はたはる！

はるか @YT_HARUKA

はたてちゃんは、一瞬だけびくりと肩を震わせた後。ただ、ぽつりと　「……ごめんね」　とだけ呟いていた　

はるか @YT_HARUKA

翌日。はたてちゃんが浴室で手首を切って、死んだ事を聞いた　手首を何度も何度も横に切っての失血死だったそうだ。動脈の切断も出来ないくせに、肉と皮だけ切り裂いて。余計な痛みだけ増やしやがって　バカ

はるか @YT_HARUKA

本当に、バカだ。こんなろくでもない男を慕って。虐められるだけの毎日で。あれだけ見てくれが良いんだから、他の男なんて山ほどなびいただろうに。なのに、あいつはこんな最低の男を慕っちまって。だから、こんな結末になっちまうんだ。死ぬほど愛してる、なんて言葉があるけど……本当に、バカなヤツ

はるか @YT_HARUKA

バカ……　あいつが残したという、一本のリボンを握りながら。俺は屋上で、小声で呟いていた。バカなヤツだ。本当に……バカな天狗で――そんなのが、死んだってのに。未だに、あいつの事が頭から消えない自分もまた、バカなんだろうなあ　　　　　そんな事を思いながら。自分の首に、刃を走らせた

はるか @YT_HARUKA

ちゃぷちゃぷと、水の音が聞こえる。あちこちでは子供達が石を積んでいて、和装の大鎌持ちが船を漕いでいる。　気が付けば、その景色の中にいた　三途の河、というヤツなのだろうか。まあ、頚動脈をスッパリしたんだ。死ぬのは当然だろう

はるか @YT_HARUKA

むくりと起き上がり、霧の中をさ迷い歩く。探し人は……簡単に見つかった。死んだってのに、死に装束も着ず、あのミニスカートとシャツの格好のまま。あいつは……俺を見つけた瞬間、泣きそうで、けれども嬉しそうで、どうしようもないって感じの表情になっていた

はるか @YT_HARUKA

こちらへと駆け寄って来て。けれども、寸前でぴたりと止まってしまって。あと一歩、近付きたい、けど近づけない……って感じの様子だ。そういえば、生きている間に「触れるな」って言ってたか。律儀なヤツ。死んでまで、言いつけを守るなんて

はるか @YT_HARUKA

「死ぬほど好き、なんて言葉はあるけど」　言葉を発しながら、一歩、前へ踏み出す　「……本当に死ぬバカがいるかよ」　こちらが進んだ分だけ距離を取ろうとするはたてを、抱き寄せた　「……ごめん、なさ――」「謝るなって、バカ」「……うんっ」「…………」　後は。無言で、抱きしめていた

はるか @YT_HARUKA

はたｎEND　死ぬほど大好き　おしまい

はるか @YT_HARUKA

絶望先生が言ってた　究極の愛とは、心中であると