トランプ×ジョーカー 史上最哀の年末年始 2015/12/24-2016/01/31

病に倒れ、入退院を繰り返していた母方の祖母。
遂には「もう治らない」と宣告され、別の病院に転院しターミナルケアを受ける事態に発展するほど悪化する病状。
母は、そんな祖母の見舞いに毎日行くようになっていた。
職場からそのまま病院に泊まり、朝方に一時帰宅して家事をこなし、職場……のループを繰り返す母。
母からは何も告げられず、不安を募らせる僕。それとシンクロして、僕は体調を崩していく。

母は、今日も病院。
死期を悟る祖母に「正月の餅食べるんでしょ!?」と激励を続けてきた母だが、「正月の餅はもう無理だ」と一家全員覚悟を決めた。
僕は僕で憔悴しきり、思考回路は完全にダウンしてしまっていた。

母の多忙は我が家の冷蔵庫にも影響を及ぼし、「パーシャル」と呼ぶエリアは今日も空っぽ。
今晩も祖父母（父方）と僕だけの食卓。
いっそ「豪華版」を考えた祖母だったが、「誰もいないのにめんどくさいわ」と簡単に済ませようと告げる僕。
そのまま買い物に、イオン。

父はこの時、病院に向かっていた。
既にこの時、最終局面を迎えていたのである。

13:03、携帯電話に母から入電。「もう駄目だ」。
顔を青くして慌てて買い物を済ませ帰宅。

忘れもしない13:27、自宅に母から入電。

祖母の死亡を告げる連絡だった。

祖母は、2015年12月29日、83年の生涯を、とじた。

19時、母帰宅。
今後の葬祭予定を告げられる。
遺影の写真を探すべく自室の押入れを漁る母。
見つかったのは、僕のお宮参りの時の写真。
その時初めて、僕は祖母の一番孫であることを知った。
父は一人息子なので、父方にとっても僕は一番孫なんだけど。

祖母の孫は、このようになっていた。

1. 僕
2. 弟
3. 従妹（伯父の長女）
4. 従弟（伯父の長男）