【ニンジャの二次創作】ストレイ・ストレンジ・スモトリ #1

ニンジャスレイヤー二次創作小説です。 拙作テキストカラテ【ストレイ・ストレイト・スモトリ】の続編。 とあるシックスゲイツの物語。 ◆前日弾【ストレイ・ストレイト・スモトリ】はこちら◆ 続きを読む
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篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

(あけましておめでとうございます。皆様によいことがございますように。今年も宜しくお願いいたします。当アカウントはこれからニンジャの二次創作投下マシーンとなります。これはやさすい漬けのマグロが水槽の中で見た夢であり、本編・公式とは一切関係がございません)

2016-01-01 11:27:32
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

(昨日に続き、TLが私のツイートで埋まる可能性は実際高いです。煩わしく感じられたならリムーブ、ミュート等をお願いいたします)(専用の実況タグ #yasasui_nj が用意されております。生暖かい目で突っ込み感想何か実況用にどうぞお使い下さい)

2016-01-01 11:27:55
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

(今回のお話は、昨年のにんぱく改善にて物理出版させて頂きました小説の書き下ろしになります。拙作テキストカラテデビュー作である【ストレイ・ストレイト・スモトリ】の続編だ。予備知識が無くとも楽しめるかと存じますが、見比べると面白いかも)

2016-01-01 11:28:22
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

( 【ストレイ・ストレイト・スモトリ】あるシックスゲイツの話 #1 togetter.com/li/514619 #2 togetter.com/li/531936 #3 togetter.com/li/541661 #4 togetter.com/li/556971

2016-01-01 11:29:00
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

ヤラカシタ・エンタテイメント社【ビギニング・オブ・ザ・ラスト・シックスゲイツ】より【ストレイ・ストレンジ・スモトリ】 #1

2016-01-01 11:29:25
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

重金属酸性雨が容赦なく降り注ぐ、闇夜のストリート。身ぐるみ剥がされた浮浪者が次々と息絶え、ペケロッパカルト信者たちが彷徨う。路地裏のひとつでは、めそめそと泣く薄汚れた売人の口からこぼれた生々しい血が、暗い排水口へと流れこんでいく。 1

2016-01-01 11:30:11
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

「チッ…。ここらも一切収穫無しか」忌々しげに呟き、売人へのインタビューを終えた大男が、ズシリズシリと威圧的な足音を立てストリートへ出た。凶暴で、どこかヤバレ・カバレなアトモスフィアを放つ、この大男に近寄る愚か者は誰もいない。 2

2016-01-01 11:33:23
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

大男は幾つかの電車を乗り継ぎし、ネオサイタマの街を横断、とある駅で降りる。ゾンビーめいた顔のサラリマンや、既にアルコールの臭いをまき散らしている酔漢らを、巨体で押しのけ改札を出ると、降り続く雨の中、駅前は熱気あふれる人々でごったがえしている。……リョウゴク・ストリート。 3

2016-01-01 11:36:06
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

「アルヨー、チャンコ!」「今日はカキエモンが勝つぜ」「いや無理だろ」異様に興奮した人混みが口々に叫ぶ。 4

2016-01-01 11:37:57
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

その背景に、雄然とひかえるのはオスモウ・コロシアム。ここはネオサイタマ市民にとっても数少ない娯楽の一つであるオスモウの聖地。トップリーグ『リキシ』の試合が組まれる日は、昼夜を問わずの活気をみせる。 5

2016-01-01 11:40:17
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

駅からコロシアムへ向かう一直線の目抜き通りは、タタミ六枚はあろうかという大通り。古代の夜空めいて、目映い提灯の群れに照らされている。提灯の一つ一つがオスモウバーやチャンコパブ。提灯の奥は黒山の人だかり。今宵もまた、どの店も満席である。 6

2016-01-01 11:43:52
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

大男は、ある時は人々を押し分け、ある時は立ち止まって、恨みがましい視線を浴びながら通りをゆく。……その血走った目が、流麗なミンチョ体で書かれた『カンヌキ』の文字に向けられた時、彼ははたと足を止めた。 7

2016-01-01 11:48:42
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

「邪魔だろォー」酔漢の声を背に、古びた木材で出来た引き戸を乱暴に開けて、入っていく。「お客さん、あいにく満席……アイエッ!」頭にハチマキを締めた、三十代後半と思しき男の店員が、大男を見て悲鳴を漏らす。 8

2016-01-01 11:53:24
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

「おい、タマキはどこにいる」苛ついた大男の声が店内に響き、剣呑なアトモスフィアに店に居る人間すべてが押し黙る。テレビからノイズ混じりのオスモウ放送が虚しく流れる。 9

2016-01-01 11:59:09
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

「タマキ?……あんたは……?」「どこにいる!」大男は荒い息を吐きながら、血走った目で店内をぎょろぎょろと見回す。その視線を受け止める店内は、オツヤめいて静まり返っていた。「お客さん……あんたは……もしや、スモトリの……」大男の顔に注視していた店員の顔が、さらに白くなる。 10

2016-01-01 12:04:05
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

絶え間なく降り注ぐ重金属酸性雨を切り裂いて、黒塗りの車が猛スピードで駆け抜けていく。道中、残業疲れのサラリマンや、ZBR過剰摂取ヨタモノを撥ね飛ばしながら。近未来都市ネオサイタマにはありふれた光景である。 12

2016-01-01 12:07:56
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

「もっとスピードを上げろ」低く不満げな声が運転手ヤクザへ投げ掛けられる。声の主は、車内後方のソファーでオーガニック・スシを頬張る大柄なニンジャ。彼の大きく広げた足の間では、しおれかけた花のようなオイランが跪いている。 13

2016-01-01 12:11:29
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

「アッハイ」運転手はアクセルを踏み込んだ。……彼を始めとして、ニンジャの周囲を取り囲む黒服の男たちは、不自然なほど似通った顔つきをしている。彼らの顔はサイバーサングラスに覆われ、表情を窺い知る事はできない。 14

2016-01-01 12:15:08
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

……大柄なニンジャは、光の差さぬ路地裏で、ヨタモノやペケロッパカルトの死体を検分した後、不満げに唾を吐き、くどくどと弁解を続ける売人を殴り殺した。黒塗りの家紋タクシーへ戻り、『ジョニー歩く』とラベルされたスキットルからウィスキーを喉に流し込み、次の目的地を指示する。 15

2016-01-01 12:18:35
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

まさか。大柄なニンジャはこめかみを押さえ、頭を働かそうとする。しおれたオイランが薬物に曇った目でしなだれかかるのも構わず、前方を睨みつけ、思わず床を強く打ち鳴らす。 16

2016-01-01 12:21:10
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

まさか、あの男が……。フロントガラスを叩く雨が強くなる。通りではまた一人、耐酸性装備のない浮浪者が、呻きながら息絶えていく。 17

2016-01-01 12:25:53
篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

『ハッキョーホー!……ノコタ!ノコタノコター!……カキエモンのツッパリ!サナダマルのカウンターハリテ!カキエモン、ダウーン!』静まり返った店内にオスモウ実況が空しく響き渡る。 19

2016-01-01 12:30:18