茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1630回「時間や空間の隔たりについて」

脳科学者・茂木健一郎さんの10月14日の連続ツイート。 本日は、今朝ふと思ったこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1630回をお届けします。文章はその場で、即興で書いています。本日は、今朝ふと思ったこと。

2015-10-14 06:51:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

さっき、コンビニに歩きながら、ふと思った。ぼくが経験できるのは、この宇宙のせいぜい100年程度の時間のスライスだが、最新の考えによると、この宇宙の年齢は137億年らしい。そのほとんどは、「これまで」も、「これから」も、とにかくぼくにはどうすることもできない。

2015-10-14 06:52:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

確か『生きて死ぬ私』だったか、恐竜時代にも、じりじりとした夏の午後、のような時間があったはずで、そのような「今、ここ」の感じは、ぼくがコンビニに歩く「今、ここ」の感じと同じだったはずだ、みたいなことを書いたが、いずれにせよ、そういう時間の「今、ここ」は、全く自由にならない。

2015-10-14 06:53:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼくたちはcurrent affairsについて、ああだこうだと言っているけれども、存在の本当の驚異は、「今、ここ」がどうしょうもなくずっと積み重なっていて、137億年も続いている(この宇宙だけで)ということの中にあるはずで、それはもう、パスカルが言うようにどうしょうもない。

2015-10-14 06:55:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

先日、宮島に行ったとき、空に星がいっぱいあった。大平貴之さんはメガスターから今度はギガスターを計画しているようだけど、肉眼で見えるのは限られている。星はきれいだな、と思うけれども、とりあえずどうすることもできない。おそらく、旅することもできない。

2015-10-14 06:57:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

われわれがいる銀河、すなわち天の川銀河(銀河系)の大きさは約10万光年で、宇宙全体から見れば小さいが、何しろ、光の速度で動いても10万年かかるわけだから、旅しようとしても、普通の時間スケールでは無理である。相対論的効果を考慮しても、旅している間にヘタすると人類が滅びる。

2015-10-14 06:59:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

空にキラキラと光っている星の中には比較的近いものもあるだろうけど、旅行は現実的ではない。もっとも近いケンタウルス座アルファ星で、4.39光年。まあ、当分行くことはできないだろう。つまり、見上げてキラキラしているな、と思う以外の関わり方は、できない。

2015-10-14 07:01:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

時間にせよ、空間にせよ、絶対に到達、超越できない隔たりに囲まれて生きている、というのは、時々思い出してみると、魂の底がひんやりとするような感触に満ちていて、そんなに悪くない。一方、current affairsは私たちの生に近い関心事だが、ミルクのように濁り、見通しがない。

2015-10-14 07:03:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1630回「時間や空間の隔たりについて」をテーマに、7つのツイートをお届けしました。

2015-10-14 07:04:08