茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1654回「ムーアの法則は経験の質の向上に直結する」

脳科学者・茂木健一郎さんの11月13日の連続ツイート。 本日は、感想です。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1654回をお届けします。文章はその場で、即興で書いています。本日は、感想です。

2015-11-13 06:04:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

Steve JobsがiPhoneを紹介した動画 youtube.com/watch?v=vN4U5F… は、今やプレゼンの旧約聖書である。当時、iPhoneの発表は予想されており、「iPhone」という名前もまた予想されていた。そんな中、いかに新鮮さを保つか。

2015-11-13 06:06:59
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茂木健一郎 @kenichiromogi

名前もスペックもある程度予想される中でiPhoneの発表をどのようにサプライズにするかという命題を解決するためにJobsがとった戦略は見事なものだった。予期を裏切ってmisdirectionしたあとで、本題に戻る。プレゼンとはかくあるべきという見本であろう。

2015-11-13 06:08:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

ところで、このプレゼンの中で、Jobsはstylusは要らない、と言っている。youtube.com/watch?v=4YY3MS… いつも運ばなくちゃいけないし、なくしちゃうし、yhaac! と言っている。 pic.twitter.com/gDdBjU6g5T

2015-11-13 06:14:22
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茂木健一郎 @kenichiromogi

Jobsは、iPhoneにはstylusは不用で、指を使えばいい、と言った。対して、今回発表されたiPad Proは、Apple pencilを使う。iPhoneは単独でポケットやバッグに入れて持ち歩くのに対して、iPad Proはサイズから言っても、机上で使うことが多いだろう。

2015-11-13 06:16:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

Stylusで画面を操作するスタイルは、なつかしいNewton (1993-1998)でもすでにあったが、当時は、画面の解像度や、反応の速さ、なめらかさなどで、とても使いにくいものだった。iPad ProでStylusが復活したのは、画面、計算速度の向上と無縁ではない。

2015-11-13 06:18:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

全く同じ技術でも、単純に解像度や計算速度が上がるだけで、全く違った操作感になることがある。ここに、人間の認知の基本的性質がある。私たちは、同じプロセスが異なる特徴時間で実行される時、両者を質的に違ったものとして体験するのである。

2015-11-13 06:19:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

単純な計算速度の向上が、本質的なアルゴリズムの改善なしに、質的な向上につながるという経験則は、将棋ソフトからiPad Proまで、普遍的に成り立つ経験則だと思う。ムーアの法則は経験の質の向上に直結するのである。

2015-11-13 06:20:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1654回「ムーアの法則は経験の質の向上に直結する」をテーマに、7つのツイートをお届けしました。

2015-11-13 06:21:33