魚介
@iakoyg
や、九月が死んだということは新しい何月やらが生まれているはずだ、はたして何月が生まれたものかと友人たちへ電話を掛けてみるものの皆バクゼンとした語り口で五月やら満月やらどうにも定かでない。葬式を逃せども祝い事を逃す訳にいかぬと女房にせっつかれながらまた小さなダイヤルを回す宵である
2015-10-06 12:47:31
トオル
@to_ru_sc
@iakoyg 「十月、貴様九月とは隣人だったろう。気付きはしなかったのか」「先日長い休みがあったろう、少し出てくると云ってそれきりさ。あんたの方こそどうなんだ八月、親しかったのではなかったのか」
2015-10-06 12:49:33
トオル
@to_ru_sc
「生憎だが八月と名はあるもののおれ自身記憶が遠くてな、果たしておれはお前の知る八月で相違ないのか、かつての八月とはおれのことでいいのか、どうにも確信が持てない。もしかするとおれは未だない八月なのやもしれん」
2015-10-06 12:51:43
魚介
@iakoyg
@to_ru_sc 「話を聞いていると死んだという九月とあの九月の印象がどうにも重ならない」「誰が死んだのだったか」「九月だ」「九月とは誰だったか」
2015-10-06 12:58:17
トオル
@to_ru_sc
@iakoyg 「そもおれたちの知る九月は果たして本物の九月だったのだろうか」「騙りだったというのかい」「こうまでわからないことばかりなのだ、そうであったとしてもおかしくえるまい」「ならばどうして九月は九月と名乗っていたんだ」「そんなこと僕の知ったことぢゃあない」
2015-10-06 13:15:10
トオル
@to_ru_sc
死んだ九月は誰であったのか、記憶の混濁する八月と素知らぬ顔をする十月、疑問を呈しながらもやがて皆の記憶から九月は失せていった。しかしある日今度は十月が死んだ。次は自分だと怯える十一月、そこに死んだはずの九月が再び姿を現して──?
2015-10-06 13:17:44