Flying Zebraさん(@f_zebra)による、消費税について

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消費税について勉強しようと、各国の間接税や軽減税率の導入に必要なインボイスについて資料を漁っていたら、租税資料館が表彰している論文の2009年の入賞作品がとても参考になったので紹介したい。　sozeishiryokan.or.jp/award/018/017.…

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鈴木薫さんという富士大学大学院の院生（当時）による修士論文で、日本で消費税が導入されるまでの経緯やEUにおける付加価値税導入の経緯、インボイス方式について詳しく説明されている。100ページ以上と分量があるがよく纏まっていて読みやすい。sozeishiryokan.or.jp/award/z_pdf/ro…

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間接税は所得に対する逆進性、つまり所得の多い人ほど割合としての税負担が軽くなることが常に問題となる。それでも多くの国で間接税が採用されているのは所得に対する課税である直接税ではどうしても取っぱぐれが防げないことと、間接税が世代間の公平の確保に資するという面がある。

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年金しか所得のないリタイア世代にとって、直接税の負担は多くの場合微々たるものだ。ところが間接税は全ての世代に課税されるため、この世代は特に間接税への抵抗が強い。自分たちが現役の頃はなかった消費税をリタイアした今になって払わされることに不公平感を持つ人も多いのだろう。

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リタイア世代のほとんどの人は自分たちさえ良ければ後の世代がどうなろうが知ったことではないなどとは考えておらず、子や孫やその先の世代の幸せを心から願っていると思う。ところが人間の感情というのはそれほど合理的ではなく、自分の主張と願いの矛盾にはなかなか気付かないものだ。

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我が国では世界に例を見ないスピードで少子高齢化が進行してしまった。数十年後には中国で更に厳しい状況が見られるのだろうが、今のところ先行例はない。しかし今のままの直接税中心の税制では立ち行かなくなることは明らかで、いずれ間接税の増税は避けられない。

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増税はいつの時代も不人気で、確実に景気の腰を折るのも事実だ。とは言え、高度経済成長期のように放っておいても勝手に税収が増えるようなことは現実的にもはや期待できない。今の痛みを避けるために後の世代により大きな痛みを先送りするようなことをいつまでも続けるわけにはいかない。

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将来の世代のことを真剣に考えるのであれば、目先のことに反発するだけではなく、どうすればより良くなるのか、合理性と実現可能性を備えた対案まで考えておかないと責任を果たしたことにはならないだろう。何度も言うが、私たちの直感というのは割といいかげんなのだ。