リベラルを撃て - 「母子家庭の半分が貧困」「本社企業はフランチャイズの値下げ販売を妨害」「日本の奨学金はただのローン」…so what?
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「セブンイレブンのフランチャイズいじめ」「奨学金という極悪制度」「シングルマザーへの援助の少なさ」といったtwitterリベラルが好む主張に関しては、どれも理論的バックボーンが弱すぎてまったく説得されない。それぞれなぜ説得されないかは過去のツイートで述べている。
2016-01-29 00:33:17![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
social plannnerが直面する問題を定式化するうえでトレードオフを生じる要素を意図してか意図しないでかそぎ落として正義感と合致する気持ちのいい提言をみちびくだけの楽なお仕事。
2016-01-29 00:40:03「シングルマザーへの援助が少ない」を検証
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子供の貧困って相対的貧困率とか謎の基準では測ってるし「母子家庭の半分が年収120万円以下」についてもF(収入<120万|z)>1/2な社会属性zなんてなんぼでもある。それらが重要な問題か否かとは別の話として、なんでそんな意味のない数字持ちだして議論してるのかがわからない。
2014-06-05 06:21:50![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「∀z, F(収入<120万|z)<1/2」が目標であるならわかるけどなんで 「z=母子家庭、F(収入<120万|z)<1/2」? その理由が「子供の厚生に重大な影響があるから&子供の厚生は特に重要だから」ならなんで「子供の貧困」をもっとまともな数字をもってきて正当化しないのか?
2014-06-05 06:28:30「セブンイレブンのフランチャイズいじめ」を検証
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【深層セブンイレブン③】本社の利益は増え、加盟店の利益だけが減る「ロスチャージ」というシステム #NewsSocra s.socra.net/ho457
2015-10-21 11:37:14![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
セブンーイレブンがオーナーをどう追いつめ、なぜ追放するのか headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151019-… #Yahooニュース
2015-10-21 11:37:24![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
フランチャイズってのが一般的にどういうものと考えられてるのか知らないけど、理屈としては上流企業が下流企業にものを売る時に数量×価格じゃなくて一定額+数量×価格っていう売り方をする二部料金制の一種と考えられるんですよね。
2015-10-21 11:40:35![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そんなことをする理由としては「垂直的外部性」が考えられます。製造原価がc、小売価格がp、卸売価格がw>cの時、小売店が一個商品を売ると全体でp-cの利益がでますが、小売店にはp-wの利益しかでません。そのため小売店は全体利益の面から見て少なすぎ・高すぎな売り方をしてしまいます。
2015-10-21 11:41:15![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
この種の「垂直的外部性」からくる上流+下流の全体利益の損失は小売店でのプロモーションなどの営業努力が売上増に重要なときは更に深刻で、一単位の営業努力で増える全体利益の一部の分け前しか小売店はとれないので、営業努力は全体利益の面からみて過小になりがちになります。
2015-10-21 11:42:32![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
で、この問題を解決する手段が「一定額+価格×数量」という「フランチャイズ」契約なんですね。まず、上流企業が卸売価格を製造原価と同じw=cに設定します。こうすると、小売店が一単位価格を下げるなり営業努力をするなりして売上を伸ばした時の全体利益と小売店利益の増分が同じになります。
2015-10-21 11:44:25![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そうすると「垂直的外部性」がなくなるので、小売店が小売店利益を最大化するために設定する小売価格や営業努力の水準は、全体利益を最大化するための価格や営業努力の水準に等しくなります。ただ、このままだと全体利益は全て小売店に行ってしまい、上流企業はゼロ利益しか得られません。
2015-10-21 11:45:31![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そこで出てくるのがフランチャイズ料です。そもそもの営業権を一定額で売ります。このとき期待小売店営業利益≧フランチャイズ料である限り小売店は契約に合意します。では上流企業はフランチャイズ料をどこまで上げられるかといえば、小売店がギリギリ承諾する額、期待小売店営業利益額になります。
2015-10-21 11:49:13![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
卸売価格は小売店による小売価格や営業努力の水準の設定に影響するが、フランチャイズ料は小売価格や営業努力の水準と無関係で一定額なので小売価格や営業努力の水準設定に影響を与えず小売店による契約承諾の可否のみに影響を与える、というのがここでのポイントです。
2015-10-21 11:50:48![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
面白いのは、上流企業がそのようなフランチャイズ契約を結ぶとき、単純な価格×数量契約の場合に比べ、上流+小売店の全体利益は増え、小売価格は下がるので、消費者厚生も全体厚生も増えている、という点です。企業サイドで小売点の余剰全て上流に吸い上げられているだけで、経済としては望ましい。
2015-10-21 11:51:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「在庫処理のための値下げ禁止」とか「店舗売上が一定規模を超えた時に新規出店」とかってことをやる理由やその厚生への影響って話も産業経済学の古典的な話なんだけどそっちはまたあとで。
2015-10-21 11:54:18![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
セブンイレブンの奴、まず「在庫処理のための値下げ禁止」。これは再販価格維持、その中でも特に値下げを禁ずるもので、日本を含むだいたいの先進国では原則違法だけどアメリカでは2007年最高裁判例で合理の原則適用になった。日本でもセブンに対してこの件で排除措置命令でたんでしたっけ?
2015-10-21 19:15:23![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
法律の話とは別に企業余剰、かつ/あるいは、総余剰の面から値下げ禁止を正当化する理屈はいくつかあるんだけど、今の場合、本社社員が「見切りをやると周りの店に迷惑だからやめてくれ!」と言ったということなので「価格競争の水平的外部性+需要不確実性」の議論があてはまるのでしょう。
2015-10-21 19:19:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
発注が需要が判明する前に行われる場合、セブンの小売店としては需要が低いと判明したときは値下げ、高いと判明したときは値上げしたい。ただ、この時競合するセブンの小売店があると、この値下げによって競合のセブンの需要が落ちる。小売店はこの影響を気にしないが、上流企業はこれを気にする。
2015-10-21 19:26:36![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@mixingale その後の裁判の判決はバラついていますが、2009年に排除措置命令が出ているようです >「見切り販売」については、公正取引委員会が2009年6月、加盟店への不当な制限があったとして同社に排除措置命令を出している。 huffingtonpost.jp/2013/08/31/sev…
2015-10-21 19:31:01![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kobayashi_masa この議論が最終的に法律の世界でどういう結論に至るのか楽しみです。
2015-10-21 19:54:59![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
これを解消するひとつの手段が価格下限の設定。価格下限を上流+下流の全体利益の面で最適な水準に設定しておくことで企業全体利益が上がる。消費者厚生的には、需要の低い時の価格が上がる悪影響と需要が高い時に価格が下がるか欠品が減る良い影響の2つの力が働くので、良いか悪いかは実証上の問題。
2015-10-21 19:33:34![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
じゃあそもそもセブン内で競合しないように店舗間を十分あけとけよ、という話と関係するのがドミナント戦略の話。実際「価格競争の水平的外部性」だけを考えればセブン本社としても店舗間はあけときたい。にもかかわらずドミナント戦略をとるのは、一つには流通コストなどの削減があると考えられる。
2015-10-21 19:38:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
でも「日販80万円を越えたら新規出店」というルールがあるのだとしたら、これは予防的参入なんでしょう。つまり、コンビニチェーンはセブンだけでなく、そんな需要の高い地域はほっとくと競合他社の店舗が参入する、だから自社内情報で需要の高さを確認したら先んじて参入しておく、ということ。
2015-10-21 19:42:17