#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が僕のたまり場だった。看護科の先輩が話しかけてくる。「I君いる?」「さっき教室で今日先輩とデートだって自慢してましたよ」「ありがと、教室行ってみる」短いスカートを揺らしかけてゆく。ココアの匂いのする自販機の前が僕のたまり場だった。
2009-10-28 00:50:52#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。右から声が聞こえる「昨日サシオフした女がはずれでさー」左から声が聞こえる「あたし香水変えたんだー」2階から声が聞こえる「次ボストロールの授業じゃんかー…」。ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。
2009-10-31 10:54:14#twnovel ココアの匂いがする自販機の前が僕らのたまり場だった。遠くから彼女があるいてくる。「ただいま」「おかえり」。手をつないで歩きだす。ココアの匂いがする自販機の前が僕らのたまり場だった。
2009-11-01 01:47:00#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が僕のたまり場だった。彼女が僕の隣でココアを飲んでいる。白い湯気だった紙コップの口をつけた部分がほんのりココア色だ。「なぁ下の名前で呼んでいいかな」「人前じゃやだ。」ココアの匂いのする自販機の前が僕のたまり場だった。
2009-11-17 00:23:13#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が、僕らのたまり場だった。「ねぇ、何であたしのこと好きになったの?」「ん、夢に出てきたから」「・・・単純」ココアの匂いのする自販機の前が、僕らのたまり場だった。
2009-11-17 22:10:36#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。ポケットに入れた小銭を自販機に投げ入れる。「ほれ、好きなの押しな」あざーす!と、カマキリのような顔で高は言わ笑った。ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。
2010-01-13 02:33:11#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が僕のたまり場だった。セミの声。グランドの橋のベンチで弁当を食べる部活生。ムダに青い空。何でここいいるんだろ?国語便覧を開き、太ったメガネのおっさん作家の写真を見る。ココアの匂いのする自販機の前が僕のたまり場だった。
2010-04-02 04:26:56#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が僕のたまり場だった。ソファ横に並べられた観葉植物がうっとおしく感じる。汗を垂らす。ココアを飲む。徹夜明け(仮眠1時間)の体に響く。ふと栄養ドリンクにすればよかったと後悔しる。ココアの匂いのする自販機の前が僕のたまり場だった。
2010-06-28 10:41:28#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。古い箱から出てきた贈り物。僕はまだ、彼女に逢いたいのだろうか。両手の指ってのは、花占いの代わりにするには少なすぎるけど、僕は「逢いたくない」から数えだす。ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。
2010-07-08 15:11:28#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。雨の日に帰ってきて彼女がいたのは一度だけしかなかった。大きなバスタオルを用意して僕の頭を拭き、僕がシャワーを浴びているうちに用意されていたホットココアと手紙。ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。
2010-09-17 01:17:17#twnovel ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。展望台の喫煙所で、夜景を見ながら煙草を吹かす。「タバコ、チョコレートにかえなよ」と言われ、チョコの匂いがする煙草に変えたことを思い出した。ココアの匂いのする自販機の前が僕らのたまり場だった。
2010-12-06 22:25:15#twnovel ココアの匂いがする自販機の前が僕らのたまり場だった。遠くへ行ってしまった君の匂いが、ソファのとなりの樹を見るとなんとなく思い出せてしまう。もう、つらいことがあっても君に頼ることはやめると決意した。ココアの匂いがする自販機の前が僕らのたまり場だった。
2011-01-18 01:43:09#twnovel ココアの匂いがする自販機の前が僕らのたまり場だった。田舎へ戻ると、昔帰り道に寄った公園も本屋もなくなっていた。ジャスコの駐車場にある入り口の自販機前で、子連れの懐かしい輪郭の女性を見かけた。声はあの時のまま。ココアの匂いがする自販機の前が僕らのたまり場だった。
2016-03-16 04:01:24