#男女心中道行電車100字書き出し

自分で読むようにまとめました。
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くるひなた☀️「落ちこぼれ子竜の縁談」3巻発売中 @khinata

こんなに幸せなのは初めてだ。 右手は、ずっと君の温もりに包まれている。 荷物はいらない。ポケットに片道切符があるだけだ。 「それ、よく似合ってる」 僕の全財産で買ったワンピースを着て微笑む君は、最高に可愛い。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 12:02:02
事変 @hskrkmbttkb

北へ向かう電車内の数少ない乗客のうち、一組の男女がなぜかドア付近に二人身を寄せ合って立っている。暖房が効きすぎた車内では、ドアの向こう側の白い風景に現実味が無い。にもかかわらず男女の表情だけは、極寒に耐えているようだった。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 11:58:25
蛸介 @ameYa967

終点までの切符を2枚買った。2人とも海の場所を知らなかったから。海が見えたら降りようということで、僕らはずっと窓の外を見ていることにした。この無計画さは、僕らの人生そのものだった。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 11:50:20
藍川雛 @ahiknawa3

手を取り合って、駅までの道程をゆっくり歩く。清々しいほどの青空で、どうしてか二人のこれからを祝福されているような感じがした。互いに一言も交わさず切符を買って、長い長い旅の始まりだ。帰ることのない旅へ。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 11:45:39
鳴澤うた3/1(もふもふ皇女の許されざる恋の相手は異種族ヒト科の王子でした」配信発売中! @utatodo

帰宅に混雑する街中、彼と歩く。「夕飯は何にしよう」とか「明日も仕事だ」とか皆は近い未来を思うのだろう。未来に「死」を望むのは私と彼だけと思うと、唯一の特別な存在なのだと知らず口角が上がった。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 11:45:21
榎木ユウ @esukiyusin0

#男女心中道行電車100字書き出し 今しかないんだ-- 僕は隣に座る彼女の手を握りしめる。 心中した二人は生まれ変わって……なんて話、信じてない。 この電車に乗ってる人達は、帰るんだろうけど、僕たちは帰らない。帰れない。 今しかない。 だから、この今を永遠にしたい。

2016-02-04 11:40:36
鈴木さら @SuzukiSara

窓側の席を譲ったのは失敗だったかもしれない。初めて見る景色が次々と現れて、私の隣に座った男は、それを無言で見続けている。 #男女心中道行電車100字書き出し 100きっちりでなくてもいいんだよね?これ。

2016-02-04 11:35:47
樫木 @kashiki_rin

車内アナウンスが有名なテーマパークの名を告げた。 「…今度、行こうね。」 隣の彼は穏やかに囁く。 「待ってるわ、ずっと。」 答える彼女の微笑みは柔らかく、深く、そして何処をも見てなどいなかった。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 11:34:51
水城みと @mzsr310

隣に座る少女は青年の手を握っていた。その細く白い指先は凍えて震えている。寒い?、と問えば、寒い、と頷く。桜、咲いているかしら。春先の空は何処までも淡い。揺れる電車は揺籃のようだった。散った花弁が私たちの骨を飾れば良いのにと彼女は嘯いた。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 11:21:14
パンティ田村 @ijinblog

しょっぱいにおいのする雑木林を抜けると、夏特有のぺたりとした青い空ときらきら光る海が見えた。隣に座っている彼女は真剣な表情で口から出した細い糸を体に巻きつけている。もう肩の辺りまでサナギは出来上がっている。終点まであと三駅。間に合うだろうか。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 11:13:55
緋手 @shall_tack02

ビル群の向こうに夕陽が沈み、トンネルをいくつか抜け、時々、暗い窓にくたびれた民家が浮かぶ。そこにあるだろう知らない人生をぼんやり思う。右肩に、彼女の柔らかな温度を感じる。それを、永遠に閉じ込めにいく。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 11:04:20
白蘭 @Rostbeafmaru

#男女心中道行電車100字書き出し 通り過ぎる景色は君には見えていないのだろう。かつて、僕達が過ごした過去さえも君は忘れている。それでも色あせないのはあの場所の記憶。この電車の終着駅。君が君でなくなる前に向かう場所。そこで僕達は綺麗な紅に染まるのだ。

2016-02-04 10:57:55
奏緒ルミ @sunshine_rumi

目の前の高校生の男女に、私達はどう見られているのだろう。願わくば、これからデートに向かう、幸せそうな仲睦まじいカップルだと思われていれば良い。私達が私達をそう思えるようになるために、私達は行くのだから。  #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 10:54:07
@kon_cent_nok

電車なんていつぶりだろう。期待や不安を滲ませるでもなく隣でぽつりとつぶやく。きっと私の鳥籠の中は狭かったに違いない。外の世界を最後の2時間だけしか見せてあげることができなかったけど、それでも君は笑ってくれる。 #男女心中道行電車100字書き出し ほとぼりが冷めた頃に

2016-02-04 10:53:31
ドットウォーカー @omi03imo

駅を走る。音は自分の靴音だけだった。見つからない何処にも居ない。郵便受けにあった手紙の差出人たちは別れのコトバも言わせてくれなかった。#男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 10:53:00
ハル@わしゃ止まると死ぬんじゃ @hal_novel

「その卵焼きちょうだい」 彼女は無邪気に僕の幕の内弁当に箸を延ばして淡い黄色のものを取っていった。 幸せそうに目元に微笑みを浮かべて彼女が咀嚼する。日差しは暖かくて僕はそれを見ながらとろりとした幸福を感じ #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 10:50:41
月影 @zan_Kai

「太宰治、みたいだね」 顔を伏せて、揃えた足をぼんやり見ている女がつぶやく。男は返事をしなかった。代わりに、窓から射す夕日の光にまぶしがるふりをする。 月の下を走る列車は、静かに闇に向かって進む。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 10:49:24
わらび @warabibibi

隣に座るこの人は、俯いてじっと自分の手を見つめてる。 朱色のビル、淡い青の空、灰色だと思っていた窓の向こうが、こんなにも色に満ちている。私達の行く先は色に満ちている。そっと握った手は、ひどく冷たかった。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 10:45:19
ふじの @fujinohisako

#男女心中道行電車100字書き出し 都合8度目の心中だった。8度目ともなるとお互い慣れたもので、今度はどうやろうかと話し合いながらの朗らかな旅となった。愛しい人の小さな手を握ると、まあまあと笑われる。「ねえ君、次はどこで会いましょうか」

2016-02-04 10:42:58
Kayo. @Luno_ch

#男女心中道行電車100字書き出し 私だって不安だというのに。彼は俯き続けていて何を考えているのか。 「はあ……」 雑音だけが彼の耳に入っているのか。私の溜息は彼に届かない。 一人で死に逝ける者は大した者だ。本当に羨ましい。

2016-02-04 10:41:29
ゆーぽにあ🆔 @camellia_w_r_b

別に死にたいわけじゃない。この世はそんなに汚いだろうか、貴方が死にたくなるほどなのだろうか。ガタンと大きく揺れて、貴方から手を絡めてくる。 「この世は綺麗だからここにいれないんだ」 なんでこんな人好きになっちゃったのかなと貴方の肩に凭れた。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 10:37:08
四季 @shikippp

#男女心中道行電車100字書き出し 乗客のざわめきさえ愛しい。こんなにも満ち足りた想いで世界を見つめたのは初めてだ。ようやく貴方を手に入れる。柔らかく握った指先は出逢った頃と同じ繋ぎ方で、なぜだか無性に泣けてくるのだ。

2016-02-04 10:33:23
chabo @chabo_on_c

うおおお、これは、センスが凄い分かれる・・・!! おもしろいね。 小説のセンスが分かる? #男女心中道行電車100字書き出し タグに投稿多数 人気作品まとめ - NAVER まとめ matome.naver.jp/odai/214545028…

2016-02-04 10:29:45
ちゃそ @chs_ao

いつも電車の中ではどう過ごしていたっけ、と手持ち無沙汰に考えた。無意識にコートのポケットを探っても、右手はただ空を切るばかりだ。他の乗客は一様に、無表情で手元の小さな世界と繋がっている。それだけで僕と彼女はこの世界の異物のように感じられた。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 10:29:15
親猫子 @kkkmmmno

「次で降りたいの?」 「二人なら」 「無理かな」 「じゃあ、降りない」 「このまま海まで行こうか?」 「海が見たいの?」 「最後に二人で見る海なんて素敵じゃない?」 「それは無理だな。俺が最後に見るのは君だから」 「ああ、私もだ」 君は笑う。 #男女心中道行電車100字書き出し

2016-02-04 10:24:21
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