祝 飯舘村 山津見神社のオオカミ天井絵復元プロジェクトの完成(1期100枚分)

飯舘村の虎捕山に鎮座する山津見神社。その拝殿に飾られる眷属絵画の100枚が完成披露されました。
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山津見神社の火災と再建

飯舘村の山津見神社は、2013年4月1日の火災で拝殿と宮司宅が焼失しました。
拝殿の天井を飾っていたのが、山の神の使いであるオオカミの生態を生き生きと描いた237枚の板絵でした。
拝殿の再建にあわせて、天井絵の復元プロジェクトも進められました。

リンク yamatsumi-jinja.tumblr.com 山津見神社オオカミ天井絵復元プロジェクト 東京藝術大学保存修復日本画研究室が取り組む、福島県飯館村にある山津見神社のオオカミ天井絵復元プロジェクトに関するブログです。
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さて晩酌。今宵は、先週の「ふくしま大交流フェア」で買ってきた、福島県飯舘村のどぶろく「白狼(はくろう)」をば。 pic.twitter.com/Xt4jcAzfUZ

2015-10-24 23:36:43
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辛口の「どぶちぇ」と共に毎年買っているのだが、滅多に手に入らないお酒だけに、暫く寝かせようかと思った。しかし今日は特別な日。祝い酒として封を開けることにした…。

2015-10-24 23:36:46
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何のお祝いかというと…。ご存じの方もおられよう。飯舘村の虎捕山に鎮座する山津見神社。その拝殿に飾られる眷属絵画の100枚が完成披露されたのだ。オオカミ天上絵復元プロジェクトの完成記念フォーラムが行われた場所は東京藝術大学の中央棟。 pic.twitter.com/AIrNEDKcqb

2015-10-24 23:38:28
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会場となった第三講義室には関係者や報道も含め約60人が集まった。 pic.twitter.com/VkNwU9GdYK

2015-10-24 23:38:59
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焼失前、私は好んでこの絵を眺めていた。 pic.twitter.com/sMuu7hliZE

2015-10-24 23:41:31
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藝大のA准教授、和歌山大のK教授、山津見神社氏子総代のKさん、同じく和歌山大のSさん。今回の復元プロジェクトで多大なお力添えを頂いた方々だ。 pic.twitter.com/YLNokHZUUn

2015-10-24 23:42:34
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因みに、和歌山大のSさんはオーストラリアのタスマニア島に住んでいたことがあり、タスマニアタイガーが絶滅したことを悲しんでいたという。彼が拝殿焼失前に撮った記録写真が、今回の復元プロジェクトに繋がった訳だが、山津見神社が“虎捕山”でに鎮座しているというのは不思議な縁に思われる。

2015-10-24 23:44:06
K @Kan_G

尚、藝大のA准教授は、琉球王朝の掛け軸の復元にも取り組んでおられるそうだ。原発事故以降から感じていたことなのだが、福島と沖縄には共通点があるように思う…。

2015-10-24 23:44:44
K @Kan_G

天上眷属絵画が復元されるという話を聞いた時は、正直なところ眉をしかめた。模造品を作るよりも、飯舘村民や子供達、或いは全国の山を愛する人たちに描いてもらった方が、将来的に良いのではないかと考えていたからだ。しかし今日のお話を聞いてひとつ納得したことがある。

2015-10-24 23:46:50
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今回の復元作業は、模写ではなく臨写という手法によってなされている。模写とは、コピー機で複写するように本物を忠実に再現すること。これに対して臨写は、本物(写真)を参考にしながらも、昔の描き手の筆使いを習得し、その精神性をも鑑みて描く手法である。

2015-10-24 23:48:33
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藝大のA准教授は「体でコピーする」という言葉を使っておられた。

2015-10-24 23:48:44
K @Kan_G

焼失してしまった絵画の雰囲気を再現するのであれば、残された記録写真を板木に印刷すれば良い。だが、それでは単なるコピー品でしかない(写真をトレースすることも同じ)。地域信仰においては、実際に描くという行為を継承することがとても重要だとA准教授を仰る。

2015-10-25 00:00:19
K @Kan_G

私は、これら復元された絵はアーティストの作品ではなく、“奉納品”であるという位置づけに感銘した。その証として絵の背面には、これまでの寄進者の通例に倣い、制作者の名が記されている。 pic.twitter.com/1xIhhvh2qX

2015-10-25 00:01:02
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今回復元された絵は、オリジナルとは多少違う。例えば、狼の毛の本数などは実際とは異なるそうだ。これも新たな奉納品であることの証左。 pic.twitter.com/GlJnLhmNH9

2015-10-25 00:05:42
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フォーラムの最後に質疑応答があった。福島出身で、飯舘村は遊び場だったというテレ朝の方や日本オオカミ教会の方、舞踏家の方など何人か質問した中で、私は藝大の音楽学部でヴァイオリンを教えているという方の言葉が印象に残った。

2015-10-25 00:12:45
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「クラシックでは楽譜を忠実に演奏する(再現する)ことが重要課題です。ですがA准教授は、学生に自由に描きなさいとご指導なさったのだとか。羨ましく、とても素晴らしいことだと思いました」と…。

2015-10-25 00:18:56
K @Kan_G

藝大の大学院生らによって完成された今回の100枚。最高学府の学生の優秀さに改めて感心した。他人の描き方を習得するなんてそう容易くできるものではないだろう(他人の文章を真似て書くのが難しいのと同じ)。皆さんどうもありがとう。ご苦労様でした。

2015-10-25 00:40:10
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これを機会に、天上に飾られた自分の絵を観に、いつの日かまた山津見神社に参詣することを強く望む…。

2015-10-25 00:40:38
K @Kan_G

補足。山津見神社の禰宜だったKさんもいらしてた。同社創建史上、最も多難な時期を踏ん張ったお方である。たくさんの方々に囲まれていたこともあり、私はお声がけは控えさせて頂いた。Kさん、今回は本当に良かったですね!

2015-10-25 00:41:26
K @Kan_G

今回完成した眷属絵画(オオカミ天井絵)は、福島県立美術館にて企画展示されることになったらしい。開催期間は来年5月28日〜7月3日。ご興味のある方は是非!

2015-10-25 00:45:16

復元プロジェクト 今後の予定

今回完成したのは、第1期の100枚分です。
残りの137枚は第2期分として28年度中の完成を目指しています。

小川唯史 @ogawa_tadashi

山津見神社のオオカミ天井絵は、約240枚のうち100枚が完成。 pic.twitter.com/DS7X9HWD8x

2015-10-24 18:31:02
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