温室本丸つぶやきまとめ:3

140文字で自分設定の本丸の審神者と近侍とかいる刀剣男士のぼややんとしたのを書いた分の自分用まとめ:3 (だいたい140文字小話、たまにつづく、たまに設定など呟きのごっちゃ) ツイート数増えたのでさらに続き。前のはこちら(http://togetter.com/li/834746)(http://togetter.com/li/857067) この本丸の顛末で一本書きたい話があるので練習がてら。 見られる方への注意点: 続きを読む
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こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

「めしあがれ。…といっても、まだ熱いけど」「見りゃあ分かるっての。ぐつぐつ煮立ってたじゃねえか」少女の相貌を苦笑に染めた審神者から付喪神への、感謝と、信仰をこめたその一杯。プレッツェルを添えて、いただきます。

2015-10-30 08:03:14
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

前田藤四郎が持ってきてくれた火鉢からの温度が、山姥切国広の膝枕の体温が、じんわりと温かい。こんなにいたせりつくせりで私の人生本当に大丈夫かなと不安さえ覚えるものの、寒さに身をすり寄せる。「主君、お持ちしました」静かに雪見障子が開いて、短刀のこどもが盆に暖かなココアを持つ。みっつ!

2015-10-30 21:48:46
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

書類仕事を片付けた主は近侍の懐で寝入ってしまい、前田藤四郎は甘やかに大気に溶けていく霊力の放射を感じながら、まだ飲み干せない自分の分を口に含んだ。単に買い置きしていたココアを温めた牛乳で溶かしただけ、しかし、「流石前田くんだ」と、主君が褒めてくれた味。胸に溶け、幸せに降り積もる。

2015-10-30 21:55:22
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

山姥切国広は几帳面に蜜柑を剥いていたが、向かいの鯰尾藤四郎の剥き方に目を止める。一度剥いた分を食べ、こたつの中央に手を伸ばしもう一つ。今度は中央に親指を挿して半分に割ろうとする。手の中で薄皮から汁が漏れ出すのを感じ手を止めた。少年の手の力と自分の握力との差異、又は慣れ、分析する。

2015-11-04 07:21:45
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

お腹いっぱい、審神者ははふりと吐息をこぼし、瞳を蕩けさせる。食べてすぐ寝れば牛になるというのに、昼下がりの暖かな空気に抵抗を失っていた。「お昼寝しようかぁ」昼食を共にした短刀たちに問えば、みな気の抜けた声でふぁい、と思い思いに畳に転がる。薬研藤四郎がタオルケットを各々にかける。

2015-11-04 12:20:13
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

@tkhime_TL 燭台切光忠が随分と切迫した表情で「主が、」と呼んできたものだから、山姥切国広は彼を置いて見張り台を降り、少女の元に帰った。監査が不安定な体を揺らしてその場を辞する、その胸ぐらを何も考えず掴み上げようとして、「切国くん早いね?」普段通りの声に冷静を取り戻す。

2015-11-04 21:32:30
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

@tkhime_TL 開け放たれた障子の境界のすぐ先、締め切られた執務室の主である審神者は、透き通る夏の薄衣に包まれた腕で髪をかきあげながら、山姥切国広を見つめていた。晩夏に関わらず、常と変わらぬ黒服の女は目をしばたかせると、不思議そうにゆったり首を傾かす動作の後に一礼して去る。

2015-11-04 21:41:38
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

@tkhime_TL そういえば燭台切光忠には審神者が結局どうなのかと詳細を聞いていないし、しかし眠さの発作を失ったいつもの主は「差し入れにぷりんどらもらったよ、いっしょに食べよう」と上機嫌だし、状況を把握しきれずに、山姥切国広はどっと疲れた。「ぷりんどら食べよ、ん?」「…ああ」

2015-11-04 21:46:56
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

「主、畑から差し入れだ」ずっしりと果物が詰まった籐の籠だが、刀剣男子の膂力には軽いものだ。骨喰藤四郎がそう言って内番着で蜜柑を持ち込めば、「みかんだ!」と主の少女は無邪気に喜んだ。「ああ。今年のは甘い」「ありがとう!うおお…おしぼりまであるいたせりつくせり……あっ当番おつかれー」

2015-11-05 01:58:20
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

「ビタミン摂って、風邪引かないように気をつけないとなあ」と彼女はのたまうものの、それこそ骨喰藤四郎がこの本丸に来る何年も前から壮健で、冬の井戸に落ちようが病気ひとつなかったという娘だ。審神者は急須に淹れ放しだったろう苦くてぬるそうなお茶と空き湯のみを示し、「お茶してく?」と問う。

2015-11-05 02:02:32
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

机に転がる油性ペンを骨喰藤四郎は手に取り、みかんのひとつに落書きする。「絵心あるのいいな…なに描いた?」「…これだ」掌を翻して、点三つ、∵と描いた成果を見せてくる。「主だ」「私こんな顔してんのかよ」みかんを半分に割りつつ、審神者は同じ表情を晒す。「ちゃんと食べてね」「食べ辛いな」

2015-11-06 11:55:03
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

「これだと私にもできるんじゃあないか」油性ペンを取り返すと、審神者はみかんの皮にとんと先端を充てた。短い縦線をひとつ、座標を離してもうひとつ。骨喰藤四郎に目線を向ける。「見るな」「深淵を覗くとき、深淵もまた此方を覗いているのだ…」「意味が、わからない」「…あっ」少女の小さな悲鳴。

2015-11-06 13:36:49
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

「なぁんか」「うおっ」「いい臭いがすんな、たいしょ」夕食を牛丼にすべく、鍋でことことと煮ていれば、薬研藤四郎の低く甘い声が、ほとんど耳に吹き込まれるように聞こえた。全く気づかなかった。「すまんすまん。驚かせたか」「わりあいね」頭だけ後ろに振り向けば、背伸びして肩越しに鍋を覗く姿。

2015-11-10 14:29:09
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

一昨日に本丸に顕現したての黒髪紫眼の付喪神は、何事も興味津々に見て回っては、見かけ同様の年下のこどもめいて、見かけにそぐわぬ甘やかな声で何かと周囲に聞くことに余念がない。審神者の心臓に悪い。既に視線が鍋の中身を見るから、「牛丼だよ。えっと、これを、ご飯に掛けます」先んじて答えた。

2015-11-10 15:03:49
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

「ぎゅう。牛か。…へえ、牛か」彼は何度か繰り返して、鍋の中で割下の色に染まり、浮き沈む薄い肉を見つめる。場所を開けてやれば背伸びをやめて直に覗きこんだ。「昔は牛は食べなかったんだよね」「らしいな。まあ俺はその時分は刀だからな、よく分からん」「それもそうか。…ああ、そうか」「ん?」

2015-11-10 23:14:02
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

新たなる主たる鉄色の髪の娘は暫くマスクをした口元に人差し指の関節をあてて、思考の様子を見せた。ふむ、と、やがて繊手が箸置きにしていた小皿を取り、鍋の中身の家畜の肉と玉葱を掬って載せた。玉葱は白に醤油が染まった飴色を見せてうつくしく、牛肉は細かな繊維のそれぞれから湯気が立ち上る。

2015-11-11 01:14:47
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

「はい、」かみさま。小さく言った彼女は恭しく小さな皿を捧げ持って、薬研藤四郎の前に差し出した。「供え物ってやつか」「ん。うん、そうかなあ。お口に合えばいいんだけど」「他の奴らの分は残しておいてやろうかね」彼は笑顔を零し、小皿から素手で肉をつまみ上げる。こくり、小さな口が嚥下する。

2015-11-11 01:19:20
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

@tkhime_TL おい、あんた。毎年のハロウィーンの菓子の記録をつけていたノートをしまい、声に振り向けば、山姥切国広が審神者を奇麗なみどりの瞳で見つめていた。一瞬審神者は見とれたが、二度瞬きをして聞き返す。何。あんた、ポッキーの日も黙ってたんだろう。やはり、暫く思考は止まる。

2015-11-11 01:24:45
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

@tkhime_TL バレンタインもだが製菓会社の陰謀だよ、山姥切国広おまえな。視界の端にちらつくなんだか何年ぶりかに見る菓子の箱を目に入れないようにして、箱に触発されて走りだす思考からも目をそらす。だが、これでもやっていたぞ。そのちょいエロっぽい表紙のラノベでか、声には出さず。

2015-11-11 01:29:09
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

@tkhime_TL やって、…………………えーと、うん、ええ。審神者は一瞬口に出して繰り返した言葉に後悔しつつ言葉を濁す。思考が珍しく的を射ているのだ。どうした。私とやる必要はないだろうて。俺はあんたとやりたい。主張、……何故なの切国くん。彼はまるですねたように唇を尖らせた。

2015-11-11 01:33:23
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

@tkhime_TL はじめてのことは、できれば、あんたと一緒がいい、…写しの俺に言われても迷惑かもしれないがな。きっと唇を尖らせていることも気づいていないのだろう、そう推察は一瞬で駆け抜けて、拳をぐっと握りしめてその場に突っ伏した。お、おい、主。ちょっと……まって…もう。くそ。

2015-11-11 01:43:28
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

「切国くん」「何だ」「経費で落とさないからね」「何故だ」「うちの本丸一度やった行事は常態化するだろうが…!」「あるじさまー、まんねんひつをよんほんかってもいいひらしいですよ」「経費で!落ちません!!給料使え!!あとうち通販届くの一月後!!!(言いつつポッキーを今剣の口に差し出す」

2015-11-11 09:31:37
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

山姥切国広にとっての冬の訪れの実感は、厨にふたつみっつと置かれた保温ジャーへの沸騰した湯の補給が、朝と夕方の2回ではなく、昼を含め3回になるのを見かける時だ。昼食の準備で歌仙兼定や手伝いの短刀達が立ち回る中、隅で背の高い図体で薬缶を見つめる御手杵が、「うるさいなぁ」と目を輝かす。

2015-11-11 20:44:45
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

よく言ってマイペース、悪く言えばゆるく雑な三日月宗近は本来この作業に向いていないはずなのだが、固まった低温殺菌牛乳にとんとん切り込みを入れてゆく様は楽しそうで、蜂須賀虎徹はやわらかなかんばせを苦笑の形にして、溜息をつく他にはない。主についての確執は消えていない。だが本丸の仲間だ。

2015-11-13 01:25:55
こさと(だいたい三味線) @cradleofraimu

「3時間…」すっ、と体から何かが抜け落ちてゆく。久し振りの感覚。審神者に力を貸す神々の分霊がまた来たらんとする兆しだった。「大丈夫か、主」彼女の発した言霊に、山姥切国広は主の身を案じた。三日月宗近の降臨に娘のなけなしの霊力が搾り取られ、復調に長らく掛かった記憶は、未だ色褪せない。

2015-11-13 21:05:34
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