- Eric_Ridel
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きょう1/15付朝日新聞の38面(社会2面)に先日の「ニューズウィーク」誌横田孝記者の指摘した「過度の現場取材信仰」の例あり。なぜ国土交通大臣が交代したら群馬県八ツ場ダムの地元民の感想が紙面化されるのか?
2011-01-15 16:13:52国土交通省が担当する政策は八ツ場ダムだけどころか、もっと広範だ。海上保安庁はそうじゃなかったっけ?新幹線は?都市交通は?「現場で取材すること」が自己目的化するとこうなる。読者はこういう広範な政策がどうなるのか知りたいのじゃないか?
2011-01-15 16:16:27こういう「無益な現場取材記事」は「支局があるから取材に行ってもらう」「うちの支局からもぜひ出稿を」「政治部が政策を書くからわが社会部は現場で国民の声を」というようなセクショナリズム、組織割の利害から発想されている。
2011-01-15 16:22:18どうせ意味のない内閣改造なのだから、今回の改造は「意味が無い」ことがニュースのメインテーマなのだ。それを「社会面」(社会部)「政治面」(政治部)「一面」(合作だが出稿は記事別で部別)というずっと硬直した「組織割り」「紙面割り」で分断してしまうのから、こうならざるをえない。
2011-01-15 16:24:25おそらく現場の記者もデスクもクラブのキャップも部長も、「ずっとそうしてきているのに、何が悪いの?」ときょとんとするだろう。ここにあるのは「部」「クラブ」「面」という組織とメディアの構造から現実を分類する発想であり、現実を「イッシュー」から分類する発想とは真逆だ。
2011-01-15 16:25:46こうした「国土交通大臣が交代した→八ツ場ダム地元の取材」という定型化した発想は、前回話した「カレンダー式報道」と大差がない。前例踏襲、繰り返し、陳腐化、惰性、冗漫、飽き飽き、自己改革の欠如、製品改善の意志がない、などの言葉が浮かぶ。
2011-01-15 16:29:101/13はカレンダー式報道が朝刊ひとつに3つ掲載され、1/15には内閣改造という国の一大事にはこんな定型化、硬直化した記事しか掲載されない。これを紙面の劣化と言わずして何と呼ぶのだ。
2011-01-15 16:30:59「国土交通大臣が交代した→八ツ場ダム地元の取材」「阪神大震災から16年経った記念日には犠牲者の家族の物語」という発想は、なんら読者の発想を超えるものがない。プロのつくるものにしては、「読み手が思いつかないものを製品にして届ける」というプロフェッショナリズムがない。
2011-01-15 16:33:56拙著「朝日ともあろうものが。」にも書いたけど、プロの書き手がプロを事自称できるのは、ノンプロには思いつかない発想、事実、視点、文体、物語を提示できるからプロとしてお金をいただくことができるのだ。ここがプロとノンプロの境界なのだ。
2011-01-15 16:35:26だから、ここ数日の朝日新聞の紙面を見ると「プロの記者がつくったとは思えない」と正直言って思う。それは現場記者だけではなく、私と同年代のデスク、支局長、部長もそういう「劣化の渦」の中にいるのだろう。
2011-01-15 16:36:49西原理恵子さんと亡くなった旦那さん(知り合いだった)の夫婦の物語映画って「まいにち母さん」と「酔いが覚めたらおうちに帰ろう」とバッティングしたのね!!笑 http://movie.walkerplus.com/mv46696/
2011-01-15 16:41:20もちろん、朝日の紙面だけが劣化しているわけではなく、読売だって毎日だって産経だって日経だって大差はないのだが「以下同文」で片付けうるほどその発想は近似している。なので「垂直劣化」(朝日の社内)だけでなく「水平劣化」(各社凡庸で近似している劣化)もいま起きている。
2011-01-15 16:43:45「まいにち母さん」=小泉今日子&永瀬正敏 vs「酔いが覚めたらおうちに帰ろう」=永作博美&浅野忠信 の対決というわけですね! 片や離婚した元夫婦の共演。でも永作&浅野もいいなあ。しかし観客層はまったく完全に重なるなあ。笑 これは見比べてみなければ。
2011-01-15 16:47:48私は実際にそう言われた。ぼくもそうだなあと思った。だって社員の利益より読者の利益の方が優先するに決まっているもんね。「叱られて辞めるなら今すぐ辞めろ!お前が辞めて紙面が向上するんだったら読者にはそのほうがいいんだ!」
2011-01-15 17:16:10