二丁目の夕焼け

あの日親父に肩ぐるまされて見た、夕焼けに染まる町並み。 凄く綺麗だったな。
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やる気ゼロリーマン @ponka2

プロ野球がやって来る。根っからのジャイアンツファンだった父は興味がなさそうにしていた。そして2013年。この街にとって特別な日本一。そこには臙脂色の帽子を被って誇らしげな父がいた。涙が頬を伝ってた。 RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】天イーグルスあるある #89al_e

2015-11-07 11:38:08
やる気ゼロリーマン @ponka2

この中途半端な街を出たかった。東京か、大阪か。進路に悩んでいた。そんな時オヤジはこう言った。「いつでも帰ってこい。ドラゴンズがいるここがお前の故郷だ。」あの時の強いドラゴンズもオヤジももういない。 RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】中日ドラゴンズあるある #89al_d

2015-11-07 14:40:23
やる気ゼロリーマン @ponka2

「人生がくじ引きで決まるなんてね」カウンターの向こうで女将が言った。テレビから流れるスポーツニュース。隣にいた五十がらみの男が小声で呟いた。「でも、選ばれるだけマシだよ」僕はコップのビールを飲み干した RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】ドラフトあるある #89al_dft

2015-11-09 15:06:58
やる気ゼロリーマン @ponka2

工場の倒産。金銭的な理由により、僕は父に、妹は母に引き取られた。「プロ野球選手」卒業文集にはこう書いた。それはただの夢ではなく、家族をまた一つにしたいという願いだった。いま僕はスタートラインに立った。 RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】ドラフトあるある #89al_dft

2015-11-09 15:30:34
やる気ゼロリーマン @ponka2

寡黙な父だった。所謂万年係長というやつで趣味もなく、つまらない父だった。そんな父が退職後、突然甲子園へ通うようになった。ある時理由を尋ねるとこう言った「社長も平社員も何もないんだよ、あの一体感には」 RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】阪神タイガースあるある #89al_t

2015-11-11 13:12:33
やる気ゼロリーマン @ponka2

バースの再来。なんと夢のある言葉だろう。家では疎んじられ、会社では一向に冴えず。そんな私の唯一の夢。それがいつか出会うバースの再来だ。あの日、漆黒の闇に弧を描いた放物線を思い、今日も電車に揺られる。 RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】阪神タイガースあるある #89al_t

2015-11-11 13:23:24
やる気ゼロリーマン @ponka2

少年時代は黄金時代だった。沿線に住む子は皆青い帽子を被っていた。バケツ色のユニフォームが誇らしかった。久し振りに球場へ行った。強いからではなく弱いから応援する。弱さに惹かれている四十過ぎの俺がいた。 RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】西武ライオンズあるある #89al_l

2015-11-12 16:12:34
やる気ゼロリーマン @ponka2

横浜とヨコハマは違う。生粋のハマっ子の父はプライドが高くダサいことを嫌った。そんな父もこの球団は愛していた。大洋銀行、お荷物と言われる頃からずっと。「ハマの夜には敗者が似合うのさ」それが父の口癖だった RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】横浜DeNAあるある #89al_b

2015-11-12 17:36:05
やる気ゼロリーマン @ponka2

昭和54年冬、僕は生まれた。名前は優勝。カープ好きの父がつけた。恥ずかしかったが誇らしくもあった。今シーズン終了後、リハビリ中の父は冗談交じりに言った「まだ死ねねぇな」僕は小さくなった父の背中をさすった RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】広島カープあるある #89al_c

2015-11-13 16:52:07
やる気ゼロリーマン @ponka2

父を旅行に誘った。同性ゆえの気恥ずかしさだろうか今まであまり会話がなかった。野球好きの父。交流戦をだしに遠く福岡までの旅。男二人、会話は弾まなかったが父は嬉しそうだった。これが最後の旅になるかもしれない。 RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】交流戦あるある #89al_kr

2015-11-16 14:28:55
やる気ゼロリーマン @ponka2

南海電車はボロ電車!そこには悔しそうな父がいた。そして僕らのホークスはこの街から去っていった。どこへ移っても結果は同じ。ホークスの優勝が見たい。それが父の最期の言葉だ。今年もまた嬉しい報告ができる RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】福岡ソフトバンクあるある #89al_h

2015-11-20 00:28:36
やる気ゼロリーマン @ponka2

真っ白なワンピースが眩しかった。僕は一瞬で恋に落ちた。何としても彼女の目をひきたい。思いきりかっ飛ばした。青い空に吸い込まれた白いボールは瀟洒なお屋敷のテラスまで届いた。それが彼女との出会いだった RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】福岡ソフトバンクあるある #89al_h

2015-11-20 00:47:45
やる気ゼロリーマン @ponka2

いつもと違う電車に乗った。受験、就職、出世…気づけば競争ばかりだった。気づくと僕は公園のベンチに座っていた。空を見上げてぼんやり考えた。人生には余白も必要だ。明日オリックス戦を見に行こう RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】オリックス・バファローズあるある #89al_Bs

2015-11-20 13:00:05
やる気ゼロリーマン @ponka2

どうしてオリックスなんか応援するんですか?後輩に問われたことがある。即答できなかった。今年こそはと期待したが結果は惨憺たるものだった。今ならはっきり答えられる。似ているんだ、あの時の俺に RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】オリックス・バファローズあるある #89al_Bs

2015-11-20 13:27:27
やる気ゼロリーマン @ponka2

上に立つもの、追われるものは孤独だ。常に勝つ事を強いられる。下からは突き上げられ、周りからは嘲りの言葉を浴びせられる。プレッシャーに打ち勝つため戦士に休息は必要だ。たまの休みに僕は博打で気を紛らす RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】読売ジャイアンツあるある #89al_g

2015-11-20 13:36:05
やる気ゼロリーマン @ponka2

黒地にオレンジのYGマーク。あの頃、みんな同じ帽子をかぶっていた。うちは貧乏で帽子を買ってもらえず、仲間はずれにされた。ある日、爺ちゃんが帽子を買ってきた。大喜びで包みを開けると黄色い帽子があった RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】読売ジャイアンツあるある #89al_g

2015-11-20 13:59:26
やる気ゼロリーマン @ponka2

「アタシ巨人が大好きなの」酒場の隅で女が言った。「巨人が負けると酔った彼氏がアタシをぶつの。でもねアタシ彼氏が好きよ。負けて悔しいのは当たり前じゃない。アタシ巨人が大好きなの」酒場の隅で女は言った RT @89_ogiri: 【あるプロ杯】読売ジャイアンツあるある #89al_g

2015-11-20 14:28:17
やる気ゼロリーマン @ponka2

僕はほっと胸をなでおろした。このポジション、この打撃。そうか!どの球団も困ってないんだ。困ってるのが12球団でなく、僕だけでよかった。僕は目を閉じ深く息を吐いた RT @89_ogiri: 【アサ芸杯】FA 宣言したけどオファーがない!こんな時どうすればいい? #89og1827

2015-12-01 15:38:35
やる気ゼロリーマン @ponka2

どうしても「お父さん」とは呼べなかった。あの人がいる家に帰りたくなかった。毎日のように下校途中にあるバッティングセンターに寄った。モニターに映る父さんが投げるボールを何度も打ち返した RT @89_ogiri: 【アサ芸杯】こんなバッティングセンターはイヤだ #89og1936

2016-03-22 14:55:41