古城の怪物

プロットです。 途中です。
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よいろっく🚷 @xxxofservice

あなたは2時間以内に15RTされたら、古城に住む怪物と、そこに迷いこんだ青年の設定で同居して暮らし始めた宵彩のヒジソウの、漫画または小説を書きます。 shindanmaker.com/293935 こういうファンタジーも似合いそうだよね

2015-09-07 17:42:00
よいろっく🚷 @xxxofservice

ところで古城の怪物と迷い人のヒジソウだったら迷い人がヒジゾーさんで古城の怪物がソウちんかな 退屈していて何時でもとって喰えるしと思って世話してたらいつの間にか、ってまた乙女路線! 怪物だとは明かせなくて、そういえばどうしてここにと聞くと怪物を殺すために来た、って言われるヤツ

2015-09-07 18:06:14
よいろっく🚷 @xxxofservice

で、「……わかった」ってヒジゾーさんがナイフを逆手に持ち、ソウちんが目を閉じてその時を待っていると柔らかい感触が唇に、っていう王道乙女チック展開でいこう。 ソウちんはブラウスの前はだけてる感じで。 おなかの上で指組んでる。 「土方さんのこと、食べちゃうかもしれませんよ?」

2015-09-07 18:16:47
よいろっく🚷 @xxxofservice

何かのショックで記憶障害を起こしていて、どこに何をしに来たかを忘れてしまっている。ただ、強い意志を持って成し遂げようとした事があるのだけは覚えている。怪我をして動けない青年を介抱しているのは不思議な空気を纏う少年。古城から出た事が無いという少年に、礼として色々な話をする。

2015-09-07 18:30:35
よいろっく🚷 @xxxofservice

そうしているうちに、いつしか二人は生活を共にし始める。少年の世話のかいもあって青年の具合は順調に良くなっていった。記憶が未だ戻らないのだけが懸念事項だが、そんなことは瑣末だと思える程に少年との日々は楽しく、そして幸せだった。このままずっとここで暮らすのもいい、何度もそう思った。

2015-09-07 18:38:25
よいろっく🚷 @xxxofservice

だが、思い出せ、果たさねばならぬと靄のかかった記憶の最奥から声がする。何処へ向かっていた、何を成そうとしていた。呼びかける声と得体の知れない焦燥感が青年を苛んだ。悪夢にうなされ、少年が心配そうに顔を覗きこんでいることもしばしばだった。柔らかい紫色の髪をすくと荒れた心が凪いでいく。

2015-09-07 18:45:48
よいろっく🚷 @xxxofservice

どこか懐かしい手触り。ずっと触れていたいと思うも指の間からするりと抜けて去ってゆく。ひと房垂らした髪をくるくると巻きながらはにかむ少年。それはさながら人を寄せつけぬ断崖で風に揺れる一輪の花のようで。どれだけ日々を共にしても触れることの出来ない少年に、青年はいつしか夢を見ていた。

2015-09-07 19:30:25
よいろっく🚷 @xxxofservice

幻想。泡沫。玉響の時は終わる。いつか、この記憶が戻った時は己が使命を果たし、ここへ戻ろう。そして少年を連れて、世界を見せてやろう。自分を助け介抱してくれた恩だとか、世話になった礼だとか、上辺の理由ならいくらでもある。だが本当は、もう気付いていた。この少年を、愛してしまったのだと。

2015-09-07 19:39:06
よいろっく🚷 @xxxofservice

清楚な白ブラウスに紅い染み。暗闇の向こうから聞こえるうめき声。決して触れられないその身体。終焉は突然に訪れる。喪ったのは大きな背中。助けたのは小さな手。蘇ったのは、行くあてなどない怒りと悲しみの記憶。渦巻く怨嗟に吐き気がする。そうだ、思い出した。あの人の命を奪った、古城の怪物。

2015-09-07 21:26:36
よいろっく🚷 @xxxofservice

歌が聞こえる。どこかで聞いた、懐かしい旋律。この歌を聞いている時だけは、憎しみが和らぐような気がした。目を覚ますと側には少年がいた。ああ、もうすぐだ。もうすぐお前を連れて行ける。怪物を倒せばきっとこの疼きも治まる。憎しみも癒される。「思い出したんだ」青年は記憶が戻った事を告げた。

2015-09-09 18:53:15
よいろっく🚷 @xxxofservice

瞳を凍りつかせた少年は「そうですか」とだけ言った。怪物の話を聞いたことはないかと尋ねる青年にただ俯くばかり。見れば細い両肩が微かに震えている。しまった、と青年は己の軽率さを悔いた。まだ幼さの残る少年に怪物の話などするものではない。怖がらせるつもりではなかった。その時だった。

2015-09-09 19:03:52
よいろっく🚷 @xxxofservice

ぽそりと呟かれた言葉。無意識だったのだろう。はっと顔を上げるといくらか青ざめた顔で笑ってみせた。「怪物が、憎いですか」少年の問いに当然だと返した。あの人はこの世界にとって必要な人間だった。これから大事を成し遂げる人だった。誰よりも強くて優しい、偉大な人だったのだ。自分とは違って。

2015-09-11 13:00:36
よいろっく🚷 @xxxofservice

……分かっていた。無論かたきはとる。許しはしない。だが、あの時先に行けと送り出す選択をした、自分。後悔と、間に合わなかった……何も出来なかった無力感。そして二度と背を追うことが出来ない喪失感。それらが綯い交ぜになり膿んだ傷のように青年を苛んだ。どこかで思っていた。楽に、なれると。

2015-09-17 08:52:05
よいろっく🚷 @xxxofservice

底なしの闇に沈んでいくかのような感覚。それらを払拭出来るのではないか。茫洋たる大海のような迷いの中から抜け出すことが出来るのではないか。憎しみの炎を燻らせながらも、怪物を殺せば全て清算できるとどこかで思っていた。唾棄すべき存在は自分だ。怪物への憎しみは無力な己への憎しみでもある。

2015-09-17 13:51:50
よいろっく🚷 @xxxofservice

愚かな男と蔑むだろうか、と少年を見やれば目を伏せていた。小さな唇を噛みしめて、何かに耐えているようにも見える。今すぐにでもその手をとって震える肩を抱いてやりたいのに、それすら叶わない。……怪物を、弱い己自身を倒す事が出来たならば、少年の白く華奢な身体に触れる事が許されるだろうか。

2015-09-17 14:12:22
よいろっく🚷 @xxxofservice

色付いた蕾のような唇に、口付ける事が許されるだろうか。と、そこまで考えて青年はゆるゆると首を横に振った。何も為さぬうちに都合のよい未来を夢想するなど、それこそたらればを語るのと同じくらいに無価値で愚かだ。「すまない。お前にそんな顔をさせるつもりではなかった。この話は、忘れてくれ」

2015-09-17 15:05:47