肉への疾走（MOB終了後ロール）

ゾンネ @sonne_run

#GC0_MOB #肉への疾走 １日１日を積み重ねて。 走る、笑う。楽しいなぁって思います。 楽しいことばかりではありませんでしたけれど、悲しいことばかりでもありませんよう。 大丈夫です。 「いってらっしゃい」 送り出せるのはとっても嬉しいです。 いない時に貴方を想えます。

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いない間にどんな事をしましょうか。 カーテンを洗って、取り替えて。朝の日差しの色を変えましょうか。 いいお肉も見つけました。じっくり煮込んでおきましょう。 帰ってきたら、喜んでくれるといいなぁ。 「おかえりなさいですよお」 そう言えるのが楽しみです。

ゾンネ @sonne_run

#GC0_MOB #肉への疾走 夏が近づいてくる。 仕事の後に向日葵畑の前にやってきて佇む。 すべては一度、荒らされてしまったけれども。 こうやってまた咲き誇ろうとしている。 ふたりで一緒に育ててきた。汗を流して自然と折り合いをつけつつ。 満開に咲くのはもう少し先か。

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まだ一年、もう一年。 必死に生きて。そして楽しくて楽し過ぎてあっという間の時の流れを向日葵が示している。 みんな元気かな。私は元気ですよおお。 向日葵が咲いたら大切な人と一緒に手を繋いで見に来よう。 「楽しみですねえ」 まだ咲かない花に語りかけてにぱあっと笑う。

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#肉への疾走 秋が終わり、冬が始まりそうなそんな時期。 ゾンネは木枯らし吹く風の音がうるさくて目が覚めた。 夫は起きてないのを確認してまた寝ようとしたが、玄関先のバケツの転がる音がしたので寝台を抜け出して扉を開け、家の中に入れようとした時だった。

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大きなつむじ風が足元を通り過ぎ、地面に落ちていた葉を巻き上げて柱のように、橋のように、一つの大きな生き物ように唸りを上げて通り過ぎて空へと登っていった。 「おおお」 玄関先が綺麗に…なっているはずもなく。 「ああああ」 沢山の葉が散らばっているのがよく見えた。

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よく見える？ こんな夜なのに？ そういえば見渡せるほど明るい。 はっとして、空を見上げると、ぴかぴかの満月がそこにあった。 「うわあ、肉団子みたいに綺麗ですねえ」 丸いというと真っ先に浮かぶのが肉団子だった。 ピカピカのお宝を発見したような気持ちになる。

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安眠妨害は本意ではないけれど、これは一緒に見たい。 うん、だってこれはお月見だ。お月見したい。 小さな事、こんな事を一緒に積み重ねたい。 玄関に出なくても、寝台側の窓から見えるよね、きっと。 バケツを玄関の内に入れて、お月見をおねだりしに、寝台へ駆け寄って行った。

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#肉への疾走 朝起きるのに気合が必要になってきたなあ。寒い。 しかしお布団からでなくてはならない。 「ふぁいとおおお」 旦那様より早く寝ない、早く起きる。 ご飯とお弁当つくって、お天気だったら洗濯物を干して。 そうしたいのもあったけれど、やることやっていると自然とそうなる。

ゾンネ @sonne_run

自分だけの為ではない事はとても楽しいです。 希望の箱は暖かいから、お弁当がいつもホカホカで在り難い。 ぱたぱたと忙しなく、でも楽しそうに動いているといつの間にか旦那様の視線に気付く。気付いてこちらから挨拶するまでじっと見ている事が多いって最近気づきました。はて。

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疑問はさて置いて、一旦全部の作業を放り出して抱きつく。 あったかい。 「おはようございます、いい天気ですよう」 いつも繰り返される、いつもの朝。

ゾンネ @sonne_run

#肉への疾走 退官しても、結婚しても、鍛錬は続けている。予備役として登録しているのもあるし、いざという時森を守る役目もある。だから、出来る限りの鍛錬は欠かさない。肉屋の仕事も体力勝負だし。それに何より。 (殺すより守る為の鍛錬は心が澱まずに済みますよお)

ゾンネ @sonne_run

基本的には騎士剣術。両手剣。大戦ではこれで駆け抜けた。普段人に見られる訓練はこれを行う。背筋を伸ばして正々堂々。パンドラ魔術師の炎すら斬り裂けた。上官のサヴァは優しげな顔して鬼の様な訓練をゾンネに課したその賜物である。 これは心と身体が洗われる。淀み憎しみを断ち切ってくれる剣術。

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もう一つは別の専門家から極秘に訓練を受けた。暗殺術だ。暗殺者としては恐らく児戯。でも心得が必要な時がいつかくる、と。ーーーー実際来たが。 短剣と片手剣。近接戦闘。 背後に回り込みただ命を消していく。心が澱んで濁っていく。そんな剣術だった。 でも、同じ様に真剣に望んだ。

ゾンネ @sonne_run

理由は簡単。 自分で選んだ道だからだ。 こんな筈じゃなかった、知らなかったじゃすまされない選択。 １０歳の時、一族郎等全てを混沌災害で喪った。 その時から自分の人生の最高責任者は、君主は自分自身だった。誰のせいにも出来ないと腹を括ったのはいつの事だったか。 全ての責任は自分自身。

ゾンネ @sonne_run

だから、全て本気で。生き抜くために。お肉食べる為に。 お肉大好き過ぎてやや偏りはあったが真っ直ぐ生きてきたつもり。 今日も剣を素振る。 光の剣も闇の剣も。 振るう私が真っ直ぐなら、何とかなります何とかしますよおおお。 そう、胸に語りかけて。

ゾンネ @sonne_run

#肉への疾走 悪夢で目が醒める時がある。 己が己でなくなる。四散して無くなる。己だったモノとなり、混沌に呑み込まれる。ーー呑み込まれそうになる。 何の事は無い。ただの実体験だ。 自分が被災した混沌災害。君主が駆け付けるのがあと一歩遅ければ家族と同じ様に消えていた。

ゾンネ @sonne_run

純粋に恐怖心。 体調が悪い時、心が弱まっている時によく見る、ロングラン公演の悪夢だ。そろそろ他のパターンも欲しいが、生来呑気なのでそれ以外悪夢になり得る出来事があまりないから仕方がないのかもしれない。 飛び起きると息が乱れて大抵冷や汗びっしょりになっている。 なんてわかりやすい。

ゾンネ @sonne_run

数ヶ月に一度は見ていたが、二人で寝るようになってからは１年に一回か二回程度。どれだけ安心して寝ているかわかるというものだ。 それでも悪夢を見た時は、そっと夫を見つめて起きてないか確認する。 何故だか見られたくなくて。 そっと寝台を抜け出して汗を拭き戻る。戻った時が本当に安心する。

ゾンネ @sonne_run

もしかしたら。 旦那様は気づいてるかもしれませんねぇ。 だって声上げて起きてるのに。旦那様はずっと寝てるんですもの。 きっとこれから長い年月を一緒に過ごせば悪夢はきっと見なくなる予感がする。 布団に入り、いつもより側による。 「おやすみなさい」 体温を感じて眠くなる。