【プリパラ】ファム・ファタールとしてのファルルと、プリキュアシリーズの悪役たち

なゆり @bluedeige72219

ふわりちゃんのナチュラルに考えては必要な言葉だったとか、ファルルへの教育的な意見があるけど、そもそもの話ボーカルドールになること≒自殺では無いのでは？と思う ボーカルドールはそんなに悪いものなの？否定されなきゃならない存在？そしてそれを止めるふわりちゃんは、ひびきさんが好きだから

なゆり @bluedeige72219

そばにいて欲しいからっていうエゴで止めるのはまあ良いとして、ファルルがひびきさんがそばにいてほしいっていうエゴを持つことは許されないのか？とも思う ここで大事なのはひびきさんが自らボーカルドールになるのを望んでいるということ ファルルはその話をそっか…としか言ってないということ

STEELFAN @steelfan_kyoto

RT なゆりさんの気持ち凄く分かるし、この文章書いてて自分でも嫌になってくるけれども…… ファルル自身にまったく悪意がない『からこそ』より危険である、というのが脚本サイドの主張ではないかと睨んでいる。

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ファルルの超然とした美しさは、ひびきが幼少期の裏切り以降抱えていた厭世観と自己消滅願望に具体的な形を与えてしまった。ファルル自身にそんな意図はないのにただ佇んでいるだけで相手に破滅的愛情を持たせてしまう、彼女は典型的なファム・ファタールなのだ。

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ひびファルのライブを見ていた観客が、他のライブと明らかに違う異様なハイボルテージ悲鳴を上げていたのを思い出す。当時は何の気なしに見過ごしていたが、今思えば、あの観客たちの中にも相当数のボーカルドール化＝肉体消滅志願者を生み出していたのではないか。

STEELFAN @steelfan_kyoto

だとすれば、「ファルルのようになりたい」というひびきの願いは「誰にも迷惑かけないんだからいいじゃないか」という次元では済まされなくなる。ひびき一人くらいいいじゃん、で済ませていたら、ひびファル二人の姿がさらに多くの志願者を生み、取り返しのつかないことになってしまう。

STEELFAN @steelfan_kyoto

ファルルのこの危険な性質は81話から表面化するが、今思えばふわりだけは70話の時点で薄々それに感づいていた節が見られる。

STEELFAN @steelfan_kyoto

直接的暴力に訴えるガァルルと違って分かりづらいが、やはりファルルも本質的には危険な存在で、その事を指摘できるのはふわりだけ……　この構図に至る伏線はかなり前の話から張られていたのだ。

STEELFAN @steelfan_kyoto

19. プリキュアならここでひびきを力ずくで現実世界へ引き戻してファルルと対峙するであろう。あるいは男子向け特撮なら（牙狼とか平成版ウルトラセブンにいかにも出てきそうな設定だ）ファルルは悪鬼として斬り捨てられ、崩れていくトモチケの残骸に主人公が一輪の花を手向けたりするのだろう。

STEELFAN @steelfan_kyoto

20. だがプリパラの制作スタッフは、それらよりずっと文明的で残酷な手段を選んだ。話し合いでファルルに「自身が自分らしく生きているだけで人の命を奪いかねない化け物である」という事実を納得させ、ひびきの目の前で自己否定をするよう迫ったのだ。

STEELFAN @steelfan_kyoto

21. 肉体を持たず精神とデータだけの存在であるファルルにとって、その精神を自ら否定するというのは自害に等しい。「ひびきはボーカルドールになっちゃだめ」のシーン、筆者には『シグルイ』で切腹した武士が肺腑を自らの手で引きずり出して並べていくシーンと同じものに見えた。

STEELFAN @steelfan_kyoto

22. あの一連のシーンで緑風ふわりが発した言葉について、デリカシーがないとかファルルの気持ちを考えていないとかいう言説がある。気持ちはわかるし正直初見時は筆者もそう思っていたのでブーメランなのだが、それはふわりに対する不当評価であろう。

STEELFAN @steelfan_kyoto

23. あそこでふわりが突きつけた現実を直裁に書いてしまえば「呪いの中から生まれたお前は、人と深く通じすぎるとその者を殺してしまう。本物の怪物になってしまいたくなければ、自らを犠牲にしてひびきを救え」となる。これに比べれば「ナチュラルに考えて」は有情すぎて涙が出てくるほどだ。

STEELFAN @steelfan_kyoto

24. たかだか中学生になりたての少女が、時間的にも精神的にも切迫した命懸けの状況の中で、これほどまでに言葉を選んだのである。筆者自身の中坊時代を省みるに恥じ入るしかない。

STEELFAN @steelfan_kyoto

25. ふわりの言葉が冷徹な計算に基づくものだったのか、天然の言葉運びによるものだったのかについてはＴＬ上でも侃々諤々であるが、本稿では後者の説を採りたい。後者だとすればそれは、彼女のおじいさんの教育がいかに優れたものであったかの証左だからだ。

STEELFAN @steelfan_kyoto

26. そんなふわりの言葉が親の愛を知らずに育ったファルルの心を動かしたのだとすれば、物語上も極めてすわりがよい。

STEELFAN @steelfan_kyoto

27. そして、紫京院ひびきに対して『ファルルのことを見捨てるなんて不義理だ』と非難するのもあたらない。86話の筋運びは本当によく出来ている。なにせ「ファルルの側がひびきの願いを裏切る」という形になるよう仕組まれているのだから。

STEELFAN @steelfan_kyoto

28. さらに、「ひびきはボーカルドールになっちゃだめ」の言葉でファルルが死に等しい責め苦を受けていることについて、ひびきは絶対気付けないように出来ている。

STEELFAN @steelfan_kyoto

29.ひびきはあの言葉をファルル自身が考えて言ったと思っているし、ファルルの精神構造からいってそれがふわりの差し金であることをひびきに言うはずがないからだ。後からそれを教えうる第三者も存在しない。

明恵 @QczTg7s6EtQ1I8Q

@steelfan_kyoto 失礼します。27の理屈はわかるが、「外の世界」ではなく「パルプスのマーガレット」というファルルにほぼ縁のないであろう固有名詞は、ひびきなら充分ファルルに接触した第三者の介入を察せられると思います。

STEELFAN @steelfan_kyoto

@QczTg7s6EtQ1I8Q ほんまやーーーー！　ご指摘ありがとうございます！　論拠の半分近くが吹っ飛んでいきました！（笑）

明恵 @QczTg7s6EtQ1I8Q

@steelfan_kyoto 　あはは(笑)　でも興味深い内容でした！ファルルは善悪以前に人間を魅了し冥界に誘いうる死のプリンセス(逆にふわりはひびきにとっての生かな？)であるとは…まああの子は出生が女の子たちの憧れが集まって具現した存在ですもんね…

STEELFAN @steelfan_kyoto

@QczTg7s6EtQ1I8Q こんな長文をわざわざ読んでいただいてありがとうございます。ファルルのことを『怪物』と呼ぶのは自分で書いてても大変心苦しいのですが、悪意も殺意もなくただ踊っているだけで人間を死にいざなってしまう彼女はやはり怪物としか言いようがないんですよね……