和歌ドラフト入門編

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さて、昨今じわじわと人気が出ている【和歌ドラフト】だが、今回は、下記のルール説明だけではプレイ感が掴みにくいという人の為に、リプレイを交えながら #和歌ドラフト が持つ戦略性について説明して行こうと思う。リプレイについてはMAD氏（ @madmist）の記事も併せて参照されたい。

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まず、 #和歌ドラフト は以下のルールによって成り立つ。ゲームデザイン上、パックに封入する言葉は五音句が３つ、七音句が４つを奨励している。また、プレイヤーの人数は合計７人の時最もエキサイティングなプレイが楽しめると私は考えている。 twitter.com/ebleco/status/…

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【和歌ドラフト】 ①プレイヤー全員がそれぞれ５文字か７文字の言葉を７枚入れたパックを持ち寄ります。 ②渡されたパックから１枚抜いて隣の人に回す事を７回繰り返します。 ③選んだ７枚のカードから５枚使いどうにかこうにか和歌を作ります。 ④出来上がった和歌を全員で見てゲラゲラ笑います。

2015-10-03 23:20:28

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何故プレイヤーの人数は合計７名である事が望ましいのか？　答えは戦略性が生まれるからだ。 #和歌ドラフト では、パックからカードを抜いて隣に回す事を７回繰り返す。つまり、プレイヤーが７人居る時、自分が収録したパックから『誰も選ばなかったカードが自分の手元に返ってくる』事になるのだ。

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さて、今回はプレイヤーが７人の時のリプレイを紹介しよう。 まず自分が提供するパックの中身を決める。この際に、『最も使いづらいであろう言葉が、自分の手元に返ってくる』事を忘れてはならない。カードの収録から戦いは既に始まっているのだ。私が収録したパックは以下の通りだ。 #和歌ドラフト

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【５音】 空蝉の 活きのいい 本マグロ 【７音】 触れた指先 狂気の沙汰の そして輝く ウルトラソウル 私はメルヴィン寄りのプレイヤーだ。和歌としての美しさや言葉同士のメカニズムを楽しむ傾向にある。今回は汎用性のあるパワーワードとサポートワードを適度に収録した。 #和歌ドラフト

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また、収録する際に下家の動揺を誘う事も忘れない。最終的に自分に返ってくる事も考え、個々で見ても機能する言葉を収録しながら、全体を見た時にインパクトがあるよう、『ウルトラソウル』のサポートである『そして輝く』を。『本マグロ』とシナジーのある『活きのいい』を収録した。 #和歌ドラフト

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シナジーのある言葉を収録しても、損はしない。なぜなら、プレイヤーが７人以上の場合、全てのプレイヤーは同じパックから１枚ずつしかカードをピック出来ないからだ。 手元に『ウルトラソウル』をピックすれば、誰かに『そして輝く』が渡ってしまう。私はこのような戦略性を好む。 #和歌ドラフト

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一手目 【５音】 ケブカガニ ハキリアリ ドブネズミ 【７音】 ニホンオオカミ シロテナガザル アリストテレス 暗黒のバク このパックが初手に回って来たアドバンテージは大きい。クリーチャーを主体にしたコンセプトパックだ。中でも汎用性の高い『ドブネズミ』をピック。 #和歌ドラフト

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二手目 【５音】 たなごころ 頬寄せて 【７音】 雑踏に揺れ 赦しはせぬと 君の悲しみ プロとアマチュア 哀愁のある良いパックだ。『ドブネズミ』とシナジーのある『雑踏に揺れ』を迷わずピックする。スーサイド系やロック系の和歌を目指すなら最良のピックと言えるだろう。 #和歌ドラフト

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三手目 【５音】 夢の後 かもすぞー 爪毟る 【７音】 アンフィスバエナ 赤錆の風 個性的なワードの目立つパックだ。しかも七音が２枚抜かれている。ここは汎用性も高く語感も美しい『夢の後』をピックだ。 『ドブネズミ 雑踏に揺れ 夢の後』理想的なピックが出来ている。 #和歌ドラフト

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四手目 【５音】 ヴァルホーク 【７音】 マジンカイザー スコープドッグ バンシィ・ノルン ……馬鹿な。ここに来てロボ系コンセプトパックだと。いや、まだ大丈夫だ。上の句は完成している。あとは７音が２つあればいいのだ。許容範囲だ。ここは『マジンカイザー』をピック。 #和歌ドラフト

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五手目 【５音】 髭伸びる 【７音】 安かったから もう一つくれ ピックの進んだ後半は苦しい選択を強いられる。最悪の事態も想定してピックを選ばねばなるまい。少なくともあと２つは７音の言葉が無ければ、私は『マジンカイザー』を使わざるを得なくなってしまう。考え時だ。 #和歌ドラフト

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最悪の事態を想定して『安かったから』をピック。 現在の手札は『ドブネズミ 雑踏に揺れ 夢の後 安かったから マジンカイザー』だ。どうにかして和歌全体のイメージを哀愁系のやさぐれた和歌に戻さねばならない。このままではやさぐれて超合金を衝動買いした歌になってしまう。 #和歌ドラフト

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六手目 【５音】 月並みの 【７音】 吐息重ねた いいカードだ。いいカードだが、状況が苦しい、何しろ最後に手に入るカードは私が収録したパックの中から誰も選ばなかったものが戻ってくる。最悪の場合『ウルトラソウル』か『本マグロ』が来てしまう。過去の自分が首を絞める。 #和歌ドラフト

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ここは７音のピック以外にありえない局面だ。『吐息重ねた』をピック。いいカードだ。やさぐれたロック系和歌に盤面の制圧力を加えてくれる理想的なサポートカードだと言える。最悪の場合は下の句を『吐息重ねた ウルトラソウル』にしてステロイド系和歌への回答とする事も可能だ。 #和歌ドラフト

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七手目 『空蝉の』 予想外だ。５音の言葉は今必要無いカードだと思われていたが、この枕詞が残るのであれば話が別だ。『人生』や『世』に掛かるこれは、先程ピックした『吐息重ねた』や『夢の後』とシナジーがある。問題は足りない７音句をどう補うか。さぁ、和歌の構築に入ろう。 #和歌ドラフト

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ピックした手札は ドブネズミ 雑踏に揺れ 夢の後 マジンカイザー 安かったから 吐息重ねた 空蝉の の７枚だ。ほぼシナジーは噛み合っているが、『マジンカイザー』だけがメカニズムが違う。だが７音の層が薄い。魅力的なカードが手に入ったものの、構築の難易度は高い。 #和歌ドラフト

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当初の予定通りに行くのであれば、『ドブネズミ 雑踏に揺れ 夢の後 安かったから 吐息重ねた』だ。やさぐれた空気となけなしの金で女を買う退廃的な一瞬をそれなりの水準で切り取れている。だが、まだ弱い。メカニズムを活かしたい。 最終的に私が採用した和歌は以下の通りだ。 #和歌ドラフト

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空蝉の 吐息重ねた 夢の後 雑踏に揺れ マジンカイザー ……これだ。 まず『空蝉の』を枕詞として『吐息』にかける。退廃的な空気とセクシーな男女関係を匂わせる展開からの『マジンカイザー』。突如現れた『マジンカイザー』に対応するカードは相手のハンドには残っていまい。 #和歌ドラフト

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#和歌ドラフト は戦略的に選んだ手札の中からより完成度の高い和歌を作り、最終的にゲラゲラ笑って楽しむゲームだ。このゲームに明文化された『勝者』は居ないが、この歌そのものが勝利か敗北かと言えば、私はこのゲームに完全に勝利しているだろう。俺は涙を流さない。ロボットだからマシンだから。

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今回は #和歌ドラフト の『戦略性』と『勝利への道筋』に重点をおいてリプレイを執筆した。君たちのエキサイティングなゲームプレイへの材料として貰えるのならば、光栄だ。ちなみに俺は涙を流さないのはマジンカイザーではなくグレートマジンガーだ。 それでは、みんなも良い【和歌ドラフト】を！