『スペース•キャンサー物語』第五章『神話の闘い、ただしカニ込みで』編

魔法瓶@27歳ぽっちゃり喪女💦🍑 @ushijimaou

『スペース•キャンサー物語』 第五章『神話の闘い、ただしカニ込みで』編 前回のあらすじ 数々の武勲を認められ、ドラゴンの大貴族『ヌマチ家』に弟として迎えられたカニの200番ことカルキノスは、その後兄ヒドラと仲良く生活を送っていった。 ①へ続く

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① あれからワイは当主に、父上に言われたように兄貴の努力のため、兄貴に忠義、否…兄弟愛を示すために身体を鍛えた。 ②へ

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② ボクシング、バリトゥード、フェンシング、空手、魔術は白魔術と黒魔術の両方を…休憩の合間には、甲羅を硬めるためのエナジードリンクを飲んだ。 殻の硬さも、筋力、胆力もメキメキ上がった。甲羅の幅も20cmくらいになり大きくたくましくなった。 ③へ

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③ ワイは鋼鉄の身体を手に入れた。あと何故かヒドラ兄貴はワイの関西弁が移ってもうてたけどな。 そんなある日のこと… ④へ

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④ 門番があわててワイら兄弟の部屋に駆け込んできた。 門番は言うた、決闘を申し込む、その書状を渡してくれとのことだった。 ⑤へ

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⑤ 「決闘の権利」…三界人のうち何れも平等に持つ権利の一つ。人種的、職業的、種族的な総ての制約がなく、決闘のみにおいて、神が人に挑むことも、逆もしかり、悪魔が神に挑む、その逆もしかり、天使が人や悪魔に挑もうとも可能。 ⑥へ

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⑥ 命のやり取りは双方のその扱いにおいて平等が保証される権利に基づく…史上最低と云われながらも、未だ廃止されていない死神の法律！ ⑦へ

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⑦ 法理上、決闘を申し込まれた者はその権利を拒否する権利は認められていたが、当時の三界のマスコミ/世論は…その拒否の権利の行使は格好悪い、不名誉な行為という見方をしていた。 ⑧へ

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⑧ 故に名門と呼ばれる一族はこの法律から逃れられることは実質不可能に等しく、「決闘受けたら必ず受けるべき法」とも呼ばれていた。 ⑨へ

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⑨ 「…以下の決闘の権利に基づき、天界オリンポス連合会所属•市民兵ーヘラクレス•マケドニウスはここに決闘を申し込む！マラトンの丘にて待つ…」 「こんなん…オリンポスからの刺客なんは明らかじゃないですか！」 「…」 「ヒドラ兄貴…！」 ⑩へ

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⑩ 「暗殺が堂々殺しにきたことに変わっただけ…決闘拒否に対する世論の納得を得れます…兄さんなら！」 「それでも兄さんが出ると言うなら、このカルキノスめを…！」 「ならん！」 「！」 「それは…絶対にならんっ！」 「兄貴…」 ⑪へ

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⑪ 「お前は部屋に戻っとれ、ワイが行ったるわ！これはワイが受けた勝負や！これはヌマチ家次期当主たるこのワイにな…！」 「兄さん…」 「相手も覚悟の上で出されとる、ワイの相手の苗字をみてみい…ゼウスのと同じやで」 「！」 ⑫へ

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⑫ 「ヌマチの当主の一番の政敵の息子、あのヘラクレスとやら腕がかなり立つそうだ。それに…ワイもあの金剛石のように磨き抜かれた肉体を倒しとうなってきてん」 ⑬へ

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⑬ 「すぐ終わらせて、また一緒チェスしよや…」 「にい…ざん…」 「ホラ、名門一家の次男坊あろうモンが泣かんと…！ほな、行ってくるわ！」 兄貴は、完全に関西弁やった…。 ⑭へ続く

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⑭ ーマラトンの丘ー 「来たか…！」 「おう、ゼウスのボンボン」 「遅かったではないか、躊躇いがあったのか？」 「そんなんは俺が長男となった時からとうの昔に捨てとんねん…丘の上じゃ盛り上がりが俺的に冷める…水辺なら本気出せるからお前とそこで勝負しとうて迷っとったんじゃ」 ⑮へ

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⑮ 「はっ…冗談は気休めにもならんぞ？」 「お前、東京弁ムリに使っとるやろ？自分ホンマは端っこの田舎生まれなんちゃう？」 「半人半神…プライド高いピュア神のお前の父ちゃん、お前の生まれを喜ぶ反面、田舎にお母ちゃんと追いやったんちゃうの？」 「なあ神のボンボン、教えてえや？」 ⑯へ

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⑯ 「ワシはのう、神のボンボン言われるのがいっ…ちばん大嫌いなんじゃ」 「小さい時分にさんざんそれでからかわれたけぇのおっ…！」 最初の攻撃はそうやってヘラクレスの方から仕掛けられた。ヒドラはすかさず前足の羽を広げ斬りつけを防いだ。闘いの火ぶたは切られた。 ⑰へ

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⑰ 「兄貴…！頼む、頼む！無事でいてくれ！頼む…！」 ワイは決闘が始まったその頃、決闘場になるマラトンの丘へ横歩きならぬ横走りで向かっていた。 続く。 次回、最終章 『双鋏の魔蟹帝 スペースキャンサー』編