讃美と淫靡

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「(……あぁ、そうだぁ)」 帰路へと向かう足取りを別の方向に向ける。 「(まちあわせしてたのわすれてたぁ)」 すっぽかすわけには行かないと。目的地へと歩調を速めた。 「(のりものはぁ……どこかでちょうたつしましょうかねぇ)」 #性向会

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@GCillyou それでは別枠で、ズーイー様、エルピスの模擬戦導入RPを掲載させていただきます。 #GC模擬戦

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@GCillyou 表通りに光が射せば。裏通りには闇が落ちる。 賑やかな喧騒。笑い合う声。聞けば聞くほど魅力的だけれど。 自分には、やはり。 殺風景で静まり返った。影の最中がよく似合う。 ｢……ふぅ、こんなものですかね｣ ジメジメとした路地を抜けて。フラりと入った宿屋の一室。→

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@GCillyou 自分なりのベッドメイキングを一段落させ、最終確認だと部屋を一瞥する。 壁一面に貼られた卑猥なポスター。床一杯に敷き詰められた淫乱なエロ本。 寝床のシーツは絡み合う百合物に。枕カバーは張り感のあるおっぱい柄に。→

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@GCillyou おまけとばかりに添えられた等身大クッションにはもちろん。 誘うような上目使いで頬を赤らめる女の子。 ｢あぁ、我ながら素晴らしいリフォームです。所々ガタのきている安宿が瞬く間に桃源郷の装いです｣ あまりの出来映えに身悶えして体を揺らす。→

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@GCillyou 下半身が擦れて淫らな気持ちになりそうになる。 ｢おっと、危ない｣ 快楽に溺れる前に寸止めをして。 これでこの宿全ての部屋を色欲レイアウトにしたなと。 布教っぷりを振り返り自画自賛する。 ｢……さて｣ 堪能したなら。終わったのなら早々に退散しよう。→

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@GCillyou 本当はもっと長居したいが、今日は生憎待ち合わせをしている。事前に打ち合わせていた合流地点に向かわないと。 きらきらと輝いて見える一面のエロスに背を向けて。廊下へと出る扉に手をかける。不意に落とした床の片隅に白くて長い髪の毛を見つける。→

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@GCillyou いつもであれば気に止めることなどないのだが、それがなぜだか引っかかった。屈んで掴み取り目の前でひらひらする。見たことあるようなないような。 鼻先に持ってきて匂いを嗅ぐ。甘いような香ばしいような。とにかくそんな。どっちつかずの中に混じった。染みついた海の香り。→

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@GCillyou 「……ここにいるのはあの方でしたか」 間違いない。 この髪の持ち主は。いつぞやか布教の一環で侵入した部屋で眠ていた白髪で褐色の肌の誰か。 この部屋に宿泊しているのは。男性とも女性とも取れる容姿を持つ誰か。 名前は、確か……。 「稀有な巡り合わせですね」→

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@GCillyou ふふふと一度笑みを溢して。 「健康的で。活発的で。よく焼けた艶やかな肌。あぁ、想像しただけでゾクゾクする。あの褐色の肌には、白く。濁った。熱い熱い体液がよく映える」 あの日感じた情念を体の内から滾らせる。 自然と右手が下へと伸びる。→

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@GCillyou 寸前まで来て、おっと。 珍しく理性を利かせて引っ込める。 先ほども確認したが、今日は人と待ち合わせをしている。こんな所でグズグズしていられない。 湧き上がる性欲をグッと堪えて、扉を開けて廊下へ出る。 侵入した時は裏通りからだったが、今度は堂々と。→

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@GCillyou 宿泊客に変身して、二階から一階への階段を降りていく。 途中。人とすれ違う。白髪で褐色の肌で。男性とも女性とも取れる人物。 どうやら先ほどまでいた部屋の主が帰ってきたようだった。 あぁ、やはり穢したくなるほど魅力的な方です。 口には出さずに小さく会釈する。→

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@GCillyou そのまま振り返らず。宿屋の正面玄関から大通りへと出ていく。 しばらく歩いてチラと後ろを伺う。階段ですれ違ったはずの人物が、丁度出てくる所であった。 もう少し歩いて路地へと曲がる。 間を置いて白い髪を持つ誰かが路地へと曲がる。→

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@GCillyou ……まさか、気づかれた？ 一瞬の疑問がよぎったが。まだボロを出すタイミングではない。 幸い目的地まではまだ距離がある。 様子を観察して、こちらの勘違いならそれでいいし。 あちらの勘が鋭ければ、どこかで撒いて逃げればいい。→

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@GCillyou 「さて、アナタは一体どちらでしょうね？」 なぜだか楽しそうに言葉をもらし。引き続き相手を観察する。 この後の展開に興奮するように。 この後の結末を待ち焦がれるように。

アンカ @GCillyou

@xP__Px 扉を開けて、閉めた。 →

アンカ @GCillyou

@xP__Px 宿の部屋がおかしい。 なにがおかしいって何もかもがおかしい。 敷き詰められたエロ本、枕元に妙なこだわりと芸術性を持って昇天ペガサスMixに盛られた玩具。あられもない姿で絡み合うシーツの絵柄。リアルなおっぱい枕。 頭を抱えてア"ィエ"エ"エ"などと奇声を発する。 →

アンカ @GCillyou

@xP__Px あまりにも現実を受け入れられない頭がショートして回答を弾き出す。 そうだ、きっと宿が違う。 道も場所も親父もどう考えてもここが拠点の宿だがだって部屋が違う。ピンクキャンペーンなんて聞いてない。あと上からぎしぎし音がする。こわい。 急ぎ踵を返して飛び出す。→

アンカ @GCillyou

@xP__Px あてはあった。雑踏の中にその背を見つける。 先ほどすれ違い会釈した人。ゆっくり、どこかそそくさと出て行った人。よくすれ違うので記憶にあった。あの人もまたズーイーに見覚えがあるようだ。つまり間違いなく同じ宿の客。 後を追う。 きっと宿を知っていると信じて。→

アンカ @GCillyou

@xP__Px もちろんためらいもあった。違うかもしれない。ほんとうにあれがズーイーとあの人の泊まっている宿かもしれない。ピンクだけど。わからない。心細さがあった。だから足取りは忍び気配を絶つよう心がけて、尾ける。 蜘蛛の糸を探す罪人、あるいは親を追う雛のように、追尾を開始した。

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@GCillyou ……殺気は、ない。しかし尾行されている気配はある。 果たしてこれは何か意図があってのものか。 はたまた誰かと見間違いしているのか。 考えながら次の角を右に曲がる。 相手も同じく右に曲がる。 どうしたものかと左に曲がる。 相手も変わらず左に曲がる。→

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@GCillyou うーん。 まるですがるようにぴったりくっついてくる人物の考えが解らず頭を抱える。 思考を巡らせば巡らすほどややこしくなる事柄に頭痛を覚える。 ……仕方ありませんね。 こういう時は一番簡単な方法を取るに限る。 かと言って別人になって行方を眩ませるのは芸がない。→

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@GCillyou 十字路を曲がって待ち伏せするにも。それが狙いだったとしたらこちらがやられる。 確かこの先に廃れた墓地がありましたね。 進行方向は少し逸れて。 目的地には後で向かうとして、一先ず。 なるべく人気のない場所で。 どう動かれても対応できる場所で。→

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@GCillyou 相手の意図を。 考えを。 探ることにした。

アンカ @GCillyou

@xP__Px まずいな。 直感する。 人気がない道へ道へと進んでいる。どう考えても宿がなさそうな方へ。 まずいー次第に靴音が減るー これは、まずいパターンだ。ーついにはなくなるー かといって引き返せない。 …こういうのを何と言うか知っている。 廃れた墓地が、現れる。 →