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tasobussharima1
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「おい……なんだよ。まさか、お前、連れてく気じゃあ」 「ガンジー、考えてみろ。俺達は、徳ジェネレータを手に入れようとしている」 二人は少女を待たせ、ひそひそ声で相談しあう。 「そうだぜ。だから、あれをバラして、とっとと帰ろう。この里の方がどう考えたって安全だろ」
2016-01-28 21:04:03
「だが、問題がまだある。『燃料』だ」 「……」 徳ジェネレータで徳エネルギーを生産するには、徳が必要だ。徳の源は徳をの高い人間、或いはその遺物である。 ソクシンブツは既に無く、ガンジー達に徳は無い。 「彼女はこの街の住人だ。徳をそれなりには積んでいる筈」
2016-01-28 21:08:03
クーカイ「アー、俺たちは徳を持っていないまら仕方ない、アー仕方ない、この娘に頼るのも仕方ない……」 #徳パンク
2016-01-28 21:09:41
「……俺達が負い目に感じることじゃねぇぞ、クーカイ」 「……」 だが、ガンジーの反応は冷ややかだった。彼は、相棒の心の負い目を見抜いていた。 「その調子じゃあ、この先また厄介をしょい込むことになる」 少女を連れて荒野を突破するならば、リスクは否応なく上がる。
2016-01-28 21:12:07
徳ジェネレータは生きた人間から徳を抽出することも想定してるってあったけど、でもそうやって徳を人々の役に立ててしまったら例の連鎖が発生するのでは?まぁ徳エネルギーが実用化してから徳カリプス発生まで結構かかったみたいだからそんなに気にする必要はないのかもしれないけど…… #徳パンク
2016-01-28 21:13:45
「……そうか」 クーカイは絞り出すように応える。 「まずは、あのデカ仏を解体する。後のことはそれから考える。いいな?」 「ああ」 「どうしたんだよ、らしくねぇぞ。徳にあてられでもしたのか」 どこか上の空になりつつある相棒を気遣いながらも、ガンジーは工具を片手に作業へ戻る。
2016-01-28 21:16:06
オーバー徳テクノロジーをその身に実装した巨大自律機械・得度兵器。徳エネルギーにより稼働する小宇宙は、人体に勝るとも劣らぬ緻密な構造物だ。如何なる知性が、或いは科学がそれを作り出したのか。 ……そんなことには一切関心を抱かず、ガンジーの無慈悲なグラインダーがその内部構造を削り取る。
2016-01-28 21:20:02
更に作業を進めること、一時間。徳エネルギーバイパスを慎重に避けつつも内部構造を力づくで破壊しながら、二人は遂に見覚えのある形状の物体を得度兵器の胎内に見出す。得度兵器の中心部。人間で言えば心臓の真下付近の、奥深く。柔らかな光を放つ花の蕾、あるいはフラスコめいた器官。
2016-01-28 21:24:01
解体の仕方が荒っぽいように見えるがそもそも人間が手で分解することなんて想定してない機械だからね…… #徳パンク
2016-01-28 21:24:50