検証：イラク戦争開戦の妥当性―歴史的経緯に見る外交課題への悩み―by平和たん＆国連たん

平和たん【手動休止中】 @heiwa_tan

さて、今日の連続ツイートのテーマはこれです。 検証：イラク戦争開戦の妥当性―歴史的経緯に見る外交課題への悩み―

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本連続ツイートに関連して、@ModelUN_tanが補題として国連安保理決議とはなにか？について連続ツイートしてくれる予定です。また、@admi_tanも何かツイートしてくれるかもしれません。

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さて、イラク戦争開戦は12年前の2003年だよ。イラク戦争のときにまだ生まれてない世代が中学生になろうとしてるような状況だよ。そんな前のことなのに、なんで今イラク戦争なのか？というのを具体的な検証に入る前に説明するよ。

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イラク戦争を米国の一方的な思い込みによる不当な戦争、強者が弱い者をいじめる典型的な例、だから米国は信用できないんだ…などなど今でも言われるよね。でも、そういうマイナス評価のなかには、歴史的経緯をきちんと踏まえられてない議論がたくさんあるように感じたよ。

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たとえば、前に見たテレビで、「イラク戦争は極めて不当で、政権が変わったとはいえこんな判断をする米国についていくのはよくないから、今の集団的自衛権の議論も根本からおかしい」といってたコメンテーターがいたよ。何を根拠にいってるんだろう？と思ったよ。

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米国をかばおうと思ってるんじゃないんだ。きちんと経緯を把握して、何が論点なのか、その論点の核心はなんなのかを踏まえて、評価をする必要があると思うんだ。結論はどちらでもいいんだ、思考の過程が重要なんだよ

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こういった点を踏まえれば、イラク戦争開戦の歴史的な経緯をみることによって、「日本人が同盟国として米国を選択したこと」の妥当性に関する知見を、その一端ではあるけれども明らかにできると思ってるよ。米国はとんでもない国なのか、それともそうじゃないのかっていうのが分かるからね。

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以上を踏まえて、本連続ツイートではイラク戦争の経緯をたどり、なぜ米国がイラク攻撃に固執したのか、どのように正当化しようと思ったのか。これを説明しようと思うよ。もう一度言うけど、米国をかばおうと思っているんじゃない。悪いところもたくさんあるから、それも合わせて説明するよ。

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内容の前に、本連続ツイートの内容を図でまとめてみたから、時間のない人はこれだけでもいいので、読んでみてください。一番重要なポイントは、湾岸戦争とイラク戦争はセットで考えないといけない、ってことだよ。 pic.twitter.com/IwxyIYNYRn

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イラク戦争の話をする前提として湾岸戦争に触れるよ。なぜなら、湾岸戦争前後でイラクは核兵器を実際に開発しようとしてたからだ。イラク戦争の正当化根拠の一番大きかったものがイラクの核兵器保有疑惑だったから、イラクの核兵器開発の事実を明るみにした湾岸戦争は極めて重要なんだ。

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湾岸戦争は、1990年8月に、イラクがクウェートに攻撃を開始したことに対して国連安保理が多国籍軍を派遣して戦われた戦争だよ。結果は多国籍軍の圧勝に終わったんだ。1991年3月3日に暫定休戦協定が結ばれて、正式な停戦条件として安保理決議687が採択されたよ。

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このとき、決議687は「停戦」条件の一部として、核兵器不拡散条約＝NPTの義務履行の確約とそのための国際原子力機関＝IAEAの査察への協力義務が課せられたよ。これに基づいて行われた査察のなかで、イラクは核兵器を開発途中だったことが明らかになったよ。国際社会は衝撃を受けたよ。

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なぜ衝撃を受けたのか？この点を説明するためには、核兵器に関する国際秩序を形成している核兵器不拡散条約＝NPT（Non-Proliferation Treaty）を説明しないといけない。なかでも、核兵器開発の事実を明るみにしたIAEAの査察に注目するよ。

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NPTは1968年に締結された核兵器の不拡散を目的とする条約だね。米英仏ソ中の5か国以外は核武装の権利を放棄するって条約だ。この条約が不当かどうかは置いといて、今してる話のなかで重要なのは、非核兵器国の義務だよ。イラクは非核兵器国だからね。

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非核兵器国はNPT上核兵器を作らない義務が課せられてるよ。でも、核兵器開発を隠れて行うことができれば、気づかないうちにどんどん核兵器保有国が増えちゃう。だから、作らない義務を履行してるか、つまり本当に作ってないかを検証する制度が必要って考えられた。それがIAEAの査察制度だ。

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この査察制度は、自国の原子力に関連する施設に存在する核物質（ウランやプルトニウム）の全部が事前に申告した通りの場所にあることをIAEAに確認させることで、その核物質を隠れて核兵器開発に使ってないことを証明させる制度なんだ。毎年何回か行われるよ。

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ここがポイントで、核兵器開発施設が発見されると完全にアウト。でも行方不明の核物質があったり査察拒否したりしたら核兵器開発が疑われてしまうよ。しかも「かなり疑わしい」という認定を受けてしまうんだよ。以上を図でまとめるとこんな感じ。 pic.twitter.com/BwnE9N96MC

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平和たん【手動休止中】 @heiwa_tan

湾岸戦争に戻るけど、イラクはこの査察受入義務を、NPT上の義務としてだけじゃなくて安保理決議687によって「停戦条件として」課されたんだ。停戦の条件の一つとして、IAEAの査察で核兵器開発を行っていないことを確認させてください、証明してください、ってなったってことだよ。

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イラクも最初は査察を受入れたよ。でも、その査察の時にイラクが核兵器開発を行ってた証拠が見つかってしまったんだ。明らかに急いで何かの装置を取り外した痕が査察対象の一つの施設に残っていて、元々そこに取り付けられていた装置の行方を追ったら、砂漠の砂の中に核兵器開発用の機材があったんだ。

平和たん【手動休止中】 @heiwa_tan

こうして、イラクの核兵器開発が明るみになった。さっきの図でいうと結論Cに至った。当時の国際社会は衝撃を受けたよ。安保理決議で強制しなかったらどうなっていたんだ？ってね。このままだと核兵器保有国がもっと増えるのでは？と懸念されたんだ。

平和たん【手動休止中】 @heiwa_tan

ただ、イラクに関しては少なくとも毎年査察を受け入れることになっていて、核兵器開発を放棄させ、作らない義務履行をIAEAの査察を行って確認し、イラクが核兵器を持たないようにする予定だった。こうすることで国際社会もイラクは核兵器を開発してないと安心できる予定だったんだ。