イランでは、車のナンバープレートにひげそりクリームを塗る人が増えています

神田 大介 @kanda_daisuke

イランでは、車のナンバープレートにひげそりクリームを塗る人が増えています。原因は、悪化する一方の大気汚染なんです。／（世界発２０１６）イラン、進む大気汚染　車の排ガス主因、経済停滞が追い打ち asahi.com/articles/photo…

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この取材、テヘラン南部の某所にはりこんで行いました。カメラ設置場所で、かつ車通りがそれほど激しくなく（停車してナンバーに細工をするため）、かつ警察官が取り締まりをしていない場所というのは、クチコミで市民の間に広がっているようです。 pic.twitter.com/Tm9eXxiIR6

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見ていたらまあ、くるわくるわ、次から次へと。こちらは上着を後部トランクにはさんで走り去る車。 pic.twitter.com/WCMKGQBqq2

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母子でナンバーを隠す人も。あまり罪悪感はなく、むしろ、大気汚染をいつまでも改善できない「お上」が悪い、という不満の方が強いようです。 pic.twitter.com/xt2biD9DT4

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実際に何人かに話を聞いたんですが、「じゃあ２日に１回しか出勤しなくていいのかい」などと悪びれずに言う人も。違法行為はもちろんいけませんが、他に仕方がないと言われれば、それも一理はあるんですよね。 pic.twitter.com/so5Cdh3N7A

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助手席にいた同乗者が、車の後ろを走ってナンバーを隠すという、大胆な手口もありました。おじさん、おなかのお肉が見えてます。 pic.twitter.com/z19vefDQX8

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深刻なのは、イラン社会全体でモラルの低下が起きているように思われることです。マジメにやったって仕方ないんだ、という。以前、大学生の間で、業者にカネを払って卒論などを作らせる商売が横行しているという記事を書きましたが、それも一例でしょう。

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イランの場合、なにぶん社会に理不尽なことが多すぎます。たとえば就職活動やビジネスが、実力よりもコネで決まってしまう。ファッション、出版、音楽活動、ネット、デモ、報道などあらゆる表現活動が規制されていますが、その基準が明文化されていない。

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法的根拠がないのに、現場の判断で逮捕されることもあります。多くの場合、決定は覆せない。わいろも横行していますし、マフィアが様々な場面で物事を仕切っているとされます。「 努力は必ず報われる」なんて言えば、指を指して笑われてしまうような状況です。

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制裁解除と聞いて浮かれている人も、社会のごく一部の人たちに限られているように見えます。どうせ一部の特権階級しか甘い汁は吸えないんだろうというような失望感が感じられる。イランでは２月２６日に国会議員選挙がありますが、こうした空気がどう反映するかがカギでしょう。