物書きのイメージ

「物書き」についての連続ツイート。 (An idea of @kenichiromogi
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倉沢 繭樹 @mayuqix

物書き(1)ロシアでは詩人が尊敬されると言うし、ドイツでは文学者に敬意を払うと聞く。現代の日本では、物書きの社会的立場はどうなっているのだろうか。

2011-01-21 22:36:00
倉沢 繭樹 @mayuqix

物書き(2)大学でアメリカ文学を教わった筒井正明先生に面白いエピソードを聞いた。あるノーベル賞作家が来日した時のこと。当時ヘンリ・ミラーを耽読していた筒井先生は、その作家にヘンリ・ミラーをどう思うかと訊いた。答えは「He is no writer.(彼は作家なんかじゃないよ)」。

2011-01-21 22:51:49
倉沢 繭樹 @mayuqix

物書き(3)筒井先生はムッとして、その作家と口を聞かなくなったそうだ。物書きも人間だから、当然党派的争いや主義主張・思想信条の違いで反目することもある。外部から見ると、何を論争しているのか不明な印象を受けることもあるが、彼らには彼らの「守るべきもの」があるのだろう。

2011-01-21 23:00:03
倉沢 繭樹 @mayuqix

物書き(4)村上龍さんと中上健次さんの対談で、村上さんが、作家になったら周りから、やっと君も更生したね、と言われた。でも、作家になりたいなんて恥ずかしいことだ、と発言し、中上さんが頷くというシーンがあった。

2011-01-21 23:07:00
倉沢 繭樹 @mayuqix

物書き(5)浅田彰さんは、学者や物書きなんてキチガイの一種だ、と言っていた。山口昌男さんは、思想家の顔には「死相」が見える、なんて洒落のめしていた。物書きは世間一般の「常識」からズレた人間だ、という認識が行き渡っているのだろうか。

2011-01-21 23:16:17
倉沢 繭樹 @mayuqix

物書き(6)しかし、だからこそ、物書きが社会的に尊敬されるのだ、とも言える。スタンダードから外れた視点にこそ「真実」が浮かび上がる、と。また、スタンダードから外れた人間にこそ可能なことがある、とも。ソルジェニーツィンは『収容所群島』を書き、三島由紀夫は割腹自殺した。

2011-01-21 23:24:14
倉沢 繭樹 @mayuqix

物書き(7)いわゆる学問的参与観察研究「フィールドワーク」で、ある特定の団体・個人を対象とする場合、求められるのは、典型性・先駆性・代表性である。物書きには、たとえばフィールドワークで「研究対象」としたくなるような、何か不思議な魅力があるように思う。

2011-01-21 23:34:18
倉沢 繭樹 @mayuqix

物書き(8)物書きがいなくなった社会は、もう誰も物を考えなくて済む社会かもしれない。平穏そうな社会だ。しかし、そこに生きている者を「人間」と呼べるかどうかは判らないが。

2011-01-21 23:40:47
倉沢 繭樹 @mayuqix

以上、物書きについての連続ツイートでした。

2011-01-21 23:42:24