港に近い街に三人の親子が暮らしてる。父と兄と弟。母は数年前病気で亡くなった。母を無くした家庭は薄暗く酒と煙草臭い。幼い弟は煙草の煙で喉をやられすぐに咳き込む。暗い部屋に響く咳の音は母が居た頃を強制的に思い出させ、父を益々悩ませた。弟の咳が続いたある日父は幼い頬を殴りつけた。
2011-01-20 00:04:11それから些細な事で父は弟を殴るようになる。こん、と咳の音が響くとびし、と頬を打つ音。弟は徐々に気が弱くなっていく、対照的に気が強くなっていく兄と父の口論が続くようになる。弟は日に日に父に怯え兄に懐く。父は益々息子たちが可愛くなくなる、ある日何時ものように殴られた弟を兄が庇った
2011-01-20 00:06:53続いた口論がピタリと止んだ。兄の手には濡れたナイフが赤く光っていた。呆然とする兄を弟は抱きしめて「逃げようにいちゃんふたりで逃げようにいちゃんは悪くないこんな奴刺されて当然だやめてにいちゃん自首するなんていわないでにいちゃんが刺したんじゃないにいちゃんの中の悪魔が刺したんだ」
2011-01-20 00:09:01二人の兄弟は逃げて海から離れた町へ。住み込むの仕事を探す。見つかった先は年老いた老人の牧場だった。一通り仕事を教えてくれた老人は身寄りも何もなく、二人の兄弟を気に入り養子として二人と迎え土地と牧場を譲って土の中へ。それから二人暮らしで牛乳が入った荷車を押して町に行く生活を送ってる
2011-01-20 00:14:21弟はこの町で出会った絵描きの羊飼いや、学校の教師。教会のシスターや神父と穏やかに笑い会話する兄を見て、このままきっと穏やかに過ごせるのだ、この町で。と思い始めている。町に来た頃はぴくりとも笑わず兄から離れなかったが、今ではすっかり一人で遊びに行き教師やシスターに懐いて笑っている。
2011-01-20 00:16:22兄は穏やかに笑いながら毎日弟が一人で立って生きてゆく日を待ち望んでいる。毎日毎日自分の首を吊る事ばかり考えている。毎日毎日毎日自分の中に居る悪魔を殺す方法ばかり探している。毎日毎日毎日毎日教会に通い神様に祈ってる 「ああ神様どうか俺を」毎日毎日毎日毎日荷馬車を町へ運び教会に行く
2011-01-20 00:19:45シスターとは最初兄の方が仲良くなった。徐々に弟も慣れていった。兄は一番背の高いシスターと一番よく話をしていた。そのうち話をしなくなった。背の低いシスターとばかり話をするようになった。最近では誰にも話をしないようになった、挨拶はする、カラムからシスターの話を聞く、あまりされると怒る
2011-01-20 00:21:48「…明日も遊びにおいで、だって、」「あまりシスター達の手を煩わせるな」「だって、シスターのクッキー美味しいんだぜ、あとニッカの話が楽しくて」「ニッカ?」「あの色白の、一番背の高いシスターだよ」「…あの髪の短い?」「うん」「…そうか」
2011-01-20 01:47:53「…」「…」「楽しいか」「え?」「彼女の話は」「ああ、ニッカ?うん、誰にもバレないイタズラの仕方とか教えてくれるんだ」「…シスターが?」「シスターが!あとちょっと変わってて、面白いよ。オレとグランドが似てるって言うんだ、」
2011-01-20 01:48:00「どこが?ってオレ聞いたら、目の中が、だって」「目の中、」「なー?変わってるだろ?」「…」「面白いよ、グランドももっと話せばいいのに」「…」「あれ、でも昔はよく話してたよな?挨拶したり、世間話したり、なんかあったの」「カラム」「…」「…」「…ごめんなさいにいちゃん、ぶたないで」
2011-01-20 01:48:17神父様のことも、シスターのことも、実は信用してないのに教会に通うの。神様だって本当は信じてないの。ただ誰かに許されたいだけなの。でも許されないのが恐いから誰にもいえないの。羊飼いは神様から遠い場所に居るからツイくちを滑らせてしまうの。一番背の高いシスターには絶対に隠し通りたいの
2011-01-20 01:03:17救われたくて彼女から一言欲しい言葉があって一番背の高いシスターに手を伸ばしてしまってでもシスターはまるで生き物ではないようなぬるりとした目で見るだけだからその手を下に下ろして何も言えなくてシスターは恋愛が禁止だって事も知っているから尚更何も言えなくて何も渡せなくてそれでも、
2011-01-20 01:09:45グランドは罪を背負ってることは神父様にもシスターにも言わないといいな 教師にも世間話と、しあわせな話だけをする。成金息子ともなるべくなるべく関わらない(「あいつ勘付いてるよこわいよにいちゃん」ってカラムが言ったから) 羊飼いと仲良くなって、ふたりの時にぼそり「俺父親を刺したんだ」
2011-01-20 01:00:35ギーは「お前は俺に秘密を話したな。それでは俺は俺の秘密をお前に打ち明けなけりゃならない」とかいってグランドくんにお姉さんを見せたりしそう 「そんなにかくしたきゃ、秘密を隠す術を教えてやるぜ」とかいいそう
2011-01-20 01:06:56@daaudaa お姉さん見せるギーくん萌ええええええええ恐いいいいいいいぃぃ グランドは「ああ、そうか、何でお前に秘密を話してしまったかわかったよ。お前も頭がイカれてたんだな」って言いそうです、そして秘密を隠す術を教えてもらえばいいんです 萌・・・
2011-01-20 01:14:54カラムに「田舎の坊やか」って言ってめずらしい高い菓子をあげてカラムが喜んでるところにぐっと顔を近づけて「それで、おまえのお兄さんはなにをしたんだ?」って聞くよね
2011-01-20 00:24:02我が谷ねくら重圧系恋愛男子のグランドのことより今までお菓子にキャッキャッ笑ってたのにガスワくん聞かれていきなりひやっと笑顔を消して睨みつけて「…うるせぇバーカ!!」とか怒鳴ってガスワくんの股間に蹴りを入れて慌てて逃げるカラムたんについて考えようぜ
2011-01-20 00:39:00自分は地獄に落ちるべき人間だとおもっていて、だから、神様の近くに仕えるあの娘を引きずり落とさないように 距離を離そうとしてる。そんな。そんな我が谷グラニカでいいですか 絶対グランドが最終的に首吊ってバッドエンド。
2011-01-20 00:23:42あれだよカラムが大人になって「俺は元の街に帰るよ」「グランド」「馬鹿だなそんな顔をするな、ちょっと確かめたいことがあるだけさ、用が済んだらすぐに戻るよ」って言って。神父や教師に「留守の間弟を宜しくお願いします」って言って羊飼いにも「またな」って言ってトランク一個だけ持つ
2011-01-20 00:26:38三人のシスターにも背の低い順番に挨拶をして、一番背の高いシスターにだけ手紙を渡す。町を出て行く。シスターに渡した手紙には、「もう私と貴方は二度と会わないでしょう、私は貴女が居る場所から一番遠い場所に行きます、安心してください貴女を地獄に引きずり落とそうとする男がいなくなるんだ!」
2011-01-20 00:28:27持って行こうとした唯一のトランクがなくなって、驚いたグランドが方方を探し回ったら、いつも運んでいる荷車の側にトランクを抱えたシスターが立ってて「ああ、あなたが見つけてくれたんですか」「いえ私が盗んだのです。私は罪を犯しました」「馬鹿な」「私もあなたと共に罪を償わなくては」って
2011-01-20 00:37:34