女子大生神様の話

思いついたものの垂れ流し。創作です。
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抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

とあるところに女子大生に姿を変えた神様がいました。 神様は言いました。 「言い忘れてたけど私実は神様だから小学校の入学式とかマジ昨日のことも同然なんだよね。君たちが生きる一生も私には1日。 君たちの1日は私の0.1秒くらいかな。」 この神様はとても適当です。

2016-01-04 01:24:30
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

神様は続けてこう言いました。 「私はこの世界を作った神様だからこの世界を愛してるの。 この世界に生きる君たち一人一人もおんなじだよ。愛してる。 君たちが生まれて生きて死ぬ1日も、 君たちと過ごす1時間も、 君たちが育つ1分も、 君たちが悩む1秒も、 君たちと出会う0.1秒もーー

2016-01-04 01:26:45
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

ーー全部、君たち人間の在るこの世界が愛おしくてたまらないの。 私は神様だから、君たちが刻んだ一瞬は絶対に忘れない。 私は神様だから、君たちがいなくなる一瞬も絶対に忘れない。 愛しているから。」 神様は穏やかな顔のまま、こちらを見ることなくそう続けました。

2016-01-04 01:29:47
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

「でもね。」 神様は息を吐いて言いました。 「私は神様だけど、愛した君たちに愛されたいと思うの。 その一生のうち、 1年のうち、 1日のうち、 1時間のうち、 1分のうち、一瞬でも 私のことを愛して欲しい。」 神様は下を向いてしまいました。 「わがままかな」

2016-01-04 01:33:04
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

下を向いたまま、神様は静かになりました。 さっきまで適当なことを言っていた口を噤んで一言も言葉を発しません。 心なしか落ち込んでいるように見えました。 「私は神様だから、いつまでもひとりだ。」 神様の目から水がこぼれ落ちました。

2016-01-04 01:36:07
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

拭っても拭っても水は止まりません、いつしか世界中で大雨が降って、どこもかしこも水びたしになりました。 このままでは世界が神様の目から溢れた水に沈んでしまいます。 「かみさま、あいしています。」 どこからか声が聞こえました。

2016-01-04 01:38:38
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

神様の前に小さな男の子がやってきました。 「かみさま、なかないでください。」 「う、うぅ、ん。」 「かみさま、あいしています。」 「うん、うん。」

2016-01-04 01:41:04
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

神様は凍りついた心が融けていくように感じました。 さっきの水の代わりに、暖かい液体が目からこぼれはじめました。 その液体は大地を潤して命を育み、高波を静めて穏やかな凪を作りました。 「かみさまはもうひとりじゃないです。ぼくがいっしょうここにいますから。」

2016-01-04 01:44:16
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

そう言って男の子は神様の頭を撫でました。 「気安く触ってくれるなあぼく。私は神様だよ。」 「でもないてました。かみさまもにんげんもいっしょです。」 「それもそっか。 ありがとうぼく。でもね、一生ここにいたらぼくは人間じゃなくなっちゃうからね。神様は人間のぼくが好きだよ。」

2016-01-04 01:48:19
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

「さぁお帰り。神様もう大丈夫だから。お母さんとお父さんのところへ帰るんだよ。」 「わかりました、なにかつたえたいことはありますか?」 「そうだなあ、もっと私を愛せよと言ってたって、伝えてもらえるかな。」 「しっかりおつたえします。」 神様と男の子は手を振って別れました。

2016-01-04 01:50:45
抜髄ゴミムシ🍒 @xoPINONGELIONox

こうして寂しがり屋な女子大生の神様は世界を愛し世界から愛され、世界中に愛が満ちて平和になりました。 「私は神様だから、君たちをこれからも愛し続けるよ。 世界がなくなるその日まで、君たちの一瞬が潰えるその日まで。ではまたどこかで。」 おしまい。

2016-01-04 01:53:33