(アイマス)エピソードシャドウ、ラクシュミ編(最新更新分まで)

ツイッター上で連載中の2次創作ストーリーを1から見返しやすいようまとめました(自分&見てくれてる人用に) 続きはツイッターにて連載中。よろしくね スーパー我那覇くんもね♪(こっちは漫画) ⇒ http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=48132395 続きを読む
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メアっち @meattisan

「何がおかしい、シャドープリンス」 「シャドーセイレーン、どうやら貴方は何か勘違いをされているようだ。そんなに彼女が可愛いなら、いっそご自分の”もの”にしてしまえばいい。その方がむしろ……」 プリンスの言葉は,そこで遮られた。 pic.twitter.com/PSqMFJ84U7

2015-07-16 18:11:48
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メアっち @meattisan

セイレーンがプリンスの首を鷲掴みにし、その体を宙へ締め上げたのだ。 この暴挙は魔王チハヤを除けば随一の魔力を持つセイレーンの、その魔力で強化された肉体を持ってなせる業である。 「シャドープリンス、貴方は時に……言葉が過ぎるようね」 pic.twitter.com/JjgJ3urgCa

2015-07-26 11:46:52
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メアっち @meattisan

それでもプリンスは言葉を止めない。 「姉さん……貴方は知っているはずだ。満たされぬ思い……抑圧された感情は心の奥で膨れ上がり、そしていずれ……」 「まだ……のたまうか……」 セイレーンはその手に一層の力を込める。 pic.twitter.com/u1S46HGnt2

2015-08-03 00:38:01
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メアっち @meattisan

「やめろ、セイレーン!死んじまうぞ!」 プリンセスの言葉。しかし逆上したセイレーンは聞く耳を持たず、その蛮行は止まらない。 「……しゃーねえな」 ため息のような呟きとともに、プリンセスの左頬に浮かぶハート型の印が淡く輝きだした。 pic.twitter.com/aSlX2l879L

2015-10-21 00:38:26
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メアっち @meattisan

その印は魔術を"魔法"へと昇華させた者に浮かび上がる証なのだ。 「I Want」 机を、椅子を、本を、棚を……プリンセスはその力で周囲の物体を自在に操りだす。 そしてその中の一つを武器へと作り替えセイレーンの頭部を殴打した。 pic.twitter.com/yL8fSbpami

2015-10-22 19:36:11
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メアっち @meattisan

卓上に広がった地図を操り作り出した武器(ハリセン)は特有の炸裂音を響かせながら小気味よい衝撃をセイレーンに与えた。 プリンセスの、その間の抜けた一撃にセイレーンは思わずその手からプリンスを解放した。 「頭冷やせよ。セイレーン……」 pic.twitter.com/z1IGdFqInm

2015-10-25 01:18:58
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メアっち @meattisan

しばしの沈黙、セイレーンは二人に背を向けると 「……近くまた魔物の討伐に兵が出る、各自準備を怠らぬように」 とだけ言い残し部屋を後にした。 部屋に残された二人、まず口を開いたのはプリンセスだ。 「一つ聞いていいか、プリンス」 pic.twitter.com/hZyjqpHxNp

2015-10-27 01:42:34
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メアっち @meattisan

「なんですか、プリンセス姉さん」 「あいつをああまで怒らせたラクシュミをお前のものにとかなんとかって話……ありゃつまり、どういう意味だ?」 その言葉を聞いたプリンスはまたも失笑してしまった。 「な……何笑ってるんだよお前」 pic.twitter.com/qouqwMX29K

2015-10-28 23:28:56
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メアっち @meattisan

どぎまぎとするプリンセスを尻目にプリンスは笑う。しかし暫らくすると声を潜め蹲ってしまった。 「どうした、痛むのか」 そう声をかけたプリンセスはぎょっとする。彼の頬を伝う涙を見たからだ。 「感じたんだ、セイレーン姉さんの心を……」 pic.twitter.com/wm87pDnrcN

2015-10-31 18:05:25
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メアっち @meattisan

プリンスはその心の行く末を思い、ただ静かに涙し続ける。 (荒れ狂う魔力の中に、確かに感じた。……セイレーン姉さん、貴方は勘違いをしている。僕たちは誰も……誰かの母になどなれはしないんだ) シーン3.それぞれの思い 終了 pic.twitter.com/OI9G9VzsHx

2015-11-02 01:23:08
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メアっち @meattisan

シーン4.それぞれの思い 2 シャドーラクシュミは城内庭園に置かれたベンチに座り込み、深くため息をついた。 試験の後、ひとしきり涙したその目もとは赤く腫れてしまっていたが、その分心はいくらかの平静を取り戻していた。 pic.twitter.com/uVFPciuu7x

2015-11-04 21:37:29
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メアっち @meattisan

「よう、ラクシュミ」 そう声をかけてきたのはシャドーアルテミス、ラクシュミと同時に生まれたシャドーである、が…… 「アルテミス、魔物の討伐に出てたんじゃ」 「そんなのぱぱっと終らせて、今帰ったとこ」 その差は歴然としていた。 pic.twitter.com/kKpC0CkcrW

2015-11-07 00:26:02
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メアっち @meattisan

「それよりお前今日の試験……まっ、どうせ落ちたんだろうけど。お前は毎日たくさん本を読んでるけど、その10分の1だって覚えちゃいないもんな。そんな調子じゃいつまでたっても……」 アルテミスの言葉にラクシュミは悲しみをぶり返してしまう。 pic.twitter.com/SH0wEfKWYN

2015-11-09 01:19:27
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メアっち @meattisan

「ん?どうして泣くんだ?もしかして、間違えたかな?お前の頭じゃ9割落ちると思ったけど、受かったのか。そりゃ凄い!初陣はいつだ?泣いてないで教えろよ♪」 涙を流すラクシュミに無邪気に迫るアルテミス、そしてそこに近づく影が一つ…… pic.twitter.com/glDeuNX4IE

2015-11-11 00:01:45
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メアっち @meattisan

突如、鈍く重い音が響きアルテミスは地面に倒れこむ。 近づいてきた影の主、シャドードリラーの鉄拳制裁である。 「たく……おいラクシュミ、こいつの言うことは気にすんな。知ってるだろ?こういうやつなのさ」 「あ……ドリラーお姉さま」 pic.twitter.com/1mKv6I4YKX

2015-11-13 00:57:46
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メアっち @meattisan

「はい、それは気にしてません……」 そういうラクシュミの声に力はなく、気落ちしているのは明らかであった。 ドリラーはラクシュミの隣に座り言葉をかける。 「お姉さまのお役に立ちたい!ってのがお前の口癖だったな。けどよ……」 pic.twitter.com/cQSJFZSQpS

2015-11-15 03:55:06
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メアっち @meattisan

「姉貴の役に立つってんなら、戦に出る以外でも方法はあるんじゃねーか」 「他の方法じゃダメなんです。だって私たちは、戦う為に生まれてきたんですから」 その言葉にドリラーは口をつぐむしかなかった。 「……けど私、気づいてるんです」 pic.twitter.com/hEQEpuvsZj

2015-11-17 00:09:45
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メアっち @meattisan

「セイレーンお姉さまは私が戦場に出ようとすることを快く思ってません……きっと私が愚図で、足手まといだから。このままじゃ私お姉さまに見捨てられちゃう……けど私、どうすればいいかわからない……・」 ラクシュミは肩を震わし、そして泣いた。 pic.twitter.com/FKtw1zHSmx

2015-11-19 00:20:46
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メアっち @meattisan

ドリラーはラクシュミを抱き寄せ、そして語りかける。 「なあラクシュミ。姉貴はお前に、優しいだろ」 「……はい」 「じゃあ心配ないさ。姉貴はお前のことがかわいくて……ちょっと臆病になっちまってるんだ。今はその気持ちを、くんでやれ」 pic.twitter.com/E0bktwxQBu

2015-11-21 03:23:17
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メアっち @meattisan

「でも、私は……」 「大丈夫、姉貴もいつか分かる日が来る。お前が立派な…「いってーーー!!!」 ドリラーの言葉を遮る程の大きな叫び声とともに、気絶していたアルテミスが跳ね起きた。 「何しやがるんだよ、ドリラー!!」 pic.twitter.com/Q6QZ0mPz5G

2015-11-22 23:36:51
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メアっち @meattisan

「あれぐらい避けられないほうが悪い。戦場なら死んでたぜ、お前」 「バカにするなよ、あたちは本番で実力を発揮するタイプなんだ。みてろよ、今度の出兵の時にわからせてやる!」 「残念、次の出兵は姉貴たちが出るんだ。あたいらは留守番さ」 pic.twitter.com/7W40C463pH

2015-11-23 01:28:30
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メアっち @meattisan

「そうだっけ?なんだつまらない。そうだ、あたち勝手についてっちゃおうかな」 その言葉に表情を変えたものが”二人”いた。 「何馬鹿なこと言ってやがる。その日お前はあたいと一日組手だ。わかったな」 「うげー!なんだよそれー!?」 pic.twitter.com/Qtr0iKrtQz

2015-11-23 03:47:21
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メアっち @meattisan

一人はドリラー、そしてもう一人は…… 「ラクシュミ、お前も一緒にやるか。組手」 「あ……いえ……すみません。私その日は用事ができましたから」 「ん、そうか」 「お話聞いていただいてありがとうございました。では、失礼します」 pic.twitter.com/9PxjQiL2Cl

2015-11-24 00:40:45
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メアっち @meattisan

去ってゆくラクシュミ、ドリラーはその言葉に引っ掛かりを覚えた。 (用事が……”できた”?) しかしその疑念を不信へと昇華するには、あまりにも普段のラクシュミはいい子でありすぎたのだ。 シーン4.それぞれの思い2 終了 pic.twitter.com/sXj1oT7Z1H

2015-11-26 00:14:19
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メアっち @meattisan

シーン5.戦場にて 魔王城より北西の山を一つ越えるとなだらかな高原が続く。 そこよりさらに北に歩を進めた先、眼下に広大な森林地帯を望む崖上にセイレーンは佇んでいた。 その瞳は今はまだ静かな装いをみせる森へと向けられている。 pic.twitter.com/pYimoj5DUY

2015-12-01 00:09:58
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