【赤坂憲雄「不安は数量化できない」】

宗教学者 島薗進氏のツイートをまとめました。 赤坂憲雄氏(福島県立博物館長、学習院大教授)が浄土真宗大谷派の月刊誌に寄稿した文章の紹介です。
3
島薗進 @Shimazono

1【赤坂憲雄(福島県立博物館長、学習院大教授)「不安は数量化できない」『同朋』3月号】goo.gl/GeySjQ 真宗大谷派月刊誌特集「3.11から5年:「声」を聞き続ける」の赤坂氏稿「いよいよ混迷が深まり、ふくしまの声について語ることがむずかしくなっている」

2016-02-29 09:55:24
島薗進 @Shimazono

2【赤坂憲雄「不安は…」】goo.gl/GeySjQ 「唇が寒い。そうして、そこには沈黙の、それゆえに忘却の共同体が生まれつつある。あたかも何もなかったかのように」「いつしか風評被害という言葉が奇妙に捩れながら、多様な小さき声を封じ込めるようになって久しい。」

2016-02-29 09:55:50
島薗進 @Shimazono

3【赤坂憲雄「不安は数量化できない」】「この言葉が小さき声の群れを敵か味方かに分断するために、絶妙な力を発揮している。それはとても見えにくい抑圧性や暴力性をもって、声の検閲を行う。たとえば、風評被害を助長すると認定すると、ただちに敵の声として排除される。」

2016-02-29 09:56:15
島薗進 @Shimazono

4【赤坂「不安…】goo.gl/GeySjQ「そこに、情緒的という言葉をかぶせてやれば、揺るぎない優位性が確保できると信じられている」「放射能や放射性物質は見えない。色もない、形もない、重さもない。線量計によって数量化することなしには、その存在すら捕捉できない

2016-02-29 09:57:06
島薗進 @Shimazono

5【赤坂憲雄「不安は数量化できない」】「不安がつきまとうのは当然だ。不安はけっして数量かすることができない。情緒的であるに決まっている。不安は情緒そのものである」「数字はしばしば、客観性やら学問的な装いやらを凝らしながら、巧妙にウソをつく。人を去勢する。」

2016-02-29 09:57:23
島薗進 @Shimazono

6【赤坂憲雄「不安は数量化できない」】「そんな場面をくりかえし目撃させられてきた。数字を掲げて巧みに他者を批判する者が、なんとも稚拙に数字をこねくり回す姿に遭遇して、脱力感に教われる。ふくしまの声は数字に踊らされ、翻弄されてきた。それが原発事故以後の5年の歳月ではなかったか」

2016-02-29 09:57:56
島薗進 @Shimazono

7【赤坂憲雄「不安…】goo.gl/GeySjQ 「だから、とうてい、ふくしまの声など語ることはできない。だれも代弁者にはなれない。そのことの自覚からしか始まらない、ということの確認から始めるしかない」「恥じらいなしには語れないなどと言えば、笑われることだろう

2016-02-29 09:58:28
島薗進 @Shimazono

8【赤坂憲雄「不安は数量化できない」】「しかし、眼には見えないモノと対峙することを、日々強いられている場所では、恥じらいの有無こそがリトマス試験紙になるのかもしれない、と思う」「いや、放射能ばかりではない。見えないモノは、あちらにもこちらにも転がっている。」

2016-02-29 09:58:50
島薗進 @Shimazono

9【赤坂憲雄「不安は…】goo.gl/GeySjQ 「分厚く堆積している。この世界には、こんなに見えないモノがあふれているのか。そのことに気づかされたのも、震災のあとのことだ。少しだけ賢くなったか」「ともあれん。それでも、語ることをやめるわけにはいかない。」

2016-02-29 09:59:15