十九世紀末から顕在化した戦闘艦の遠距離射法の話

艦橋が肥大化したのは遠くを見るためだと思ってました(アカン
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SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

19世紀末から20世紀初頭、色々あって10kmとかもっと遠くで射撃戦するようになると、何が困るって色々頭で考えないといけないのである

2015-11-21 03:21:33
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

まずは自分も相手も動かないと仮定して射撃してみよう。陸戦で遠距離射撃で陣地狙う場合とかと基本的に同じ。相手の方向と距離を見積もって撃つ。結果を見てズレを修正していけばそのうち当たる。ここまではそう難しい話ではない

2015-11-21 03:22:56
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

じゃあ相手が動いてるとどうだろうか。遠距離だと数十秒先の未来位置を狙うわけで、縦横両方の数値を今見えてる位置ではなく予想した未来位置にする必要がある。しかも常時動いてるのだ。今10kmでも次の射撃は何キロで撃てば良いのかなという話な

2015-11-21 03:24:29
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

問題をややこしくするのは自分も動いてるということだ。自分の動きと相手の動き両方を計算に入れないと、狙うべき点はわからない

2015-11-21 03:25:40
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

凄い計算力と高精度な測距手段があれば良いけど、そこまで大したものがない時代、これをどうするかというのが一つの課題で、そこで一斉射撃と観測という手段が出てくる。厳密な相手のデータ(速度や距離)は分からないけど、なんぼかやりゃ当たると

2015-11-21 03:28:10
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

もう一つは高精度な測距儀で随時距離をみて、プロットして、最終的に敵の位置を図上に描き出す。これは分かりやすいけど当時の測距精度と測距繰り返し速度だと常に出来る保証はない。現実には試射もこのプロットに代入したりして色々やるわけな

2015-11-21 03:30:18
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

まあ、難しい理論は別として、試射して修正してって時に「今さっき10kmで撃ったら少しずれた、じゃあ+200なら当たるかな」とかってやるんだけど、注意して欲しいのは彼我ともに動いてるのだという点。つまり200mずらしたって当たらない。彼我の動きの分も加算しないといけないのだ

2015-11-21 03:32:09
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

「えっと、さっき10kmで着弾まで20秒だから、20秒前は10200mの位置にいたらしい。で、こっちがあっちに方向に何ノットで向こうが多分そっちに何ノットぐらいだから、毎秒何メートルぐらい離れるぽい」・・・というのを計算しないといけないのである

2015-11-21 03:34:14
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

これを大体のパターンで頭に入れておいて、何秒ごとに何メートルとかって決め打ちして「着弾は200ショート、20秒で200m近づいてる、だから距離10kmのままで撃ってよし」とか「20秒で100m離れるから+100で、着弾で+200、だから+300」ってするのが全量射法という職人芸

2015-11-21 03:36:50
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

全量射法はあんまし難しいことさせると脳みそがパンクするし、多分毎秒何メートルぐらいというあんちょこ前提だから、射撃間隔とかを決めたタイミングでやってくれないと困るのね。10秒とか15秒での間隔で撃つのじゃ

2015-11-21 03:43:09
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

睦月型ぐらいになると距離時計があるかなぐらいで、測距儀も小さいのしか無いし、方位盤も無い。こうなると各砲は砲側照準で狙うし、リードの取り方とか距離とか、結構あやふやになったりするのじゃ

2015-11-21 03:46:17
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

特型から一気に高機能な射撃装置や観測装置が乗ってきて、特3や初春あたりで睦月とは全く別物のごっつい艦橋になっちゃうのは、つまりいろいろな機能乗せたらそうなるということと、睦月以前はそんなもん無かったのよというw

2015-11-21 03:48:01
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa

この射撃関連機材の肥大化に伴う艦橋の肥大化は戦艦や重巡でも起きてる。戦艦の場合は遠距離射撃のために高さがほしいというのもあるんだけど、それと同時に機材や人員の増加というのもあったわけじゃな

2015-11-21 03:49:30