2011-01 Twitter 140字で作文(BL仕様)
朝六時、おはよが並んだ。『挨拶TL?徹夜だ!爆発しろ』botに呟いたら@がきた。『@普段愚痴らないよね、おk?』失敗した。TLは丸見えだし、皆も働いているのだ。『@疲れてたwありー』温かい@に目が覚めてリプ完。寝てないけどいいか。私は珈琲を飲み、おはよと呟いた。また一日が始まる。
2011-01-07 02:50:06寝落ちした…。俺が起き上がると同時にマカロンが転がり落ちた。彼の好物だ。『朝のソファは、できれば僕と一緒に。先に行く』すれ違い生活でも彼はメモをかかさない。俺はマカロンを頬張りメールを打った。『マカロン食べた俺、今夜どう?好きだろ?』菓子は、気持ちも甘くする。少なくとも俺はね。
2011-01-08 04:50:37静かな冬の早朝に響く足音。僕が窓から顔を出すと、丁度彼が帰ってきた。「よく俺だって分かったな。犬みたいだ」眩しい笑顔に僕の胸がときめく。急いで玄関を出て踏んだ氷に足下を掬われた。「行動まで犬だな」「わんわん!」犬で結構。僕は勢いよく彼の胸に飛び込んだ。「ご主人様大好き!」ちゅっ。
2011-01-09 03:21:57昼でも冷える。冬のせいだけじゃない。彼が女子に告白されたと噂を聞いたからだ。「浮かない顔してどうした?昼のこたつもいいぞ」強引に手を引かれ、彼の膝の上に抱え込まれた。「断ったから安心しろ。なんなら杭打っとくか?」彼に腰を押付けられた。一気に体温が上がったはずなのに僕の体は震えた。
2011-01-10 03:34:55「少しだけな。内緒だぞ」夜の病院で僕達はお菓子を貪り食べた。「うん。どきどきするね」秘密を共有すると不思議な連帯感が生まれる。「お互いはやく病気治そうな」「そうだね。あ、これ美味しい!」苦しい場面でも楽しみを忘れずに僕達は生きている。暗い病室でお互いの笑顔がきらりと輝いた。
2011-01-11 04:21:15携帯が鳴った。彼からだ。のんびり話そうと思い、俺は携帯片手に湯船に浸かった。「外からか?声が寒そうだな」「そっちこそ、風呂場で全裸でしょ?声響いてる」深夜の浴室。窓の外を覗くと、見慣れたマフラーが見えた。「こいよ。一緒に温まろう」今夜は寒くて、温かい夜。
2011-01-14 03:31:17夕方の屋上。本を片手に彼と僕は二人きり。『「お仕置きだ」彼の声が低く響くと…』「ねぇ、僕達は小説ほど起承転結ないよね?」「ぷっ。確かに。なんならお仕置きしてみる?」「じゃあ、悪戯しなくちゃね…」僕達は幸せでいよう。二人寄り添うと、夕日が蜜のように甘く輝いた。
2011-01-15 04:54:12男同士でも旅先だと少しだけ大胆になれる。僕らは早朝の海辺を手を繋ぎ散歩した。浜辺にちらほらいるカップルは皆それぞれの世界に浸っている。まったりとした空間が心地よい。「秘密ってより、秘蜜か?」「なにそれやらしいよ」愛し合うという括りでは、僕らもこの世界の住人だ。みんな大好き。
2011-01-16 03:35:37僕の看病もむなしく担当の動物が息を引き取った。寿命ならば仕方が無いと言い聞かせ自分をなぐさめた。「送り出すのも俺らの仕事なんだからな。ほら来いよ」止まった足音に振り返ると彼がいた。僕は涙でぐしゃぐしゃのまま構わず彼に抱きつくと、深夜の動物園に僕の鳴き声だけが響いた。
2011-01-17 03:49:20余裕のある足音がこちらに向かってきた。「ご注文は?」今日こそ告白したい。俺が朝のカフェに通い詰めて半年が経った。彼が毎日触れる珈琲カップにすら嫉妬する毎日だ。「そ、それ!」「ぷっ。ご指名ですか?はいどうぞ」置かれた伝票には彼の携帯No.が書かれていた。俺は直ぐにお会計!と叫んだ。
2011-01-18 03:47:31「僕だけじゃないくせに!」昼の教室で、俺は彼と喧嘩した。「俺のこと優しさのバーゲンって言いやがった!おまえだけだっていいかげん分かれよ!」言い放った瞬間彼が俺に抱きつき、教室が静まり返った。「嬉しい…」彼が涙ながらに言葉を漏らすと、教室は拍手で溢れ返った。
2011-01-19 03:57:41早朝の路地裏でバーから出た彼がしきりに地面を見ていた。「眼鏡、無いな…」「眼鏡なら机の上です。店で休んだらどうです?」僕は嘘をついた。眼鏡なら彼の頭の上にある。かわいい人だ。店に入ったらそっと眼鏡を取って、机に置こう。きっと彼は笑顔でありがとうって言う。僕には分かるんだ。
2011-01-20 03:53:03