クリメント北原史門のロシア訪問記（2015年）

涼月（Κλήμης） @suzutuki1980

１９）で、以前にも書きましたが、この席での何回目かの乾杯の時に、ロシア人神父様のお一人が「日本のインペラートル（天皇）に乾杯！」と仰って下さったわけですね。「祈禱文の中で『インペラートル』の語が使われているのは多分今では世界で日本の正教会だけだろう」という話も三人でしてました。続

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２０）余談ですが、日本正教会とは別組織である、ロシア正教会の出張所たる駐日ポドヴォリエ sam.hi-ho.ne.jp/podvorie/ では、毎回の奉神礼での聯禱（れんとう）や万寿詞（ばんじゅし）といった祈りの中で、「日本のインペラートルのため」と教会スラヴ語で祈っています。続

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２１）これも余談ですが、日本正教会でも日本語で「我が国の天皇および国を司る者の為」に祈って居ます togetter.com/li/883937 。続

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２２）修道神父様との昼食を終えて、カミさんの実家へ。4年ぶりの御無沙汰をお詫びしたのですが、涙ながらまでの大歓迎を受けて大恐縮。夕食を御馳走になりました。お二人の修道神父様は義姉と友人ですが、そのうちお一人も御同席。さすがにロシア人は皆お酒が強いですね…。続

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２３）翌朝も朝の聖体礼儀へ。大修道院では毎朝2～3回、聖体礼儀が行われています（大きなお祭りとかになるとこれが4回とかになります）。正教会でも、人員・物品が余裕あれば、毎日聖体礼儀を行えます。その後、ホテルで朝食。朝食はバイキング形式で提供されています。これは日本と同じですね。続

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２４）この日の昼には、既に灰色の大便がシャワー状になって下痢しており、相当体調を崩しては居たのですが（後日日本で胃カメラ飲んで精密検査しましたが、食道炎程度で、大事はありませんでした）、昼寝して体を休めた後、晩祷に出ました。翌朝金曜日の聖体礼儀に陪禱させて頂くためです。続

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２５）聖体礼儀に陪禱（司祭として祈禱に立つこと）し、領聖（ハリストスの尊体と尊血になったパンと葡萄酒を頂くこと）するには、前晩の晩祷への参祷は不可欠だからです。全部通して陪禱した訳ではありませんが、早課の多油祭（ポリエレイ）には、祭服を借りて陪禱させて頂きました。続

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２６）この時御一緒に参祷していらした、60歳前後の修道士とお話したのですが、別の仕事をしていたのを辞めて修道士になられたとの事。私が日本人と分かると、ある程度雑談してから、向こうから北方領土の話を振って来られたので、驚きました。ロシア人からその話を振られた事は皆無だったので。続

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２７）この連続書込では、具体的にその方がどう仰ったか詳細は避けますが、中々興味深い見解を聞けました。一つ言えるのは一般論として、ロシア人は日本人が考えて居るより日本に対して畏敬の念を持っており、そしてそれは国防上は「脅威と看做す」に繋がっているということです。続

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２８）米国に留学経験があり、訪ソ経験のある日本人の高齢ベテラン神父様が仰っていましたが、「アメリカ人はやはり日本を馬鹿にしてる所がありますね。やはり戦勝国ですから。ロシア人が日本人を少し尊敬している所があるのは、日露戦争では日本が勝ったからでしょう。」と。続

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２９）この沢山お話した方は、大変気さくな修道士でいらっしゃり、写真撮影にも快く応じて下さいました。他にも沢山の修道司祭・修道輔祭様がたから、「どこから来たか」「日本には正教会の信者と聖堂はどれ位の規模なのか」といったことを何度も聞かれました。まるで村上春樹の「雨天炎天」です。続

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３０）この晩祷後、何かとお世話して下さった神父様（この方も義姉の友人）が、私のためにネット接続環境を整えて下さいましたので（日本語は殆ど打てませんでしたが）、翌日のモスクワ行の方法をネットで調べてから就寝（大体私は現地に行ってから調べるという…××です＾＾；）。続

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３１）翌朝、ラヴラ（至聖三者聖セルギイ大修道院の別称）内の至聖三者大聖堂 commons.wikimedia.org/wiki/File:Holy… にて、聖体礼儀に陪禱。この大聖堂での早朝の聖体礼儀では、ズナメニ聖歌が歌われます。こういう雰囲気の聖歌です→youtube.com/watch?v=-W5SNu… 続

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３２）この至聖三者大聖堂は、5年前に私が1ヶ月弱、パン焼きを手伝いながらラヴラに滞在中、2日に1度の割合で朝の聖体礼儀に参祷し、聖歌を歌わせて頂いていた大聖堂です。ズナメニ聖歌ですが、CDで覚えていた曲と殆ど同じでしたので、何とか教会スラヴ語で歌えた次第で、思い出深い場所です。続

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３３）この大聖堂には有名なルブリョフのイコン「至聖三者」ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%B3… がかつてありました（現在はトレチャコフ美術館所蔵。大聖堂にはレプリカ的な「至聖三者」があります）。中は大変暗く、当時はこうした暗がりでイコンも見られて祈られていた事でしょう。続

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３４）一カ所だけ日本語で高声（司祭が唱える祈祷文）を唱えさせて頂きました。司禱司祭のほか、陪禱者6名。これですと最下位の若年である私が高声を唱える機会は1回という勘定になるためです。それでも感慨深いものでした（この聖堂で高声を日本語でした司祭は、他にも何人かいらっしゃる筈です）続

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３５）※ 随分沢山になって来たので、例によって、後でトゥギャッターにまとめます。続

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３６）参祷しているロシア人（民族的にはロシア人だけではありませんし、多分他国からの巡礼者も大勢いらっしゃいますが）達の静かに祈る姿勢に心打たれました。聖体礼儀終了後、ラドネジの聖セルギイの不朽体に接吻してから帰ろうとしていると、不朽体の傍に車椅子で来られた若い神父様が。続

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３７）車椅子から懸命に立ち上がり、不朽体の安置場（ソレヤと呼ばれる聖堂内の少し高い所にあり、2段ほど階段を登る必要がある）に通じる階段を登られようとしているのを、他の修道神父様と一緒に手伝いました。御事情は全く伺いませんでしたが、多分私と同年代の神父様。快癒をお祈りします。続

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３８）さて、この聖体礼儀後、朝食をとり、部屋に帰って時計と時刻表を見ると、モスクワ行電車の発車時刻まで間が無い。急いでリヤサ ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA… を普段着に着替えて飛び出して行きました。目的地はロマのパパ聖クリメント大聖堂と、トレチャコフ美術館です。続

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３９）ロマのパパ聖クリメント（聖クレメンス）は私の守護聖人であり、私の聖名「クリメント」の元なる聖人です。プロテスタント時代からこの聖名でした。ローマからクリミアに流刑になりそこで致命された聖人の名が、西方教会から正教会に移った私に付けられたのも、神の配慮だったかもしれません。続

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４０）地上の電車も地下鉄も、相変わらず駅舎はソ連時代から引き継いで豪華な造りになっているのですが、電車の座席シートだとかも相変わらず硬いまま。今度ロシアに行く時には座布団でも持って行こうかと思っています。気温は東京の真冬並み以上でも以下でもありませんで日本の防寒具でしのげました続

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４１）（尤も、その翌日には風邪で寝込んでしまいましたので、「しのげた」と言って良いのかどうかは疑問の余地があるのですが…）続