロボロと崩れた。というよりもまず、何かの支えなしに登れるような高さではなかった。３階立てビルの高さぐらいは軽くあるだろう。どこからか此処へと落ちてきのだろうと思う。しかし、どうして落ちてきたのか、てんで思い出せない。 #夢の話

天晶 @tensyou99

窪地の底には草が一切生えてない。だが窪地の上、その淵には引っかかるようにして、年老いた巨木が根の一部を壁面にむき出しにして生えていた。そんじょそこいらの大きさではない。縄文杉並の超ビックサイズだ。なにせ剥き出しになっている根の一本だけでも、普通の木の幹ぐらいの太さがある #夢の話

天晶 @tensyou99

立ち上がった自分は、すまんな、と言いながら穴の底まで届いている根をぺちと叩く。落ちた経緯は覚えていないが、落ちている最中にこの根がスライダーとクッション代わりになり、底に直撃することを防いでくれたのだ 暫く、その根を辿って上へと登れないか奮闘するが、上手くいかず断念する #夢の話

天晶 @tensyou99

仕方なく、見たくなかった方向へと視線を向けた。 窪地の一部分は欠けて、その先は崖になっていた。下には川が流れているが、その高さからして落ちればどう頑張っても生き残れる可能性はゼロだろう。 向こう岸が見える。 #夢の話

天晶 @tensyou99

崖はコの字になっていて、誰かが作ったであろう壁づたいにある道を歩いていけば、向こう側にたどり着けるだろう。 だが、道は人一人通れるかどうかの大きさだ。正直いきたく無い。 #夢の話

天晶 @tensyou99

まあ、けど行く以外に道もないか。そう思いながら、膝と片手をついて崖下を覗いていた体勢から、立ち上がる。 その時、とん、と軽く背を押された。 咄嗟に体勢を立て直そうと、かろうじて崖先に残っていた左足に重心を移す。が、無情にもその左足が乗っている地面がぼろりと崩れ落ちた #夢の話

天晶 @tensyou99

ハッとすると同時に、場面がいきなり切り替わる。自分はバスの席に座っていた。 夢の場面が切り替わったのではない。先程の意識の続きだ。そう確信する。 バスには若い男女が複数名乗っていた。目的も目的地も分からない。 #夢の話

天晶 @tensyou99

不意にバスが止まった。ぞろぞろと皆で降りていくと少し先の道が土砂崩れで塞がっていた 道はバスを皆で降りたところで二手に分かれている。一方は舗装されているが先が土砂崩れで通行止めだ。もう一方は同じ方向へと続いているが、下り坂だ。舗装もされておらず、土がむき出しになっている。#夢の話

天晶 @tensyou99

仕方がない、バスをここにおいて下り坂を歩いていこう。皆で相談して、そんな話になる。 自分は歩くのめんどくさいなと思いながらも、皆に従い歩き始める。 その時、ふと違和感を覚える。 前もこんなことがあったような？ 無かったような？ #夢の話

天晶 @tensyou99

思い出すことが出来ないまま、歩き続けていると皆が足を止めていた。 こちらも土砂で埋まっていたのだ。上を見上げると先程の道路の続きと、それが土砂で塞がれている様子を見ることが出来た。地方のせいか、ガードレールがない。 #夢の話

天晶 @tensyou99

まあ、可能性としてはなくはないよな。と自分も土砂の様子を皆と同じように見に行こうとする。 が、寸前でなんとなく、やめる。 かわりに崖の真下に背を合わせ、全体を見回す。 何かが変な気がした。 何か忘れているような。 #夢の話

天晶 @tensyou99

後ろからぱらぱらと土くずが転がり落ちてきた。それに引かれるように足下にあった水たまりに視線を落とす。ここ数日の雨のせいで道は土が柔らかくなっていて、歩きにくかった。土砂崩れが起きたのも同じ理由だろう。 #夢の話

天晶 @tensyou99

水たまりには自分と、自分のすぐ後ろの崖上の光景が映っている。崖を背にしているのだから当然だ。 そこにゆっくりと動くバスが映り込む。自分たちが先程乗っていたバスだ。 …バス？ 危ない、との叫び声がした。水たまりの中のバスがぐらりと揺れて、その像の大きさを増した。 #夢の話

天晶 @tensyou99

自分は動かなかった。思い出したからだ。 前回、自分は皆と一緒に土砂の様子を見に行き、バスがここへと転げ落ちる場面を目撃した。 そしてその後、あの窪地へと落とされ、さらに崖から突き落とされて、バスの中に戻った。 #夢の話

天晶 @tensyou99

これは、ループしているのか、ループしているなら戻る条件は死なのか、戻る場所はバスの中だけなのか、それともループではない全く別の何かなのか。 それを見極めたかった。 バスが転げ落ちてくる音、細かい土砂が先に背中に当たる。目をつむり、身を堅くして衝撃に備えた。 #夢の話

天晶 @tensyou99

覆い被さってくる土砂と衝撃、ほぼ同時に轟音を響かせてバスが落ちてきた。 女性の悲鳴が聞こえる、誰かのこれじゃ…もう…とかという声も聞こえる。そんな感想が一通りささやかれた後、さらに驚いたような声が聞こえてきた。 #夢の話

天晶 @tensyou99

記憶通りならば同時に起こったもう一つの土砂崩れで、来た方向の道も塞がれたはずだ。それに対しての声だろう。人の気配がそちらへと移動していく。 ふう、と自分は短く息を吐いた。 生きていた。バスは自分の真上ではなく、目の前に落ちてきたのだ。 #夢の話

天晶 @tensyou99

しかも、土砂で自分の姿が隠されたため、皆が自分を死んだと思いこんだ。 思わぬルートを見つけることが出来た。これで、自分は自由に行動できる もぞもぞと土砂の中から這い出るべく、奮闘する。なぜか耐ショック体勢ではなく立ったまま土砂をかぶったので、大した難なく出ることが出来た #夢の話

天晶 @tensyou99

自分を崖から突き落としたのは誰なのか、自分はなぜあの窪地で倒れていたのか、なぜ誰も乗っていないはずのバスが動いて尚且つ落ちてきたのか。 さあ、犯人探しを、始めよう。 #夢の話

天晶 @tensyou99

で、終了。 続き？そんなモノはない　#夢の話