【全膝が泣いた】弁慶の打ち所映画として話題沸騰!?『走れ(バブれ)膝丸』【※ネタ、腐向け】

※※なんでも笑って許せる人向け、腐向け、膝髭※※ 当まとめは身内で盛り上がった刀.剣.乱.腐.、膝髭の「走.れ.メ.ロ.ス」パロをまとめたものです。 パロ元の作品を馬鹿にする意図はないこと、登場するキャラクター「膝丸」および「髭切」、その他すべてのキャラに悪意を持っていないことをここに明記します。 続きを読む
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夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 「願いを聞いた。その人質を呼ぶがよい。三日目の日没までに帰って来い。遅れたらお前をきっとこき使うぞ。ちょっと遅れて来るがいい。お前の罪は、永遠にゆるしてやろう。」 「なに、何を言う。」 「はは。命が大事だったら遅れて来い。お前の心は、わかっているぞ。」

2016-01-03 23:07:47
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 膝丸は口惜しく、地団駄踏んだ。ものも言いたくなくなった。 竹馬の友、源氏の刀逹は、深夜、馬小屋に召された。審神者の面前で、佳よき友と佳き友は、数百年ぶりで相逢うた。膝丸は、友に一切の事情を語った。

2016-01-03 23:12:04
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 源氏の刀は無言で見つめ膝丸に腹パンした。友と友の間はそれでよかった。源氏の刀は馬小屋へ入った。膝丸はすぐに出発した。正月の夜、満天の星である。膝丸はその夜、連帯戦へ赴きボスマスへ到着したのは、翌る日の午前、陽は既に高く昇って敵たちは野に出て仕事を始めてい居た

2016-01-04 14:06:33
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 敵の高速槍も、きょうは遠戦に参加していた。よろめいて歩いて来る膝丸の、疲労困憊の姿を見つけて嘲笑った。そうして、しつこく膝丸に攻撃を浴びせた。 「恐るるに足らず…!」膝丸は無理に笑おうと努めた。

2016-01-04 14:13:38
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 「兄者をボスマスに残して来た。おまえを倒してすぐ迎えに行かなければならぬ。ドロップしたあかつきには、兄者と結婚式を挙げる。兄者も待っている。」 高速槍は膝丸に攻撃をしかけた。しかし、その瞬間、大太刀の攻撃に遭い、高速槍は破壊された。A勝利である。

2016-01-04 14:23:13
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 桜が舞い、新たな刀剣がドロップしたようであった。兄であった。膝丸は、また、よろよろと歩き出し、兄に寄ってその身を固く抱き、間もなく地に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。

2016-01-04 14:30:16
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49  眼が覚めたのは夜だった。膝丸は起きてすぐ、兄のもとを訪れた。そうして、兄に向き直り、俺の名前を覚えているかと聞いた。兄は驚き、それはこまったな、僕にとって名前は割とどうでもいいんだよね、知っているだろう、肘丸、と答えた。

2016-01-04 14:38:10
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 膝丸は、惜しい、あと一文字違うだけだ、と更に押して尋ねた。兄も頑強であった。なかなか正解してくれない。夜明けまで問答をつづけて、やっと、どうにか兄は答え、弟の名を思い出した。

2016-01-04 14:41:29
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 「膝丸。」そう髭切が言うと、膝丸は、喜びのあまり兄を押し倒した。髭切に抱きしめられ、頭を撫でられながら、顔を兄の首筋に埋め、膝丸がバブみを感じていたころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。

2016-01-04 14:46:58
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 連帯戦に参加していた刀剣たちは、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、膝丸と髭切を祝った。膝丸も、満面に喜色を湛たたえ、しばらくは、審神者とのあの約束をさえ忘れていた。

2016-01-04 14:49:31
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 部隊は、夜に入っていよいよ疲労がたまり、他の刀達は、帰りたい一心で、外の豪雨を全く気にしなくなった。膝丸は、一生このままここにいたい、と思った。この兄者と生涯抱き合っていたいと願ったが、いまは、祝言をあげておらず、自分のものでは無い。ままならぬ事である。

2016-01-04 14:53:52
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 膝丸は、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。あすの日没までには、まだ十分の時が在る。ちょっと一眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。その頃には、雨も小降りになっていよう。少しでも永く兄の胸に愚図愚図とどまっていたかった。

2016-01-04 14:56:22
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 膝丸ほどの男にも、やはり未練の情というものは在る。今宵呆然、歓喜に酔っている顔で兄に近寄り、 「兄者、俺は疲れてしまったから、ちょっと兄者の胸で眠りたい。眼が覚めたら、すぐに本丸に帰る。大切な用事があるのだ。文字数

2016-01-04 15:00:20
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 俺がいなくても、もう兄者は名前を覚えてくれたのだから、決して寂しい事は無い。弟の、一ばんきらいなものは、人を忘れる事と、それから、間違える事だ。兄者も、それは、知っているな。弟の名前を、どんなものでも間違ってははならぬ。文字数

2016-01-04 15:06:38
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 兄者に言いたいのは、それだけだ。兄者は、すごい刀なのだから、兄者もそのまま俺の名前を覚えておくこともきっとできる。忘れないでくれ。」  兄者は、ほほ笑んで首肯いた。膝丸は、それから部隊に、 「疲れているのはお互さまさ。今の俺にも、宝といっては兄者だけだ。

2016-01-04 15:14:02
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 他には、何も無い。全部あげよう。もう一つ、兄者を見つけたことを誇ってくれ。」 部隊は揉手して、てれていた。膝丸は笑って部隊の面々に会釈して立ち去り、兄の胸にもぐり込んで、死んだように深く眠った。

2016-01-04 15:18:48
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 眼が覚めたのは翌る日の薄明の頃である。膝丸は跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば約束の刻限までには十分間に合う。今日は是非ともあの審神者に人の信実の存するところを見せてやろう。そうして笑って兄と祝言を上げてやる。文字数

2016-01-04 15:23:14
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 膝丸は、悠々と身仕度をはじめた。雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。さて、膝丸は、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。 俺は、今宵、兄者と契る。契る為に走るのだ。

2016-01-04 15:24:57
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 走らなければならぬ。そうして俺は兄者と契る。今からでも童貞を捨てよ。さらばボスマス。童貞膝丸は浮足立った。幾度か前かがみで立ちどまりそうになった。やあやあ、と大声挙げて自身を叱りながら走った。ボスマスを出て昼戦を横切り、夜戦をくぐり抜け、本丸に着いた頃には、

2016-01-04 15:29:43
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 雨も止み、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。膝丸は額の汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや連帯戦への未練は無い。兄者は、きっと俺の名を忘れないだろう。俺には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに馬小屋に行き着けば、それでよいのだ。

2016-01-04 15:35:18
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気さを取り返し、好きな兄者を想っていい声で歌い出した。ぶらぶら歩いて本丸の門をくぐり、庭へ行き、そろそろ馬屋が見えて来た頃、降って湧いた災難、膝丸の足は、はたと、とまった。見よ、前方の馬屋を。

2016-01-04 15:41:08
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 きのうの豪雨で馬屋の屋根は崩れ落ち、驚いた馬が猛勢一挙に小屋を破壊し、どうどうと宥める声をあげる刀剣を乗せ、跳ね飛んでいた。彼は茫然と、立ちすくんだ。

2016-01-04 15:50:08
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、馬屋の骨組みは残らず豪雨に浚われて影なく、悪乗りする脇差以外の姿も見えない。脇差の持つ馬糞はいよいよ、ふくれ上り、塊のようになっている。膝丸は地面にうずくまり、男泣きに泣きながら兄に手を挙げて哀願した。

2016-01-04 15:57:11
⛩バブおじさん⛩ @hiiragi49

@AGO02273572 「ああ、鎮めたまえ、荒れ狂う馬を!脇差を! 時は刻々に過ぎて行く。太陽も既に真昼時だ。あれが沈んでしまわぬうちに、馬屋の中に行き着くことが出来なかったら、兄者と契れんのだ。」

2016-01-04 15:59:56
夜空バブちゃん @AGO02273572

@hiiragi49 脇差は膝丸の叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。馬糞は飛び交い、落ち、煽り立て、そうして時は刻一刻と消えて行く。今は膝丸も覚悟した。審神者と源氏の刀を探し回るより他に無い。ああ、兄者も照覧あれ!馬糞にも負けぬ愛と誠の偉大な力をいまこそ発揮して見せる

2016-01-04 16:03:13